投資と投機の違いをわかりやすく解説!それぞれの注意点も紹介

「投資と投機にはどんな違いがあるの?」と疑問に思っていませんか?

資産運用をはじめたばかりの方にとって、投資と投機は似たような言葉に聞こえると思いますが、実際には目的やリスク、運用期間が大きく異なります。

そこで今回は、投資と投機の基本的な違いについてわかりやすく解説します。

また、投資や投機をする際の注意点についても紹介しました。

ぜひ本記事の内容を参考に、ご自身の目的やリスク許容度に応じた資産運用を検討してみてください。

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目次

投資と投機の違いは?

投資と投機は似ているように感じますが、目的や期間、リスクの取り方が以下のように大きく異なります。

投資 投機
目的 中長期で資産形成 短期で資産形成
リスク 低~中
期間 数年〜数十年 数分〜数ヶ月

表で簡単に特徴をまとめましたが、本章では投資と投機についてそれぞれ深堀していきます。

ちなみに、投資は良くて投機は悪いというイメージが世間にはありますが、戦略次第ではどちらでも資産形成は可能です。

目的によってどちらで資産形成するかを使い分けるものであり、それぞれに優劣はありません。

投資とは

投資とは、将来的な利益に期待して、資金を特定の資産や事業に投じる行為です。

中長期的な視点で企業や資産の価値に焦点を当て、安定的な資産形成を重視します。

たとえば、株式を購入して企業の成長による値上がり益や配当を得たり、不動産を購入して家賃収入や売却益を得たりする行為が投資に当たります。

このように、投資は価格の短期的な上下動よりも、資産そのものの価値や成長性に注目し、長期的な利益や安定した資産形成を目指す運用方法です。

投機とは

投機とは、短期間に起こる価格変動を狙って、利益を得るために繰り返し売買を行う行為を指します。

投機は、資産の本質的な価値の上昇や配当金を期待するのではなく、相場が変動するタイミングを利用して値上がり益を得るのが目的です。

代表的な投機の手法には、FX取引や株式の短期売買などがあり、いずれも価格の動きを予測して短期間で利益を狙う点が共通しています。

たとえば、チャート分析でトレンドを読み取り、将来の値動きに賭けるような取引が投機の典型例です。

投機は短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方で、予測が外れた場合には大きな損失を被るリスクも高くなります。

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投資をするときの注意点

投資をはじめる際には、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。

投資は資産形成に有効な手段ですが、正しい知識がないままはじめると、思わぬ損失や失敗につながる可能性があります。

投資初心者が特に注意すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 資産形成に時間がかかる
  • 長期的な予測は困難
  • SNSの噂話だけで投資しない

それぞれの注意点について詳しくみていきましょう。

資産形成に時間がかかる

投資による資産形成には時間が必要であり、短期間で大きな利益を得るのは困難です。

投資の収益は複利効果によって時間とともに加速的に増加するため、資産が目にみえて増えるまでには相応の年月を要するからです。

複利効果とは、運用で得た利益を再び投資に回すと利益が利益を生む仕組みのことを指します。

たとえば100万円を年率10%で運用した場合、利益を再投資しない単利計算では30年後に400万円になりますが、複利計算では約1,745万円になりその差は1,345万円にもなります。


上の画像をみると15年過ぎたあたりから、資産の増加が加速しているのがわかると思います。

投資をはじめる際は、できるだけ10年単位での長期的な視点を持ち、焦らずコツコツと継続して複利効果を活かすのが重要です。

長期的な予測は困難

投資では、長期的な予測は困難であることを前提に行動するのが重要です。

市場は経済動向、金利、為替、地政学的リスクなど様々な要因によって変動するため、将来を正確に予測するのは不可能だからです。

たとえば、数年前には好調だった業界が、技術革新や規制変更によって急速に衰退するケースがあります。

また、予想外の国際情勢の変化で市場全体が大きく変動する場合があります。

専門家でさえ将来の市場動向を完璧に当てられないので、個人投資家が正確な予測をするのはさらに困難です。

そのため、将来を正確に当てるのは不可能と心得て、分散投資やリスク管理を行うのが大切です。

複数の資産や地域に資産を分散させて、不確実性に対応できる体制を整えておくと安定した投資ができます。

SNSの噂話だけで投資しない

投資判断をSNSの噂だけで行うのは、非常に危険です。

なぜなら、情報源が不確かで、根拠のない情報や意図的に流された誤情報の可能性があるからです。

たとえばSNS上で「あの株は必ず上がる」などの書き込みに基づいて購入すると、実際には業績が伴っておらず、株価が急落して大きな損失に巻き込まれる場合があります。

そのため、SNSの情報は参考程度にとどめておき、投資を行う際は噂ではなく企業の決算資料や業界の動向など信頼できる一次情報をもとに判断するのが重要です。

企業や金融庁の開示資料、信頼できる金融機関のレポートなどを確認し、自分自身で納得した上で投資判断を行いましょう。

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投機をするときの注意点

投機は短期間で大きな利益を狙える一方で、高いリスクを伴う運用方法です。

初心者が特に注意すべき重要なポイントは、以下のとおりです。

  • 知識と経験が必要
  • メンタルコントロールが難しい
  • 大損する可能性がある

それぞれの注意点について詳しく解説します。

知識と経験が必要

投機で成功するには、十分な知識と実践経験の両方が不可欠だといえます。

なぜなら、投機は価格変動を予測して利益を得る行為で難易度が高いため、どちらか一方だけでは不十分だからです。

たとえば、損切りラインの設定方法を知識として学んでも、実際に自分の資金が減っていく場面で冷静に損切りを実行できるようになるには、経験を積む必要があります。

また、チャートパターンの理論を知っていても実際の相場で識別し、適切なタイミングで取引する能力は、繰り返しの実践を通じてのみ養われます。

そのため、投機をはじめる前にテクニカル分析や資金管理の基礎知識をしっかり学び、少額での実践を重ねながら経験を積むのが大切です。

メンタルコントロールが難しい

投機では価格変動を狙って利益を得るので、感情のコントロールが難しくなりやすい点に注意が必要です。

なぜなら、価格が短期間で大きく変動すると、損失への恐怖や利益への欲望が強く働き、冷静な判断を下しにくくなるからです。

たとえば、株価が急落した際に「もう少し待てば戻るはず」と損切りを先延ばしにして損失を拡大させるケースがあります。

逆に少し利益が出た時点で「まだ上がる」と欲を出して利確のタイミングを逃し、結局利益を失ってしまう場合もあります。

そのため、投機を行う際は事前に利益確定と損切りのラインを決めておくなど、売買ルールを明確に設定して機械的に実行する姿勢が重要です。

大損する可能性がある

投機は短期間で大きな利益を狙える一方で、元本割れや多額の損失を被るリスクが高い手法です。

特にレバレッジをかけた取引では、わずかな値動きで損失が拡大しやすいため注意が必要です。

レバレッジとは、少ない資金で多額の取引ができる仕組みで、利益が拡大する一方で損失も同じだけ大きくなります。

たとえば、FXでレバレッジをかけた結果、たった1日で資産が20%以上減少することも珍しくありません。

場合によっては、元本以上の損失が発生して借金を抱えるケースもあります。

投機には、通常の投資よりも大損するリスクが付きまとうため、資産規模や許容できる損失額を慎重に見極め、最悪の場合でも生活に支障がない範囲で行うべきです。

生活費や緊急資金には絶対に手を付けず、余剰資金の範囲内で投機を行うのが鉄則となります。

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投資と投機の違いを知りたい人によくある質問

投資と投機の違いを知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 株式を運用する際の投資と投機の違いは?
  • 投資と賭博の違いは?

それぞれの質問について詳しく解説します。

株式を運用する際の投資と投機の違いは?

株式への投資は、将来の企業成長を見越して資金を投じ、中長期で利益を目指す行為であり、リスクが比較的低めに抑えられます。

たとえば、企業の成長性や将来性を財務諸表やビジネスモデルから分析して数年間保有し、配当金や長期的な値上がり益を期待します。

一方、投機は短期間での価格変動を利用し、タイミング重視で利益を狙う手法です。

短期間で高いリターンを狙える反面、その分リスクも大きくなるのが特徴となります。

具体的には、決算発表やニュースによる価格変動を利用し、数日から数週間の短期的な売買で差益を狙う方法です。

株式運用においては、自身の目的や許容できるリスクに応じて投資か投機かを選ぶのが重要です。

投資と賭博の違いは?

投資と賭博は本質が異なり、運用の際に合理的根拠があるかのかが決定的な違いとなります。

投資は企業の成長や資産価値の向上を見込んで、中長期的な目線で資金を投下する経済活動です。

合理的な判断材料が豊富にあり、企業分析や市場調査を通じて価値創造のプロセスに参加できるのが特徴です。

たとえば、株式や投資信託などの金融商品を購入すると、企業の成長による価値の上昇や配当による資産増加が期待できます。

一方、賭博は偶然や運に依存し、主催者である胴元が必ず利益を得る仕組みとなっています。

具体的には宝くじや競馬などが該当し、長期的にみれば胴元に取られる分、全体として損失となる仕組みです。

投資は合理的根拠を伴う経済活動ですが、賭博は娯楽色が強く資産形成には不向きといえます。

初心者の方は、投資と賭博を混同せず、合理的な判断に基づいた資産運用を心がけるのが大切です。

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まとめ

今回は、投資と投機の違いについて解説しました。

投資と投機は似ているようにみえますが、目的や期間、リスクの大きさが異なります。

投資は中長期的な視点で資産の成長や配当を期待する運用方法であり、投機は短期的な価格変動を狙って利益を狙う手法です。

どちらも一長一短であるため、自分の目的やリスク許容度に応じて選択するのが重要です。

ぜひ本記事を参考に、自分に合った資産形成の方法をみつけてみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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