ドローダウンとは?投資で破産しないための計算方法とリスク管理の目安をわかりやすく解説

初心者でもすぐにわかる!ドローダウンとは?

「せっかく貯めた投資資金が、取引の失敗でゼロになったらどうしよう」と不安に感じていませんか。

投資には損失がつきものですが、そのリスクを数値化して管理する重要な指標が「ドローダウン」です。

ドローダウンを正しく理解していれば、一時的な下落にパニックにならず、計画的な運用を継続できます。

本記事では、ドローダウンの定義や計算方法から、資産を守るための具体的な活用術までを詳しく解説します。

   
目次

ドローダウンの基礎知識と3つの種類

投資の世界で頻繁に使われる「ドローダウン」という言葉は、簡単に言うと「資産のピーク(頂点)からどれだけ減少したか」を示す指標です。

FXや株式投資において、自分の手法がどれだけのリスクを抱えているかを判断するために欠かせません。

ドローダウンには主に3つの種類があり、それぞれ役割が異なります。

ドローダウンの定義と計算方法

ドローダウンはFXなどの投資で使われる用語の一つで、トレーダーの最大資金に対する損失割合です。

ドローダウンは、以下の方法で計算します。

初心者でもすぐにわかる!ドローダウンとは?

ドローダウンには、3つの種類があります。

1つ目が、最大ドローダウンです。

これは、一定の期間において最大金額のドローダウンを指します。

「最大ドローダウン」とは投資家が最大どのくらいの損失を受け入れるのか、に通じます。

最大ドローダウンを大きくした場合、大きな振れ幅を許容することになり、そのまま手当をすることができなければ、大きな損失を抱える可能性があります。

最大ドローダウンの許容範囲は、20~30%が目安となります。

投資信託だけでなく裁量取引でも資金記録を残しておくことで、最大ドローダウンを把握して損失の原因を分析できます。

2つ目が、相対ドローダウンです。

これは、口座残高のピークを基準に、割合ベースで最大のドローダウンを示したものです。

最大ドローダウンの単位は金額になりますが、相対ドローダウンはパーセント単位となります。

資産規模が違う場合も、同じ基準で相対的なリスクを評価できる点がポイントです。

3つ目が、絶対ドローダウンです。

これは、運用を開始した時点から資産がどれだけ減ったかを表します。

絶対ドローダウンが大きくなると資金回復が難しくなり、破産リスクの評価に欠かせません。

また、ドローダウンを確認する際は、含み損も加味して考えるのが一般的です。

含み損とドローダウンの両者の違いは、含み損が未確定の損失であるのに対し、ドローダウンはすでに損失が確定していることです。

自分の持っている資産の価値がどんなに下がっても、決済していなければドローダウンはありません。

ドローダウンの重要性

ドローダウンが大きいほど元本回復に必要な利益率は大きくなるため、常に数値を理解しておくことが重要です。

例えば、損失割合が10%であれば元本回復に必要な利益率は11%ですが、損失割合が30%、50%、90%と増えると、利益率は43%、100%、900%と必要になります。

ドローダウンを用いたリスク評価も、非常に重要です。

まず、ドローダウンを分析することで投資戦略のリスクを評価できます。

大きなドローダウンは、それだけリスクが大きいことを示しています。

ドローダウンを利用して、個人のリスク許容度に基づいた投資戦略をとりましょう。

また、大きなドローダウンが発生した時には、投資手法やポートフォリオを再評価しましょう。

さらに、投資を始める前に最大ドローダウンを設定し、それ以下を目指すことで過度に大きなリスクを避けられます。

過去のドローダウン事例

実際にどのようなドローダウンがあったのか、過去の事例を紹介します。

下記は、2000年以降に発生したドローダウンの上位5ファンドの一覧です。

初心者でもすぐにわかる!ドローダウンとは?

最も大きいドローダウンは2007年11月から2008年11月の「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」で、63.6%の下落となっています。

また、コロナ禍でも相場は荒れており、2020年2月から3月の1か月で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は34.4%下落しました。

過去にこれだけ大きなドローダウンがあることを知っておくだけで、自分自身に起きたドローダウンを冷静に受け止められるでしょう。

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ドローダウンの活用方法

ドローダウンについて学んだら、その知識をどのように活かせばよいか、活用法を解説します。

ドローダウンを活用するには、まず正常なドローダウンと問題があるドローダウンを見分け、それぞれ別の使い方をしましょう。

正常なドローダウンの使い方

正常なドローダウンとは、トレーダーの脅威となるようなものではなく、相場環境による取引の浮き沈みや、トレードプランからの小規模なズレなどにより発生するものです。

正常なドローダウンが起きたら自身の取引がトレードプランに沿っているか確認し、早急に回復できるのか、現状より悪い状態に陥らないのかを確認しましょう。

投資では常に成功する戦略はなく、相場環境によって結果が左右されるものです。

そのため、計画を続けることが難しいシーンもありますが、戦略はころころ変えず維持していきましょう。

ただし、ドローダウンが起きたらポジションサイズを小さくするといった対応は必要です。

リスクを小さくして心理的な落ち着きを保持し、客観的な取引を続けましょう。

問題あるドローダウンの使い方

問題があるドローダウンは、リスク管理や取引回数などにおいて複数の問題が同時発生しているときに引き起こされます。

この時、最も重要なのはドローダウンの原因を特定することです。

どのような問題がいくつ起きているか特定し、どの順番でどのように対処するか、早急に決定してください。

問題あるドローダウンが発生したら、ポジションを小さくしたり、事前に決めたタイミングで損切りしたりといった対応が必要です。

また、衝動的な取引をしていなかったかも振り返ってください。

優れた投資家はチェックリストを作り、いいセットアップの条件を明確化しています。

エントリー前にすべての項目が当てはまっているか確認する癖をつけるとよいでしょう。

さらに、分散投資も問題あるドローダウンへの対処法として有効です。

米ドルだけでなく豪ドルやユーロなどに分散させておくことで、大きな値動きをした通貨があっても損失を最小限に抑えられます。

ドローダウンを最小限に抑える3つの具体的対策

大きなドローダウンを避けることは、長期的な資産形成において最も優先されるべき事項です。

ここでは、今日から実践できる3つのリスクコントロール術を紹介します。

損切りラインをあらかじめ設定する

ドローダウンが拡大する最大の原因は、損切りの遅れです。

「いつか価格が戻るはずだ」という根拠のない期待は、投資における最大の敵となります。

取引を開始する前に、必ず「いくらになったら売るか」という損切りポイントを決めておきましょう。

自動で注文が入る逆指値注文(ストップロス)を活用すれば、感情に左右されずに強制的に損失を限定できます。

損切りを徹底することで、一度の失敗で再起不能になるようなドローダウンを防ぎ、次のチャンスに資金を繋ぐことができるようになります。

投資先の分散でリスクを平準化する

「卵を一つのカゴに盛るな」という格言通り、投資先を分散させることはドローダウンを抑制する特効薬です。

特定の国や銘柄、資産クラスだけに集中していると、そこが暴落した際に資産全体が直撃を受けます。

例えば、日本株だけでなく米国株、債券、金、外貨(ドルやユーロなど)といった相関性の低い資産を組み合わせることで、一方のマイナスを他方のプラスで補うことが可能になります。

資産全体のボラティリティ(価格変動幅)を抑えることができれば、必然的にドローダウンも小さくなり、精神的にも余裕を持って運用を続けられます。

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ポジションサイズを適切に管理する

多くの初心者が陥る罠が、自分の資力に見合わない大きな金額で取引してしまうことです。

1回のトレードに投じる資金を小さく抑えるだけで、ドローダウンの悩みは大幅に解消されます。

特に経験が浅いうちは、1回の取引での損失を全資産の1~2%以内に抑える「2%ルール」などの採用を検討しましょう。

これなら、10連敗したとしても資産の約8割は手元に残ります。

ポジションを小さくすれば、一時的な下落にも動揺せず、客観的な判断を維持しやすくなります。

投資は「いかに大きく稼ぐか」よりも「いかに生き残るか」が重要であることを忘れないでください。

ドローダウンに関するよくあるQ&A

Q1. ドローダウンの目安は具体的に何%くらいに設定すべきですか?

A. 一般的には、最大ドローダウンを20%から30%以内に抑えるのが健全な運用の目安とされています。

もし資産が20%減った時点で「これ以上は耐えられない」と感じるなら、リスクを取りすぎている証拠です。

ご自身のメンタルや資金の性格に合わせて、さらに保守的な10%程度に設定するのも一つの正解です。

大切なのは、自分が冷静さを失わずに運用を続けられる数値を把握することです。

Q2.ドローダウンと含み損、どちらを優先して管理すべきですか?

A. 基本的には「ドローダウン(資産曲線の推移)」を優先して管理すべきです。

含み損は一時的なものかもしれませんが、それがピークから数えてどの程度の割合に達しているかを把握しないと、自分が今どの程度のリスクにさらされているかが見えなくなるからです。

決済前であっても、資産の減少幅が許容範囲を超えたら、手法の修正やポジションの縮小を検討する必要があります。

Q3.ドローダウンが過去最大を更新してしまったらどうすればいいですか?

A. まずは即座に取引を停止するか、ポジションを大幅に縮小してください。

過去の最大ドローダウンを更新したということは、相場の環境が根本的に変わったか、手法に欠陥があるサインです。

そのまま意地になって取引を続けると、さらに損失が拡大し、取り返しのつかない事態を招きかねません。

一度市場から離れて冷静に原因を分析し、必要であれば戦略をゼロから見直す勇気を持つことが、長期的な成功に繋がります。

まとめ

ドローダウンは、投資家が必ず向き合わなければならない「試練」のようなものです。

しかし、その正体を正しく理解し、数値として管理できるようになれば、もはや実体のない恐怖に怯える必要はありません。

ドローダウン管理の重要ポイント

  • ドローダウンは「資産のピークからの下落幅」であり、リスクの大きさを表す。

  • 最大ドローダウンの目安は20~30%。これを超えると回復の難易度が跳ね上がる。

  • 損切りルールの徹底、分散投資、適切なポジションサイズが最大の防御策となる。

  • 過去の暴落事例を教訓に、常に余裕資金を持った運用を心がける。

投資でリターンを得るためには、ある程度のドローダウンを受け入れる覚悟が必要です。

しかし、それは「無謀なギャンブル」をすることではありません。

あらかじめ許容できる範囲を計算し、その範囲内に損失を収めるための仕組みを作ることこそが、真の投資戦略です。

今日から自分の資産状況や手法のドローダウンを確認し、より強固なリスク管理体制を築いていきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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