キャピタルゲインとインカムゲインとはなに?どっちを狙うべきなのかも解説

キャピタルゲインとインカムゲインとはなに?どっちを狙うべきなのかも解説

投資で利益を得る2つのアプローチとして代表的な「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」

単語は聞いたことあるけど「キャピタルゲインとインカムゲインってなんだろう?」と気になっている、投資初心者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、キャピタルゲインとインカムゲインについて徹底解説します。

ほかにも、それぞれにかかる税金やメリット・デメリットについてまとめました。

本記事を読めば、自分にあった利益の狙い方が分かるようになります。

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目次

キャピタルゲインとインカムゲインとは

本章では、キャピタルゲインとインカムゲインについて解説します。

それぞれの利益には特徴があり、リスクとリターンの関係も異なります。

投資初心者の方は、キャピタルゲインとインカムゲインについてそれぞれ本章で整理しておきましょう。

キャピタルゲインとは

キャピタルゲインとは、購入した資産を売却する際に得られる値上がり益のことです。

安く買って高く売ると生まれる利益を指します。

たとえば、100万円で購入した株式が150万円まで値上がりしたときに売却すれば、その差額である50万円がキャピタルゲインです。

なお、買ったときの価格より売却金額が下回ってしまうことを、キャピタルロスと呼びます。

キャピタルゲインやキャピタルロスは、株式だけでなく債券や不動産など、さまざまな資産を売却したときにも発生します。

インカムゲインとは

インカムゲインとは、資産を保有しているだけで継続的に得られる収益を指します。

たとえば、株式の配当金などが挙げられます。

株式の配当金は、企業が事業で得た利益の一部を株主に還元する制度で、年1回または年2回支払われる場合が多いです。

配当利回りが高い銘柄を選ぶと、年間3%〜5%程度の安定した収益を期待できます。

長期保有を前提とした投資戦略の元にインカムゲインを狙う場合が多いため、市場の短期的な変動にメンタルが左右されにくいです。

キャピタルゲインに比べてリターンが控えめなものの、リスクは小さいため投資初心者が狙いやすい利益です。

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キャピタルゲインのメリット・デメリット

キャピタルゲインは、短期間で大きな利益が狙えるメリットがある一方で、安定的な収益を確保しにくいデメリットがあります。

本章では、キャピタルゲインのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。

キャピタルゲインのメリット

キャピタルゲインの最大のメリットは、短期間で大きな利益を得られる可能性があることです。

たとえば、保有していた企業の決算が市場予想を大きく上回る好業績だった場合、決算発表後わずか1週間で株価が2倍に跳ね上がることも珍しくありません。

また、企業が革新的な新製品を発表したり、その業界にとって追い風となるような大きなニュースが出たりすると、株価が急激に上昇する場合があります。

このようにキャピタルゲインを狙った投資は、短期間で資産が劇的に増える可能性を秘めています。

年に数パーセント程度のインカムゲインと比較すると、はるかに大きなリターンを狙えるのがキャピタルゲインの魅力的な点です。

キャピタルゲインのデメリット

キャピタルゲインを狙った投資のデメリットは、継続的・安定的な収益を確保しにくい点です。

キャピタルゲインはインカムゲインとは違い、資産を売却して初めて利益が確定するので想定通りに価格が上昇しなければ利益は得られません。

そのため、キャピタルゲイン目当ての投資はインカムゲインの投資と比べると不確実性が高いです。

また、売却のタイミングを見極めるのが困難で、最適な売り時を逃すと期待していた利益を得られないことがあります。

キャピタルゲインを狙った投資をするなら、腰を据えて学ぶ必要があることを理解しておく必要があります。

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インカムゲインのメリット・デメリット

インカムゲインは、定期的に一定の収入を得られる大きなメリットがあります。

ですが、利回りが限定的で元本割れのリスクもあるなどデメリットも少なからずあります。

本章では、インカムゲインのメリット・デメリットについてそれぞれ詳しく紹介していくのでみていきましょう。

インカムゲインのメリット

インカムゲインのメリットは、資産を保有しているだけで安定した収入が得られることです。

キャピタルゲインとは違って、株などの資産を保有しているだけでよいため、投資初心者でも簡単に取り組めます。

配当や利息などが自動的に口座に入金されるので、再投資もしやすく忙しい人や投資に多くの時間を割けない人でも無理なく続けられます。

また、定期的な収入源となるため、老後資金の足しにしたり副収入として活用したりできる点も大きな魅力です。

インカムゲインのデメリット

インカムゲインのデメリットは、短期間で大きな利益を得るのが難しいことです。

1回あたりの収益が少額であるため、まとまった利益を得るには相当な元手が必要になります。

たとえば、個別株の配当利回りはよくても年5%程度であるため、100万円を投資しても年間で得られるリターンは5万円程度に留まってしまいます。

このため、キャピタルゲインと比較するとリターンの規模は小さくなりがちです。

また、投資先の業績悪化などによって配当金が減少するリスクや、元本割れのリスクがあることも理解しておく必要があります。

ただし、リターンが小さい分リスクも抑えられるため、投資初心者が積極的に狙いたい利益だといえます。

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キャピタルゲインとインカムゲインの税金

投資で利益を得た場合、考慮しなければならないのが税金の問題です。

株式投資で得たキャピタルゲインとインカムゲインは、基本的に同じ税率が適用されますが、確定申告の必要性などに違いがあります。

本章では、キャピタルゲインとインカムゲインの税金と確定申告の要否について解説します。

キャピタルゲインの税金

株式や投資信託で得たキャピタルゲインには、20.315%の税率がかかります。

税率の内訳は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%です。

たとえば、100万円の利益が出た場合、約20万3,150円が税金として差し引かれます。

特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社が自動的に納税手続きを行ってくれるため、原則として確定申告は不要です。

一方で、一般口座や源泉徴収なしの特定口座を利用している場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

なお、NISA口座を活用すれば、一定の金額・期間内の売却益は非課税で株式や投資信託を運用できます。

インカムゲインの税金

株式や投資信託で得たインカムゲインに対しても、原則として20.315%の税率が適用されます。

税率の内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%で、キャピタルゲインと同じです。

上場株式の配当金については、配当金が支払われる際に源泉徴収で納税が完了するため、基本的に確定申告は不要です。

なお、一般口座でも源泉徴収が行われる仕組みになっています。

ただし、配当金を他の所得と合算して配当控除を受けたい場合や、株式譲渡損失と損益通算したい場合には確定申告が必要になります。

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キャピタルゲインとインカムゲインどちらを狙うべき?

投資初心者にとって最も悩ましいのが、「キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを狙うべきか」という選択です。

この選択は投資家の年齢、投資経験、リスク許容度などによって大きく変わります。

重要なのは、それぞれの特徴を理解した上で自分の状況に適した方の利益を狙うことです。

どちらが自分にあっているか、考えながら読んでみてください。

短い期間に大きなリターンを狙うならキャピタルゲイン

短い期間で大きなリターンを狙うなら、キャピタルゲインがおすすめです。

キャピタルゲインは株が大きく上昇したときに売却することで、インカムゲインでは到底得られないような高いリターンを実現できる可能性があります。

株価が数倍に上昇した銘柄を適切なタイミングで売却できれば、投資元本の何倍もの利益を手にするのも夢ではありません。

年数パーセント程度のインカムゲインに対し、キャピタルゲインは一度の売却で大きな利益を得られる点が最大の魅力です。

ただしリスクも大きいので、年齢に加え収入安定度・生活コスト・投資経験で総合判断が必要です失敗が許される比較的年齢が若い20代〜30代の方におすすめです。

長期的に安定した収益を求めるならインカムゲイン

安定した収益を求めるなら、インカムゲインを狙うのがおすすめです。

定期的に利益が入ってくるため、収入の予測を立てやすいのが大きな特徴です。

インカムゲインを狙った投資では、短期的な価格変動の影響を気にしなくていいため精神的な安定をもたらしてくれます。

また、長期的な投資を想定しているので、キャピタルゲインのように買い時・売り時をシビアに見極める必要がありません。

キャピタルゲインを狙った投資に比べ手間がかからないので、投資初心者の方や分析や勉強時間をあまり割けない方におすすめです。

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キャピタルゲインとインカムゲインについて知りたい人によくある質問

投資初心者がキャピタルゲインとインカムゲインについて学ぶ際にでてくる疑問として、以下の2つの質問が多く寄せられます。

キャピタルゲインとインカムゲインの違いは何ですか?

キャピタルゲインとインカムゲインの比率はどのくらいが適切ですか?

本章では、上記の質問にそれぞれ応えていきます。

キャピタルゲインとインカムゲインの違いは何ですか?

キャピタルゲインとインカムゲインの違いを分かりやすくするため、以下の表にまとめました。

それぞれ特徴が異なるので、詳細を見比べてみてください。

キャピタルゲイン インカムゲイン
定義 資産の売却によって得られる利益 資産の保有中に継続的に得られる利益
具体例 株式や不動産の売却益など 配当金、家賃収入など
利益発生のタイミング 売却時 保有中に定期的に発生
リターン ハイリターン ローリターン
リスク ハイリスク ローリスク
向いている人 リスクをとって短期間で資産を増やしたい人 リスクを抑えて安定収入を得たい人

 

上の表を見比べて、ご自身の性格や投資目的にあわせて利益を狙うことが重要です。

キャピタルゲインとインカムゲインの比率はどのくらいが適切ですか?

キャピタルゲインとインカムゲインを狙う比率に絶対的な基準はありませんが、投資資金のうち3割をキャピタルゲイン、7割をインカムゲインに振り分けて運用するのも1例として挙げられます るのがおすすめです。

資産形成では、何よりもリスクを抑えることが重要なので、投資初心者の方がキャピタルゲインを狙った投資をするなら全体の3割程度に留めておくのが安全でしょう。

この比率なら、万が一キャピタルゲイン狙いの投資で損失が出ても、インカムゲインからの安定収入でカバーできる可能性が高まります。

ただし、市場分析や企業研究に十分な時間を割ける方であれば、キャピタルゲインとインカムゲインで狙う利益の比率を5割ずつにするのも1つの方法です。

今回紹介した例はあくまでも1例ですので、ご自身の投資経験や知識レベルにあわせて決めることが重要です。

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まとめ

今回は、キャピタルゲインとインカムゲインの違いについて詳しく解説しました。

キャピタルゲインは「買ったときよりも高値で売ると得られる利益」でインカムゲインは「保有しているだけで得られる利益」です。

キャピタルゲインは、短期間で大きなリターンを狙える一方で、大きな損失のリスクも伴います。

一方、インカムゲインは安定した収益を継続的に得られるものの、短期間で大きな利益を得るのは困難です。

どちらを選ぶべきかはご自身の投資目標、リスク許容度、投資に割ける時間によって決めましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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