ETFの配当金を徹底解説!税金や配当金の受け取り方についても紹介

ETFの配当金を徹底解説!税金や配当金の受け取り方についても紹介

「ETFの配当金でコツコツと収入を得たい」と考えていませんか?

投資でリスクを抑えながら定期的な収入を得たい方にとって、ETFの配当金を狙った投資は魅力的な選択肢の一つです。

しかし、ETFの配当金についてよくわからなくて、なかなか投資に踏み切れない方が多いようです。

そこで今回は、ETFの配当金について初心者の方でもわかりやすく解説します。

この記事を読むと、ETFの配当金の基本的な概要から実際の受け取り方、税金の取り扱いを理解できます。

また、配当金を狙った投資をする際の注意点についても解説しました。

実際の投資判断に役立つ内容となっていますので、ぜひこの記事の内容を参考に、ETFの配当金を活用した資産形成をはじめてみてください。

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目次

ETFの配当金とは?

ETFの配当金とは、ETFが保有している株式や債券から得られる利益を、投資家に分配するお金のことで、分配金とも呼ばれます。

ETFは「上場投資信託」と呼ばれる投資商品で、複数の株式や債券をパッケージ化した商品です。

ETFは決算期間中に株式の配当や債券の利息を受け取ると、運用にかかる手数料(信託報酬)を差し引いた金額を「分配金」として定期的に投資家へ還元します。

つまり、ETFを1口持つだけで、ETFが保有する何十社、何百社もの企業からの配当を間接的に受け取れます。

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配当金の支払い頻度とスケジュール

ETFの配当金がもらえる頻度は、銘柄によって異なります。

日本のETFは年1回〜2回の分配、米国のETFは年4回(3ヶ月ごと)が多いです。

ですが、ETFによっては年6回や12回分配するものもあります。

配当金の受け取りに重要なのが「権利確定日」という概念です。

権利確定日とは、分配金を受け取る権利が決まる日付のことで、この日までに株主名簿に記載されている投資家が分配金を受け取れます。

ですが、日本では株式の受渡しに2営業日かかるため、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに購入しておかなければなりません。

たとえば、12月28日が権利確定日のETFなら、12月26日までに購入しておく必要があります。

「せっかく買ったのに分配金がもらえなかった」という事態を避けるため、投資前には必ず分配スケジュールを確認しましょう。

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配当利回りの計算方法

配当利回りは、以下の計算式で求められます。

  • 配当金利回り(%)=(年間配当金÷現在の株価)×100

配当金利回りをみると、投資した金額に対してどれだけの配当収入が期待できるかがわかります。

たとえば、あるETFの年間配当金が100円、現在の株価が2,000円の場合、配当利回りは以下のとおりです。

  • 100÷2,000×100=5%

このETFに10万円投資すれば、年間で約5,000円の配当収入が期待できます。

ただし、配当利回りの高さだけで投資判断するのは危険です。

なぜなら、株価が下落して配当利回りが高くみえている場合や、一時的な特別配当によって利回りが押し上げられている場合があるからです。

そのため、分配金の安定性や今後の見通し、ETFの運用方針なども総合的に考慮することが大切だといえます。

高利回りの数字に惑わされず、しっかりと中身を調べてから投資するようにしましょう。

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ETF配当金の税金の取り扱い

ETFの配当金には税金がかかりますが、投資先が国内か海外かによって税金の仕組みが違います。

理解しておかないと思わぬ税負担で損をしてしまう可能性があるので、しっかりと把握しておきましょう。

国内ETFと海外ETFの税金の違い

国内ETFの分配金には、20.315%の税率が適用される仕組みです。

しかし、海外ETFで得た分配金はまず海外で課税された後、日本でも課税されてしまいます。

ただし、確定申告時に「外国税額控除」という制度を使えば、海外で払った税金を日本の税金から差し引くことが可能です。

たとえば、米国ETFから10万円の分配金を受け取った場合、米国で10,000円(税率10%)、日本で約18,283円(9万円×20.315%)の税金がかかります。

ですが、外国税額控除を利用すれば、米国で課税された10,000円の全部、または一部が日本の所得税から控除されます。

なお、投資先や証券会社によって対応が異なるため、投資前に必ず税金の取り扱いを確認しておきましょう。

NISAを活用した非課税運用

NISA口座でETFを保有すると、分配金や売却益が非課税になります。

通常、ETFの分配金には20.315%の税金がかかります。

ですが、NISA口座で保有していれば税金がかからず、受け取った分配金を全額手元に残すことが可能です。

たとえば、NISA口座で国内ETFを保有し10万円の配当金を受け取った場合、通常なら約20,315円の税金がかかるため79,685円しか手元に残りません。

ですが、NISAなら非課税のため10万円を丸々受け取れます。

NISA口座を使うと非課税で利益を手にできるので、投資効率を大幅に向上させられます。

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ETFの配当金を狙った投資をする際の注意点

配当金狙いのETF投資は魅力的ですが、いくつかの重要な注意点があります。

しっかりとリスクを理解してから投資をはじめることで、後悔のない投資ができます。

本章で紹介する注意点は、以下のとおりです。

  • 減配による株価下落リスク
  • 高配当だからといって高パフォーマンスではない
  • レバレッジ型の注意点

それぞれ解説していきます。

減配による株価下落リスク

配当金が減少(減配)すると、ETFの株価が大きく下落するリスクがあります。

配当が減ると配当目当ての投資家から「魅力がなくなった」と判断されて売られてしまうからです。

特に、企業業績が悪化したときには、減配されるリスクが上がります。

そのため、配当利回りの高さだけでなく、組み入れられている投資先企業の財務状況、業界の将来性なども総合的に判断することが重要です。

「高配当だから安心」ではなく「なぜ高配当なのか」をしっかりと分析してから投資しましょう。

高配当だからといって高パフォーマンスではない

配当利回りが高いからといって、必ずしもトータルリターン(配当+値上がり益)が高いとは限りません。

株価が下落傾向にある業界のETFは、みかけ上の配当利回りが高くなりがちですが、株価下落により配当収入以上の損失が出る場合があります。

たとえば、配当利回り8%のETFでも、年間で株価が15%下落すれば、トータルでは7%のマイナスです。

また、利回りの高さだけで選ぶと、リスクの高い銘柄など一時的に高配当になっているだけのETFに偏ってしまう恐れもあります。

投資判断する際は、配当利回り・株価の安定性・運用コスト・将来性などを総合的に評価し、バランスの取れたポートフォリオを構築することが大切です。

レバレッジ型の注意点

レバレッジ型ETFで配当金を狙う方法は、投資初心者の方は避けた方が無難だといえます。

レバレッジ型ETFとは、指数の値動きを2倍や3倍に拡大して追従する商品で、価格変動が通常よりも大きいからです。

そのため。株価が逆行した場合は元本が大幅に減少するリスクが高いです。

たとえば、レバレッジ2倍のETFで年3%の配当を狙っても、基準価額が15%下落すれば元本は30%減少し、配当金では到底補えない損失となります。

このことから、投資初心者の方は安定した配当が期待できる通常のETFからはじめて、投資経験を積んでからレバレッジ商品を検討するのが賢明でしょう。

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ETFの配当金についてよくある質問

ETFの配当金について、投資初心者の方からよく寄せられる質問にお答えしていきます。

本章で答える質問は、以下のとおりです。

  • 配当金の受け取り方法は?
  • ETF配当金の再投資のやり方は?

それぞれ解説していきます。

配当金の受け取り方法は?

配当金の受け取り方法は主に4種類あり、投資目的に合わせて選択できます。

それぞれの方法には利便性や管理のしやすさ、税制上のメリットなど異なる特徴があるため、ご自身に最適な方法を選んでみてください。

配当金領収証方式

配当金領収証方式は、株主が配当金を受け取る伝統的な方法の一つです。

配当金領収証方式では、発行会社が株主に対して「配当金領収証」を郵送で送付します。

株主は配当金領収証を受け取った後、ゆうちょ銀行や会社が指定する金融機関の窓口に持参し、本人確認書類とともに提示すると配当金を現金で受け取れます。

現在では、証券口座や銀行口座への自動入金が主流となっていますが、配当金領収証方式は確実に現金で受け取りたい株主にとって有効な選択肢です。

株式数比例配分方式

株式数比例配分方式は、保有株式数に応じて配当金が証券会社の口座に直接入金される方法です。

従来の郵便振替と異なり、証券会社を通じて自動的に配当金が処理されるため、受け取り手続きが簡素化されます。

なお、NISA口座での株式投資で配当金の非課税恩恵を享受するためには、この株式数比例配分方式の選択が必須条件となっています。

登録配当金受領口座方式

登録配当金受領口座方式は、株主が保有するすべての銘柄の配当金を、事前に指定した一つの銀行口座にまとめて振込んでもらえる方法です。

証券口座を開設する際に受け取り口座を登録するか、後から変更手続きを行うと利用できます。

登録配当金受領口座方式では複数の銘柄を保有していても、それぞれの配当金が個別に振込まれるのではなく、指定口座に一括して入金されるため資金管理の手間が省けます。

個別銘柄指定方式

個別銘柄指定方式とは、保有する株式銘柄ごとに異なる受け取り銀行口座を個別に指定し、各銘柄から支払われる配当金をそれぞれ指定した口座で受け取る方法です。

たとえばA社の配当金は普通預金口座、B社の配当金は定期預金口座、C社の配当金は投資用口座といったように、銘柄別に受け取り口座を使い分けられます。

配当収入の管理を銘柄ごとに細分化することで、税務管理や資金用途別の運用計画に応じた柔軟な資金配分が実現できる利便性の高い仕組みです。

ETF配当金の再投資のやり方は?

ETFの配当金を再投資するには、配当金を受け取ったら手動でETFを買い増すのが一般的な方法です。

具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. 配当金の入金確認:証券口座に配当金が入金されているかを確認する
  2. ETFの買い付け:入金された配当金を使い、同じETFを証券口座から買い付ける

再投資では、投資タイミングを自分でコントロールできるなど柔軟な運用ができます。

なお、配当金だけで1口買えない場合は、不足分を追加して購入することも可能です。

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まとめ

今回は、ETF配当金について詳しく解説しました。

ETFの配当金は、複数の企業からの配当を間接的に受け取れる魅力的な投資方法で、リスクを分散しながら安定したインカムゲインを狙えます。

税金面では、NISA口座を活用すると非課税の恩恵を受けられるため、効率的な資産形成が可能です。

ただし、減配リスクやレバレッジ型ETFのリスクなど、注意すべき点もあります。

また、配当利回りの高さだけでなく、分配金の安定性や将来性も総合的に判断することが重要です。

今回で解説した知識を実際のETF投資に活かし、スキルの向上に役立てていただければ幸いです。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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