デイトレーダーは一日のうちに売買を完結させ、コツコツと利益を積み上げていく手法です。
SNSでは華やかな成功例が目を引きますが、実際の収益は人それぞれで幅があります。
本記事では一日の利益の相場感を軸に、必要な基礎知識、資金の考え方、収益がぶれる理由を整理します。
デイトレーダーに興味がある人は今後の参考にしてみてください。
デイトレーダーとは?まずは基礎知識を確認
まずは、デイトレードの定義や対象商品、資金の考え方を確認しましょう。
デイトレードとは?短期売買の特徴
デイトレードは、株式や為替などのポジションを原則としてその日のうちに手仕舞いし、翌日に持ち越さない短期売買の手法です。
日中の値動きから小さな値幅を狙うため、スピード感のある判断と徹底したルール化が欠かせません。
翌日にまたぐ価格変動リスクを避けられる一方で、短時間に集中した意思決定が求められます。
【初心者向け】デイトレのやり方をわかりやすく解説!株で安定的に稼ぐためのポイント
デイトレードができる金融商品
デイトレードはいくつかの金融商品で行うことができ、初心者に特に人気なのは株式取引です。
情報が多く、取引ルールもわかりやすいので学びながら進めやすいのが特徴です。
次に人気が高いのがFXです。
24時間取引できるため、仕事のあとや休日など自分のペースでトレードできます。
ただし、レバレッジで少額から始められる一方で、損失も大きくなるため注意が必要です。
このほか、先物取引や暗号資産もありますが、値動きが大きくリスクも高いため、まずは株式やFXなどわかりやすい市場から少額で練習するのがよいでしょう。
株のデイトレードは稼げる?初心者が知っておくべき基本とポイントを解説
デイトレーダーに必要な資金はいくら?
デイトレードを始めるときに必要な資金は取引する金融商品によって大きく変わります。
たとえば株式では、上場株の売買単位が100株に決められているため、株価×100株分の資金が必要です。
株価1,000円なら10万円が目安になります。
FXでは国内ルールにより、取引額の4%以上の証拠金が必要です。
レバレッジを使えば少ない資金でも取引できますが、その分損失も大きくなるため、最初は低いレバレッジで安全に始めることをおすすめします。
いずれにしても、まずは無理のない少額から始め、少しずつ経験を積みながら資金を増やしていくと安心です。
デイトレーダーの一日あたり利益はどれくらい?
ここでは、デイトレーダーが一日にどれくらい利益を出しているのか、その目安と考え方を解説します。
数千円から数十万円まで幅広い
デイトレーダーの一日あたりの利益は人によって大きく違います。
初心者や少額資金で始めた人なら、1日あたり数千円程度の場合も多いでしょう。
一方で、資金力と経験が豊富なトレーダーは、調子のいい日に10万円以上の利益を出すこともあります。
ただし、それはその日限りの結果で、毎日同じ金額を稼げるわけではありません。
利益額を追いかけるよりも、取引を安定させることを優先しましょう。
一日の利益に一喜一憂せず、月間で判断すべき
デイトレードは短期売買が中心なので、その日の結果に気持ちが左右されがちです。
しかし、大事なのは1日ではなく1か月単位でのトータル収支です。
1日1万円プラスでも、翌日に2万円マイナスになれば合計はマイナス1万円ですよね。
月間の合計でプラスを保てるかどうかを意識することで、感情的なトレードを防ぎやすくなります。
専業にするなら月数十万円以上が必要
デイトレードを本業にするなら、月単位で安定して数十万円以上の利益が目安になります。
生活費に加えて、税金や社会保険料、急な出費も利益からまかなう必要があるためです。
家族構成や住んでいる地域、固定費などによって、その必要額は大きく変わります。
専業を目指す場合は、まず副業として経験を積み、数か月連続で安定したプラス収支を出せるかを確認してから本業化すると安心です。
主婦がデイトレードで成功するためには?失敗事例と学ぶべきポイントを紹介
デイトレードの収益に大きく影響する要因とは?
ここでは、デイトレードで得られる一日の利益を左右する主な要素を紹介します。
元手資金の大きさ
デイトレードの利益は、元手資金に比例して増減します。
日利1%の取引ができた場合、10万円なら1,000円、100万円なら1万円の利益になります。
同じ運用効率でも資金が多いほどリターンも損失も大きくなることを理解しておきましょう。
初心者はまず少額で練習し、損失を抑えながら経験を積むことが大切です。
取引に慣れてきたら、少しずつ元手を増やしていくと安定した利益を目指しやすくなります。
トレード回数やスタイルの違い
デイトレーダーには、スキャルピングや通常のデイトレードなど、いくつかの取引スタイルがあります。
スキャルピングは数秒から数分で決済し、1日に何十回も取引を行う手法です。
一方、通常のデイトレードは数十分〜数時間保有し、1日の取引回数は少なめです。
取引回数が多いほど利益を狙いやすい反面、手数料負担や集中力の消耗が増える点にも注意が必要です。
自分の生活リズムや性格に合ったスタイルを選ぶことが、長く続けるコツです。
リスク管理
デイトレードで最も重要なのがリスク管理です。
損失をどこまで許容するかをあらかじめ決めておかないと、一度の失敗で大きく資金を減らしてしまいます。
初心者は利益を増やすことよりも、損失を小さく抑えることを第一に考えましょう。
1回の取引で資金の1〜2%以上をリスクにさらさないなど、自分なりのルールを作ると安心です。
知っておきたい!デイトレーダーの理想と現実
SNSや動画ではデイトレーダーの夢のある情報をよく見かけますよね。
ここでは、そうした華やかな理想と実際の現実を比較して、冷静にデイトレードを理解できるように解説します。
「一日十万円稼いだ」は調子が良い日だけの場合がある
SNSで目にする「一日で10万円稼いだ!」という投稿は、たしかに本当の結果かもしれません。
ただ、それはたまたま相場とタイミングが合った日の成功例であることが多いです。
毎日同じ金額を稼ぎ続けるのはとても難しく、利益が出た翌日に大きく損失を出すこともあります。
華やかな結果だけを見て、自分もすぐに同じ額を稼げると考えると、無理な取引をして失敗しやすくなります。
目標金額にとらわれず、自分のペースで一歩ずつ成長していくことが大切です。
数千円〜数万円ほどをコツコツ積み重ねている人も多い
実際は、毎日コツコツと数千円〜数万円を積み重ねるトレードをしている人が多いです。
一見地味に感じますが、月単位ではまとまった金額になり、安定して続けやすい方法です。
短期間で大きな利益を狙うよりも、堅実な取引で少しずつ経験と資金を増やす方が、結果的に長く生き残ることにつながります。
赤字になる日もある
どれだけ経験を積んでも、赤字になる日は避けられません。
相場は常に動き、誰も完璧に予測することはできないからです。
負けた日があっても落ち込みすぎず、月間や年間トータルでプラスを目指す視点を持ちましょう。
あらかじめ損切りルールを決めて冷静に実行することが、長く続けるためのポイントです。
デイトレーダーに関するよくある質問
最後に、初心者がデイトレードを始めるときに特に多い質問をまとめました。
Q1. デイトレで生活することは可能ですか?
デイトレードだけで生活することは、理論的には可能です。
しかし、安定して毎月プラスを出し続けるのはとても難しいというのが現実です。
相場は常に動いていて、予想外のニュースや値動きで損失が出ることもあります。
また、専業トレーダーとして生活する場合は、生活費に加えて税金や保険料も利益からまかなう必要があります。
まずは副業として少額から経験を積み、数か月連続でプラスを維持できるかを確認してから本業化を検討しましょう。
Q2. 初心者が最初に目指すべき一日の利益額は?
初心者は最初から大きな利益を目指さなくて大丈夫です。
それよりもまずは損失を最小限に抑えることを目標にしましょう。
具体的な金額目標を設定すると、焦りやプレッシャーが生まれ、無理な取引をしてしまう原因になります。
最初は「1日○円まで損失を許容する」といったルールを決め、少額で練習するのが安心です。
Q3. 毎日トレードしないと稼げませんか?
毎日取引する必要はありません。
相場は日によって動き方が大きく変わり、値動きが小さい日に無理して取引すると、損失が増えるリスクが高まります。
「今日はチャンスが少ないから休む」という判断も、長く利益を残すためには大切です。
また、休むことで気持ちをリセットでき、冷静な判断力を保ちやすくなりますよ。
まとめ
デイトレーダーの一日あたりの利益は、数千円から数十万円までと幅が広く、人によって大きく異なります。
SNSで目にする華やかな成功例は特別な一日だけを切り取ったものであり、毎日同じ結果を出すことは簡単ではありません。
大切なのは、一日単位の結果に一喜一憂せず、月間や年間トータルでプラスを目指すことです。
リスク管理を徹底しながら、自分の資金と生活に合った現実的な目標を立てましょう。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。