「塩漬け株」という言葉をご存知でしょうか。
塩漬け株は、株式投資における「失敗トレード」を表しています。
この記事では塩漬け株の概要や発生のメカニズム・対処法までをお話していますので、株式投資初心者の方はぜひこれを読んで有効な株式投資に繋げていきましょう。
この記事でわかること
- 塩漬け株とは何か
- 塩漬け株を持つことのデメリット
- 塩漬け株を整理する方法
塩漬け株ってどんな株?
塩漬け株とは一体どのような状態の株なのでしょうか?
まず「塩漬け」は料理の世界で使われる言葉で、
“腐りやすい食べ物を長期保存や味付けのために食塩に漬けておくこと”
を指します。
これが株式投資の世界に転じて、
“株価が上がると思って購入した銘柄が値下がりしてしまい、売るタイミングを逃して長期保有している株”
のことを「塩漬け株」と呼ぶようになりました。
食べ物の場合は、長期保存や味付けをして食べ頃を待つという目的を持って塩漬けをしています。
しかし株式投資においては、目的を持って塩漬けしているのではなく、塩漬けしている時点で売るタイミング(食べ物でいうと食べ頃)を失っているので、塩漬け株は「失敗トレード」の表れであるといえます。
なぜ人は塩漬け株を作ってしまうのか?
次に、塩漬け株はどのようにして作られるのかを見ていきます。
たとえば、そのメカニズムは以下のようになります。
- 将来株価が上がることを予想して株を購入する
- 予想に反して株価が下がってしまう
- 「上がることを予想して買った株だから」と上がるまで売らずに持ち続ける
- さらに株価が下がってしまい売るタイミングを逃してしまう
⇒塩漬け株になる
上記のうち、塩漬け株発生は
- 「上がることを予想して買った株だから」と上がるまで売らずに持ち続ける
の部分が最も大きな原因です。
この3.の考えには「業績を見た上でこの値下がりは一時的なものだから、必ずまた株価は戻るはず」という考えや「損を抱えてしまったけど損失を確定させたくないから株価が上がるまで待とう」という2パターンの考えがあります。
これらの根底にある「株価は長期的に上昇するだろう」という漠然とした期待や考えで株の保有を決定してしまうと、「損失を確定させないために持ち続けたのに、さらに損が大きくなってしまった……」となりかねません。
塩漬け株のデメリット
塩漬け株を持つことは、損失が大きくなってしまう可能性以外にもデメリットがあります。
それぞれ、どんなデメリットがあるか見ていきましょう。
資金効率が悪くなる
自分の投資資金が限られている場合(例えば100万円)、もし60万円かけて購入した株が塩漬け株になってしまうと残りの40万円では投資の自由度が少なくなってしまいます。
もし塩漬け株が抱える損失を挽回する機会が来たと思っても、投資資金が少なかったら何もできません。
塩漬け株は資金効率を悪化させ、チャンスをも奪います。
精神的ストレスになる
一向に含み損がなくならない塩漬け株があると、損失が大きくなる不安や相場に翻弄される緊張感から精神的ストレスを負うことになります。
結果として、残りの資金を使って投資をするときも気持ちが先行するあまり冷静な判断ができなくなってしまいがちです。
上場廃止や倒産のリスク
塩漬け株になっている銘柄は株価が下がっているものが多いです。
株価が下がり続けている株は上場廃止や倒産のリスクが少なからずあります。
売るタイミングを探しているところでも、上場廃止や倒産となればその機会は巡ってきません。
このように、塩漬け株を保有し続けていると損失拡大のリスクを抱えるだけでなく投資効率の悪化を招いてしまいます。
では塩漬け株を作ってしまいそうな場合や実際に保有している場合は、どう対処すればいいのでしょうか?
損切りルールを作ろう
塩漬け株を気持ちよく整理するのに必要なのが「損切りルール」です。
損切りルールの徹底
損切りルールは、塩漬け株の有無に関わらず株式投資を始める人は決めておくべき大切なルールです。
例えば、
・自分が投資資金として出せるお金は〇〇〇円まで
・〇〇%以上の損失が出た銘柄は売る
といった事柄を決めておきます。
初めはどのくらいに設定したらいいか分からないかもしれませんが、ルールに基づいたトレードを徹底することが重要です。
そして、もっとも重要なのは
「自分が決めた損切りルールは必ず徹底して守る」
ということです。
このように明確にルールを設定しておけば大失敗からはまぬがれることができます。
逆に、ルールがぶれていると損切りに対する認識までぶれてしまうので、結果として大きな損失に繋がりかねません。
実際に投資をした人であればわかるかもしれませんが、損切ルールを徹底することは容易なことではありません。
メンタルを常に冷静に保つことが重要になるでしょう。
もし塩漬け株を作ってしまった場合
もし塩漬け株を作ってしまった場合、損切りルールを適用するまでは諦めずに相場の動きをしっかり見てタイミングを探ることも大切です。
特にテクニカル分析では短期的な相場の動きを読めるので、テクニカル分析を学習しておくと損失を最小限に留めることができる可能性があります。
たとえば、当サイトの監修者であるプロトレーダーの相場師朗(あいばしろう)先生であれば、塩漬け株で悩んでいるお弟子さんに対して
・現在塩漬けになってしまった建玉のいくらかを手仕舞いし、手堅い銘柄に入れ直す
・その繰り返しで徐々に塩漬け株の保有比率を減らしていく
といったようなアドバイスをされることもあります。
もちろん、時と場合によって対処の仕方が違うため一概に上記の方法が正しいとは言えませんが、プロのトレーダーは自分の中でしっかりと損失時のルールを設けている、ということを念頭に置いておくといいかもしれません。
まとめ
- 塩漬け株は「株はいつか必ず上がる」という漠然な考えのもと生まれる
- 漬け株は株式投資においてデメリットが多いので、早めの整理が大切
- 塩漬け株はテクニカル分析で売り時を探し、最終手段は「損切りルール」で手仕舞いする
塩漬け株とその対処法について解説してきました。
塩漬け株は「株価はいつか必ず上がる」という期待のもと生まれるということがお分かりいただけたかと思います。
いつまでも上がるのを待つのではなく、きちんと損切りルールを設けて次のチャンスに投資できるように対処しましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。