パラボリックとは?その特徴や使い方、メリット・注意点を解説

みなさんは「パラボリック」というテクニカル指標をご存知でしょうか?

テクニカル指標は本当にたくさんの種類があるので、たくさん出会って自分に合うものを見つけていくことが大切です。

その1つとして本記事ではパラボリックの概要や使い方などについてご紹介していくので、テクニカル分析をメインにおこなっているという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事でわかること

  • パラボリックとは何か
  • パラボリックの使い方
  • パラボリックを使うメリットと注意点

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目次

パラボリックとは?

「パラボリック」とはテクニカル分析で利用されるテクニカル指標の1つで、J.W.ワイルダー氏が考案しました。

J.W.ワイルダー氏は、同じくテクニカル指標であるRSI・ADXなどを生み出した人物でもあります。

「SAR(ストップ&リバースポイント)」というラインを用いていることから、「バラボリックSAR」と呼ばれることもある、トレンドフォロー型の指標です。

株価の値動きは、上昇もしくは下落の強さ(勢い)が徐々に弱まって、やがて転換点を迎えるということに着目したことで誕生しました。

また、パラボリック(parabolic)に「放物線上の」という意味があるのは、SARのラインがチャート上に放物線を描いているように見えるからです。

株式市場の転換点をSARとして放物線上に設定し、SARと実際の株価の位置関係で売買判断をおこなっていきます。

SARはどのように算出する

転換点を描く放物線上のSARは、以下の式で算出することができます。

SAR=(EP-前日のSAR)×AF+前日のSAR

「EP(極大値)」は、SARが買いサインを示している期間の場合、その期間の最高値のことをいいます。

逆に売りサインと示している期間の場合は、その期間の最安値です。

「AF(加速因子)」は、株価を更新するときの加速率のことで、通常は0.02≦AF≦0.20とします。

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パラボリックの具体的な使い方

次に、パラボリックの具体的な使い方をご紹介します。

まず、上昇トレンドの場合、株価は常にSARよりも上で推移しています。

このときは、買いポジションを持ち続けてもよいとされています。

株価の値動きの勢いが弱まって、株価とSARが交差したうえで下抜けるとそこが転換点です。

つまり、売りサインとして見るので、現在と反対のポジション(買いポジションを解消するもしくは新たに売りポジションを持つ)をとると良いとされています。

こちらが、上昇トレンド時のパラボリックの使い方です。

下落トレンドの場合はこの逆になり、株価は常にSARよりも下で推移しており、持つべきなのは売りポジションです。

株価の値動きの勢いが弱まって、株価とSARが交差したうえで上抜けると、そこが転換点であり買いサインとなります。

現在と反対のポジション(売りポジションを解消するもしくは新たに買いポジションを持つ)をとりましょう。

このように、パラボリックはSARを転換点として設定し、株価が下抜けたら上昇トレンドが転換するサイン、上抜けたら下落トレンドが転換するサインとして非常に直感的に売買サインを汲み取ることができます。

また、上記で“SAR(ストップ&リバースポイント)”という表記を用いましたが、パラボリックの使い方を理解すると、こちらの意味がわかりやすいです。

まず、ストップには“止める”という意味がありますよね。つまり買いポジションまたは売りポジションを持ち続けるのを止めて、解消するサインだということです。

次に、リバースには“反対”という意味があります。よって、買いポジションから売りポジションに、または売りポジションから買いポジションに、といった具合に反対のポジションをとるサインだということを示しています。

つまり、簡単にいうとバラボリックは、株価がSARと交差して上抜けもしくは下抜ける(株価変動の動きが弱まってトレンドの転換点に入る)ことをサインに、ストップ&リバースをおこなうためのテクニカル指標ということです。

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パラボリックを使うメリット

上記では、パラボリックの使い方についてご説明してきました。

世の中にはほかにもたくさんのテクニカル指標がありますが、その1つとしてパラボリックを使うことにどのようなメリットがあるのかをご説明していきます。

だれでも転換点がわかる

1つめのメリットは、だれでも転換点がわかるということです。

つまり、まだポジションを持っていない方でも株価とSARの位置関係さえきちんと見ておけば、転換点を把握しやすいといえるでしょう。

しかもかなり直感的で、チャートを一目見たらわかるので、初心者の方にもおすすめのテクニカル指標です。

トレンドの強さがわかる

2つめのメリットは、トレンドの強さがわかるということです。

なんとパラボリックでは、トレンドや転換点の把握だけではなく、トレンドの強さまでもわかります。

チェックするべきなのは、SARの放物線を描く、1つ1つの点の間隔です。

間隔がある程度空いている場合は安心して現在のトレンドについていき、間隔が小さくなってきたらトレンドの転換点が近づいていることを意識します。

こうすることで、株価変動に惑わされない安定したトレードが可能です。

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パラボリックを使うときの注意点

上記ではパラボリックを使うメリットについてご紹介しましたが、注意点についても知っておくことでより有効なトレードができます。

ぜひ心得ておきましょう。

パラボリックは、株価が長期間にわたってある方向に動くような、トレンドがしっかり定まっている場合に有効に働きます。

一方で、短期間で株価が細かく上下動するようなレンジ相場だと、だましが多くなってしまうのであまり参考にできなくなります。

レンジ相場についてはレンジ相場(そうば)とは?チャートの見方と株売買のタイミングの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。

ほかのテクニカル指標と組み合わせて、より精度の高い分析を心がけることがおすすめです。

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まとめ

  • パラボリックとは、W.ワイルダー氏が考案したテクニカル指標
  • 放物線上のSARと株価チャートの位置関係から、トレンドや転換点を把握することができる
  • レンジ相場ではだましが多くなってしまうため、ほかのテクニカル指標と併用して対応することが大切

いかがでしたでしょうか?

本記事では、テクニカル指標「パラボリック」について解説してきました。

とても直感的なので、初心者の方で使いやすいテクニカル指標となっています。

ポジションを持っていなくても、外からトレンドの転換点を把握できるのがパラボリックのよいところ。

レンジ相場ではだましが多いため、その点のリスクも考慮しながらぜひトレードに役立ててみてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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