投資信託は種類が多く、どれを選べばいいかわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。
投資信託の中には、日経平均株価のような指数に連動することを目指すファンドもあれば、専門家が独自の戦略で運用するファンドもあります。
今回はアクティブファンドに焦点を当てて、その特徴やメリット、デメリット、そして自分に合ったファンドを見つけるためのポイントを、投資初心者の方にも分かりやすく解説します。
アクティブファンドとは
まずは、アクティブファンドについて目的や特徴を解説します。
アクティブファンドの目的と特徴
アクティブファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの市場平均を上回るリターンを目指して、運用者が銘柄選びをする投資信託です。
ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、独自の調査や分析に基づいて特定の銘柄を選びます。
単に市場全体の動きを追いかけるだけではなく、プロがより高いパフォーマンスを追求することが目的です。
特徴として、銘柄の選定や売買のタイミングなど、ファンドマネージャーのスキルによってリターンに大きく変わります。
また、プロのファンドマネージャーが分析して投資先を決定しているため、手数料である信託報酬がインデックスファンドより高い傾向です。
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インデックスファンドとの違い
インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500のような特定の指数と同じ値動きを目指して運用されます。
アクティブファンドはインデックスファンドより大きな利益を狙っていますが、「勝つファンド」を事前に見極めることは難しいです。
そのため、インデックスとの違いを理解したうえで選ぶ必要があります。
アクティブファンドのメリット・デメリット
アクティブファンドにどのようなメリットとデメリットがあるかを解説します。
アクティブファンドのメリット
アクティブファンドのメリットは、市場平均を超えるリターンを狙えることです。
ファンドマネージャーが企業の成長性や市場トレンドを先読みし、将来有望な銘柄に投資することで、高いパフォーマンスを達成する可能性があります。
さらに、特定のテーマや分野に集中して投資するファンドを選べば、自分の興味のある分野を応援しながら投資することができます。
例えば、「AI関連」「再生可能エネルギー」「医療技術」など、特定の成長分野に特化したファンドを選ぶことで、社会の変化に合わせた投資が可能です。
しかし、リターンが必ずしも非常に大きいとは限りません。
インデックスファンドと変わらないこともあれば、インデックスファンドを下回ることもあります。
アクティブファンドのデメリット
多くのアクティブファンドは、長期的に見て市場平均に勝てていません。
コストが高いためリターンを削りやすく、インデックスに劣るケースが多いです。
本当に優れたファンドを見つけ出すには、ある程度の知識と情報収集が必要になります。
知識と経験が乏しい段階で、数ある商品から優秀なアクティブファンドを見つけ出すのは、難易度が高めです。
アクティブファンドの主な種類
アクティブファンドの主な種類を解説します。
投資対象による分類
アクティブファンドは、主に投資する資産の種類によって分類されます。
これらのファンドは、投資家のニーズやリスク許容度に合わせて選びます。
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運用手法による分類
アクティブファンドは、ファンドマネージャーがどのような戦略で銘柄を選ぶかによっても分類されます。
良いアクティブファンドの見分け方
アクティブファンドを探している方は、以下のポイントに注意してください。
優れたファンドマネージャーを見つける
優れたファンドマネージャーを探すのは難しいですが、ポイントが4つあります。
1つ目が、 運用報告書とファンドの目論見書を確認することです。
投資信託の運用報告書と目論見書からは、ファンドがどのような哲学や戦略に基づいて運用されているかを知ることができます。
優れたファンドマネージャーは、市場の状況や自身のポートフォリオ戦略について、明確かつ論理的に説明しています。
2つ目が、長期的な運用実績をチェックすることです。
優れたファンドマネージャーは、景気の上昇局面だけでなく、下落局面や不安定な市場環境でも、一貫して安定したパフォーマンスを出しています。
少なくとも5年以上の長期的な運用実績を確認し、市場平均と比較してどれだけ優位性を保ってきたかを評価しましょう。
3つ目がファンドマネージャーの経歴と専門性を調べることです。
例えば、テクノロジー分野に特化したファンドであれば、その分野の専門知識や業界での経験が豊富なファンドマネージャーが担当しているかを確認しましょう。
4つ目は、信頼できる評価機関の情報を参考にすることです。
モーニングスターやリッパーといった第三者の評価機関は、ファンドのパフォーマンスやリスクを客観的に評価しています。
これらの機関が発行するレーティングや分析レポートは、ファンドマネージャーの腕を客観的に判断する上で参考になります。
これらの方法を組み合わせて、時間をかけてじっくりと調査することが、自分に合った優れたファンドマネージャーを見つけるための鍵となるでしょう。
コストパフォーマンスを評価する
アクティブファンドの信託報酬は、運用成績から差し引かれます。
そのため、リターンが良くてもコストが高すぎると、最終的な手取り額が少ないです。
過去の運用成績と信託報酬を比較し、コストに見合ったリターンが期待できるかを慎重に評価しましょう。
特に、長期投資の場合、わずかなコストの差が大きな影響を与えることがあります。
例えば、年率0.5%の信託報酬差が10年後、20年後にどれだけの差になるかをシミュレーションしてみるのも良いでしょう。
安定したリターンを生み出すファンドを探す
短期間の運用成績だけでなく、5年、10年といった長期的なパフォーマンスを確認することが大切です。
また、市場が下落した局面での耐性(ドローダウン)もチェックしておきましょう。
ドローダウンが小さいファンドは、リスク管理が優れていると言えます。
さらに、モーニングスターなどの評価機関が提供するレーティングやランキングも参考にしながら、客観的な視点でファンドを評価することが重要です。
アクティブファンドに関するよくある質問
アクティブファンドに関するよくある質問に回答します。
Q1.アクティブファンドはどんな人に向いていますか?
アクティブファンドは、市場平均以上のリターンを積極的に追求したい人や、自分自身で個別の銘柄を選ぶ時間がない人に向いています。
また、特定のテーマや企業を応援したいという目的がある人にも適しています。
インデックスファンドとアクティブファンドはそれぞれ特徴が異なるため、両者を理解した上で投資することが重要です。
Q2.アクティブファンドなら儲かりますか?
決してそうではありません。
市場平均を上回ることを目指しますが、その目標が達成できないことも多々あります。
過去のデータを見ると、長期的に市場平均を上回るファンドはごく一部です。
あくまで、インデックスを上回る利益を目指している商品だと理解しましょう。
まとめ
アクティブファンドは、プロの運用によって市場平均以上のリターンを目指す投資信託です。
インデックスファンドと比べてコストは高いものの、市場が不調な時でもリターンを追求できる可能性があります。
良いアクティブファンドを見つけるには、ファンドマネージャーの運用手腕、コストパフォーマンス、そして長期的な運用実績を総合的に評価することが重要です。
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