決算短信の見方は?決算短信で確認すべき主要数字の意味も解説

決算短信の見方は?決算短信で確認すべき主要数字の意味も解説

「決算短信を読もうとしたけれど、どこをみればいいのかわからない」と困っていませんか?

投資をはじめたばかりの方にとって、決算短信は大量の数字や専門用語が並んでおり、何を重視すべきかがわからずに途中で諦めてしまうという方が多いようです。

そこで今回は、決算短信の見方の基本として、確認すべき5つのポイントを解説します。

本記事を読むと、投資経験が浅い方でも決算短信の重要な部分を読み取れるようになり、効率よく投資判断ができるようになります。

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目次

決算短信が難しいのは「どこをみるか」が決まっていないから

決算短信が初心者にとって読み解くのが困難である理由は、多くの情報から重要なポイントをみつけ出すのが難しいからです。

上場企業が公表する決算短信には、十数ページにわたって財務数字が詳細に記載されており、どの数字が投資判断に重要なのかが明確になっていません。

そのため、投資経験の浅い人が決算短信の内容をすべて理解しようとすると、重要な情報を見落としたり、誤った判断を下したりする可能性が高くなります。

したがって、決算短信を効率的に読むには、最初に確認すべき項目を決めて分析するのが重要です。

次の章では、決算短信で確認するべき5つのポイントについて解説します。

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迷わない決算短信の見方:最初にみる5つのポイント

決算短信を確認するとき迷わないために、最初にみるべき5つのポイントは以下のとおりです。

  • 経営成績
  • 配当の状況
  • 業績予想
  • 経営成績の概況
  • セグメント情報

それぞれ解説します。

経営成績

企業の経営成績は、企業の業績を客観的に評価する際に信頼できるデータであり、投資判断の基礎となる情報です。

決算短信の見方は?決算短信で確認すべき主要数字の意味も解説

経営成績を確認する際は、売上高・営業利益・経常利益・純利益の増減率をみて成長性や収益性を評価します。

たとえば、売上高が前年同期比で10%、純利益が15%増加している企業は、事業成長と同時に収益性も向上させている優良企業と判断できます。

また、経営成績の推移を分析すると、経営効率や成長持続性を定量的に評価できるため、将来の株価上昇ポテンシャルを予測することも可能です。

配当の状況

配当の状況は、企業の株主還元方針と財務健全性を示唆する指標の一つであり、配当金額の増減は企業の収益力と経営陣の株主重視姿勢を推測する参考材料となります。

決算短信の見方は?決算短信で確認すべき主要数字の意味も解説

配当を継続できる企業は、安定した収益基盤を持っており健全な財務体質であることの証明でもあるからです。

配当分析では、まず1株当たり配当金額の増減を確認し、次に配当性向(純利益に対する配当金の割合)を算出して配当の持続可能性を評価します。

たとえば、配当金が増加し配当性向が30%程度を維持している企業は、利益成長と適切な株主還元のバランスを保った健全な経営を行っていると考えられるでしょう。

なお、成長企業では利益を事業拡大に再投資するため、無配当でも企業価値向上の観点から評価できる場合があります。

業績予想

業績予想は、企業経営陣による将来業績の見通しであり、市場参加者の投資判断に大きな影響を与える情報です。

決算短信の見方は?決算短信で確認すべき主要数字の意味も解説

株式市場では、過去の実績よりも将来の成長期待が株価を左右するため、業績予想の内容は重要な要素となります。

ただし予想はあくまで経営陣の見込みであるため、外部環境の変化や競合状況も併せて分析し、予想の妥当性を慎重に検討することが大切です。

なお上の画像では、直近に公表されている業績予想からの修正は無となっていますが、有となっていたら会社HPのIRページにある「修正に関するお知らせ」を併せて確認しましょう。

経営成績の概況

決算短信の「経営成績の概況」とは、企業が決算発表時に公表する業績サマリーです。

売上高、営業利益、経常利益、当期純利益といった主要な財務指標を前年同期と比較し、その増減要因を説明しています。

市場環境の影響や、一時的な収入や支出である特別損益の内容なども含まれ、投資家や株主が企業の収益性や成長性を理解するための基礎情報として機能します。

数値だけでなく、業績変動の背景や経営陣の見解も示されているため、企業の現状と将来性を判断するために必ず確認しておきたい情報です。

セグメント情報

セグメント情報は、企業の各事業分野別の売上高や利益などの財務情報を個別に開示したものです。

複数事業を展開する企業を分析する際は、どの事業が成長しているか、どの事業が利益を生み出しているかを正確に把握するのが好ましいです。

そのため、セグメント分析は投資判断において欠かせない分析項目です。

特に事業の多角化が進んだ大企業では、各セグメントの状況を個別に分析することで、企業全体の価値をより細かく算定できるようになります。

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決算短信で確認するべき主要数字の意味

決算短信には多くの数字が記載されてますが、初心者が最初に押さえるべき指標は限られます。

本章では、以下の4つの意味について解説します。

  • 売上高
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 1株当たり純利益

それぞれみていきましょう。

売上高

売上高とは、企業が一定期間にお客様から得た収入の総額のことです。

たとえば、コンビニなら商品の販売代金、メーカーなら製品の売上代金の合計が売上高になります。

売上高は、企業の成長性を表す重要な指標の一つで、前年同期と比較することで事業の拡大度合いを判断できます。

ただし、売上が多くても経費がかかりすぎていれば利益は少なくなるため、売上高だけでなく営業利益や純利益も併せて確認することが大切です。

営業利益

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益のことで、売上から売上原価や販売費・一般管理費を差し引いて算出されます。

純粋に事業活動での儲けを示しており、借入金の利息や投資による収益などは含みません。

営業利益が増加していれば、その会社の本業が順調に成長していることを意味します。

また、営業利益率(営業利益÷売上高×100)を算出すると、経営効率の度合いが測れます。

経常利益

経常利益とは、企業が本業と財務活動を合わせた日常的な事業活動で稼いだ利益のことです。

売上から人件費や材料費などの経費を引いた「営業利益」に、銀行からの受取利息や支払利息などの「営業外収益・費用」を加減算して算出されます。

前年同期と比べて増減を確認すると、企業の成長性や収益性の傾向を判断できます。

1株当たり純利益

1株当たり純利益(EPS)とは、企業が1年間に稼いだ利益を発行済み株式数で割った指標です。

たとえば、ある会社の純利益が100億円、発行済み株式数が1億株なら、1株当たり純利益は100円となります。

投資家にとっては「1株持っていれば、どれだけの利益を生み出してくれるか」を示す重要な目安です。

ただし、一時的に発生した特別利益が含まれる場合もあるため、継続的に稼げる利益はどの程度かを見極めることが大切です。

なお1株当たり純利益は、株価の割安・割高を判断する際の基準にもなります。

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つまずきやすい用語と比較のしかた

本章では、初心者にとって意味がわかりにくい用語である、以下の言葉について解説します。

  • 前年同期比
  • 進捗率

それぞれみていきましょう。

前年同期比

前年同期比は、季節要因や事業サイクルの影響を排除して、企業の純粋な成長性を正確に測定できる分析手法です。

多くの業界では季節性があるため、前年の同じ四半期と比較することで公正な業績評価が可能になります。

たとえば、今年4月~6月の売上を前年4月~6月の売上と比べて、どれだけ増減したかを計算します。

なお、複数四半期にわたる前年同期比の推移を追うと、企業の成長力の持続性をより正確に把握することが可能です。

進捗率

進捗率とは、企業が年度初めに立てた業績予想に対して、現在どの程度達成できているかを示すものです。

たとえば、年間売上目標が1,000億円で、上半期の実績が400億円なら進捗率は40%となります。

50%を超えていれば順調、下回っていれば計画より遅れているということがわかります。

ただし、季節性のある業界では下半期に売上が集中することもあるため、単純に50%で判断するのは危険です。

そのため、同業他社や過去の実績と比較することが大切です。

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数字が良いのに株価が下がる理由

決算の数字が良好であるにもかかわらず株価が下落するケースは、投資初心者が困惑する現象の一つです。

そこで本章では、数字が良いのに株価が下がるロジックについて解説していきます。

株価は「市場の予想に対してどうだったか」で動きやすい

株価は、決算の絶対的な良し悪しではなく「市場が事前に予想していた内容と比べてどうだったか」で動きます。

たとえば、ある企業の1株当たり純利益が前年比10%増だったとします。

一見良い結果ですが、市場が15%増を予想していた場合、株価は下がる可能性が高いです。

逆に、1株当たり純利益が5%減でも、市場が10%減を予想していれば「予想より良かった」として株価が上がる場合もあります。

上記のような現象は、投資家たちが既に予想を株価に織り込んでいるため起こり、特に決算発表では結果の良し悪しより「サプライズ」があったかが重要になります。

そのため、投資をする際は企業の実績だけでなく、市場の期待値も考慮することが大切です。

ただし長期投資では一時的な予想とのズレよりも、企業の本質的な競争力と成長性を重視した投資判断が重要になる場合があります。

特別損益があると利益がブレるため、本業の変化と切り分ける必要がある

企業の利益には、通常の事業活動による「本業の利益」と、不動産売却益や災害による損失などの「特別損益」が含まれます。

たとえば、ある会社が本業では赤字だったのに土地を売って大きな利益を出した場合、表面的には黒字にみえてしまいます。

しかし、土地売却は1回限りの出来事で来年も続くわけではないため、投資判断では一時的な要因を除いた「本業の実力」を正しく把握することが重要です。

投資家は本質的な収益力を見抜けないと、決算の数字が良好であるにもかかわらず株価が下落するという現象に悩まされます。

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決算短信の見方を知りたい人によくある質問

決算短信の見方を知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 決算短信と有価証券報告書の違いは?
  • 決算短信はどこで確認できる?

それぞれ解説します。

決算短信と有価証券報告書の違いは?

決算短信と有価証券報告書は、どちらも企業の業績を報告する文書ですが、目的と内容の濃さが異なります。

決算短信は、企業が四半期ごと(年4回)に発表する「速報版」です。

A4用紙十数枚程度で、売上高や利益などの重要な数字を素早く投資家に伝えることが目的です。

決算発表日にいち早く公開されるため、株価にも大きく影響します。

一方、有価証券報告書は年1回発表される「詳細版」で事業内容やリスク、財務状況などを詳しく説明した文書となります。

投資判断には、まず決算短信で業績の概要を把握し、より深く企業を理解したい場合は有価証券報告書を読むのが効果的です。

決算短信はどこで確認できる?

決算短信が確認できる主なサイトは、以下のとおりです。

  • 企業の公式サイト:各企業のIR(投資家向け情報)ページで閲覧できます
  • 投資情報サイト:Yahoo!ファイナンスなどで確認可能です

投資初心者の方は、まず投資を検討している企業の公式サイトのIRページから探すと迷わずたどりつきやすいです。

決算短信を読むことで、企業の成長性や収益性を判断する材料が得られ、より良い投資判断につながるため定期的にチェックして企業の動向を把握する習慣をつけましょう。

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まとめ

今回は、決算短信の見方について解説しました。

決算短信が難しく感じるのは、多くの情報から重要なポイントをみつけ出すのが困難だからです。

しかし、最初に確認すべき5つの項目(経営成績・配当の状況・業績予想・経営成績の概況・セグメント情報)に絞って分析すると、効率的に企業の全体像を把握できます。

評価する際は、良い決算発表でも株価が下がる場合があることを理解し、市場の期待値と特別損益を考慮した冷静な分析を心がけるのが重要です。

ぜひ本記事を参考に、決算短信を活用した的確な投資判断を身につけてみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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