パラボリックとは?トレンド転換を視覚化する最強指標の使い方とダマシ回避術について解説

パラボリックとはどんな指標?パラボリックの使い方も解説

「いつ買えばいいのかわからない」「トレンドの終わりを見逃して、せっかくの利益を減らしてしまった」……。

投資を始めたばかりの頃は、誰もがこのような悩みを抱えるものです。

複雑なチャートを読み解くのは時間がかかりますし、何より「自分の判断が正しいのか」という不安がつきまといますよね。

そんな投資初心者の救世主とも言える指標が「パラボリック」です。

パラボリック(Parabolic)とは「放物線」を意味し、チャート上に描かれるドット(点)を見るだけで、現在のトレンドや「買い・売り」の転換点を一瞬で判断できるのが最大の特徴です。

本記事では、パラボリックの基本構造から、勝率を高めるための設定値、さらには初心者がハマりやすい「ダマシ」の回避方法まで徹底解説します。

パラボリックとは?その特徴や使い方、メリット・注意点を解説

   
目次

1.パラボリックとは

パラボリックはSARという指標を使って相場のトレンド転換点を見るテクニカル指標です。

SARとは「Stop And Reversal(ストップ・アンド・リバーサル)」の略で、チャート上では点の連続として表示される特徴があります。

パラボリックとはどんな指標?パラボリックの使い方も解説

パラボリック(Parabolic)とは「放物線」という意味で、チャート上のSAR(Stop And Reverse)が放物線に近い形を描きながら推移する特徴があるため、こう呼ばれています。

この指標はRSIやTMIなどの有名な指標を開発したアメリカのJ・ウエルズ・ワイルダー氏によって考案されたもので、多くのトレーダーから信頼されている指標です。

パラボリックは、トレンドの転換点とトレンドの向きが簡単に読み取れることが特徴です。

SARとローソク足が触れた点が、トレンド転換点になります。

また、SARがローソク足の下にある場合は上昇トレンド、SARがローソク足の上にある場合は下降トレンドを示しています。

パラボリックとはどんな指標?パラボリックの使い方も解説

このように点とローソク足の位置を見るだけで、現在の相場の方向性を一目で判断できるツールです。

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2.パラボリックの計算式

パラボリックは、以下の計算式で求められます。

  • 当日SAR = 前日SAR + AF×(EP – 前日SAR)

AF:加速係数

公式の中のAFとは「加速係数」のことで、0.02からスタートし0.2を限度にローソク足が1本進むごとに0.02ずつ増加していくものです。

この加速係数は、設定で変更可能です。

設定値を大きくすると感度がよくなり、小さくすると鈍くなるという特性があります。

注意すべき点として、設定値が低すぎると反応が鈍くなることからトレンド転換を示すシグナルが遅れるようになるため投資判断を誤ってしまう可能性が高くなります。

反対に設定値が高すぎると、感度がよくなりすぎてダマシが発生しやすいです。

そのため、パラボリックを利用する際は適切な設定が必要となります。

基本的には0.02が基準とされていますが、調整が必要だと感じる場合は実際に使いながら微調整してみてください。

EP:極大値

EPとは「Extreme Price」のことで、SARが上昇期間であれば最高値、下降期間なら最低値を指します。

パラボリックは、この計算式によって導き出された値を繋いでいくことで、チャート上に形成されていく仕組みです。

計算式自体は複雑で難しいですが、実際のチャートツールでは自動計算されるため実用上の問題はないので心配はいりません。

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3.パラボリックの使い方

パラボリックの使い方は、トレンドが転換したところでエントリーしてトレンドが終わったところで売却するのが基本的な戦略です。

ローソク足にSARが触れたタイミングを、トレンドの転換点と見なし売買を行います。

売買シグナルは以下のとおりです。

  • 下降トレンドからSARがローソク足の下に移動した瞬間は「買い」のサイン
  • 上昇トレンドからSARがローソク足の上に移動した瞬間は「売り」のサイン

パラボリックとはどんな指標?パラボリックの使い方も解説

このように判断基準が明確であるため、初心者でも比較的取り入れやすいのがパラボリックの特徴です。

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4.パラボリックのメリット・デメリット

パラボリックは、初心者でもトレンドを判断しやすいツールです。

しかし、テクニカル分析ツールすべてに当てはまることですが、パラボリックも万能ではありません。

そこで、パラボリックのメリット・デメリットについて解説します。

4.1パラボリックのメリット

パラボリックのメリットは、以下のとおりです。

  • トレンドの方向を視覚的に把握できること
  • 売買方法が明確になりシンプルになること

第一のメリットとして挙げられるのは、SARの位置を見るだけで現在の相場のトレンドを一目で判断できることです。

投資初心者などチャート分析に慣れていない方でも、相場の流れを理解しやすくなる効果があります。

第二のメリットは、売買のタイミングが明確になることです。

「SARとローソク足が触れたらトレンド転換」という明確な基準があるため、感情に左右されにくい取引が可能となります。

投資初心者がつまずきやすい売買判断の基準である「いつ買って、いつ売ればよいか」という問題が大幅に軽減され、メンタル面での負担を軽くします。

4.2パラボリックのデメリット

パラボリックのデメリットとして、横ばいの相場では機能しにくい点が挙げられます。

レンジ相場では、パラボリックが頻繁に反転することが多いからです。

誤ったシグナルをだすことが増えるので、損切りを繰り返すことになりかねません。

また、横ばいの相場でパラボリックを利用した取引をすると、何度も売買することになり取引コストが増加する懸念点もあります。

そのため、パラボリックを使う際はトレンドが形成されているときを意識して使うようにしましょう。

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5.パラボリックを使って取引するときの注意点

パラボリックを使って取引する際に注意すべき点が2つあります。

  • パラボリック単体での投資判断は危険
  • 大局的なトレンドを見失わないようにする

それぞれ解説していきます。

5.1パラボリック単体での投資判断は危険

パラボリックだけを頼りに投資判断をするのは危険だといえます。

なぜなら「パラボリックのデメリット」の章で紹介したように万能ではないので、ダマシが発生することもあるからです。

そのため、パラボリックを使用する際は、移動平均線やボリンジャーバンドなど他のテクニカル指標との併用がおすすめです。

たとえば、移動平均線と一緒に使うとパラボリックで売りシグナルがでたとしても移動平均線が上昇トレンドを示している場合は、売却を見送るという判断ができます。

パラボリックとはどんな指標?パラボリックの使い方も解説

このようにほかの指標を組み合わせることで、より精度の高い分析が可能となり、ダマシによる損失リスクを軽減できるメリットがあります。

初心者は「これさえ見ておけば十分」という万能の指標を求める傾向がありますが、そのような指標は存在しません。

複数の視点から相場を分析する習慣をつけることが、長期的な成功への道といえます。

5.2大局的なトレンドを見失わないようにする

パラボリックを使用する際に最も注意すべきポイントは、大局的なトレンドを見失わないようにすることです。

パラボリックは短期的なトレンド転換を捉えることに優れていますが、市場全体の大きな流れを見落としてしまう可能性があります。

たとえば、長期的には下降トレンドの相場で、一時的な反発による上昇シグナルを鵜呑みにすると、「逆張り」をしてしまっている状況に陥る危険性があります。

この問題を解決するためには、日足チャートだけでなく週足や月足といった長期チャートも確認する習慣が重要です。

短期・中期・長期、それぞれの時間軸でのトレンドを把握することで、より質の高い投資判断が可能となります。

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パラボリックに関するよくある質問Q&A

Q. パラボリックの設定値はデフォルトのままで良いですか?

A. はい、まずはデフォルトの「0.02 / 0.2」で使用することをおすすめします。

多くのトレーダーが同じ数値を見ているため、その数値が最も意識されやすいからです。

Q. 仮想通貨やFXでもパラボリックは使えますか?

A. もちろん使えます。パラボリックはボラティリティが高い市場(FXや仮想通貨)と非常に相性が良い指標です。

ただし、急激な価格変動(スパイク)が起きた際はSARが追いつかないこともあるため、注意が必要です。

Q. パラボリックがローソク足に重なってしまったら?

A. それがまさに「トレンド転換」の瞬間です。

重なった(触れた)次の足からSARの表示位置が上下入れ替わります。

そのタイミングがエントリーや決済の検討ポイントになります。

まとめ

パラボリックは、その名の通り美しい放物線を描きながら、私たちに相場の進むべき道を教えてくれる非常に優れた指標です。

  • SARの位置を見るだけでトレンドが一目瞭然
  • ドットの反転が明確な売買サインになる
  • トレンド相場での利益最大化に強い
  • レンジ相場でのダマシには他指標との組み合わせで対処する

これらのポイントを意識するだけで、あなたのチャート分析は格段にシンプルで力強いものになるでしょう。

投資の世界に「絶対」はありませんが、パラボリックのような信頼できるツールを正しく使うことで、根拠のあるトレードができるようになります。

まずは、お使いのチャートツールでパラボリックを表示させ、過去のチャートを振り返ってみてください。

驚くほどきれいにトレンドを捉えている箇所が見つかるはずです。

その感覚を大切に、実際の取引に活かしていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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