TOPIX(トピックス)とはどんな指標?わかりやすく簡単に解説

TOPIX(トピックス)とはどんな指標?わかりやすく簡単に解説

「TOPIX(トピックス)ってよく聞くけど、具体的にどんな指標なの?」と疑問に思っていませんか?

投資をはじめたばかりの方にとって、TOPIXは経済ニュースで頻繁に目にするものの、どんな指標なのかわからないと思っている方が多いようです。

そこで今回は、TOPIXの基本的な概要をわかりやすく解説します。

また、TOPIXと日経平均株価との違いやTOPIXに連動する投資商品についてもまとめました。

本記事を読むと、初心者の方でもTOPIXとはどんな指標なのか理解できるようになります。

ぜひこの記事の内容を参考に、TOPIXについて理解を深めてください。

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目次

TOPIX(トピックス)について簡単に解説

本章では、TOPIX(トピックス)について簡単に解説します。

ここで紹介する内容は、以下のとおりです。

  • TOPIXとは
  • TOPIXの計算方法

それぞれ紹介します。

TOPIXとは

TOPIXは、東証プライム市場に上場している全銘柄の株価動向を総合的に示す、日本の代表的な株価指数のひとつです。

東証プライム市場には約1,600社の企業が上場しているため、投資初心者の方はTOPIXを日本経済全体の調子が一目で把握できる便利な指標と理解しておけば十分です。

たとえば、TOPIXが上昇していれば日本の株式市場全体が好調で、下落していれば市場全体が不調だと判断できます。

なお、東証プライム市場は2022年4月に従来の東証一部市場から名称変更されており、日本を代表する大手優良企業が多数上場している市場として位置づけられています。

TOPIXの算出方法

TOPIXは「加重平均」という方式で算出されます。

加重平均とは、企業の規模(時価総額)が大きいほど指数への影響度が大きくなる仕組みです。

ちなみに、時価総額とは「株価×発行済み株式数」で計算される企業の市場価値を指します。

TOPIXの算出方法である加重平均は複雑です。

そのため、時価総額の大きい銘柄ほど指数に影響するイメージを理解するため、仮に東証に2社のみ上場していたとして、指数の計算方法をみてみましょう。

対象銘柄

  • A社:株価100円、発行済み株式数4,000株
  • B社:株価150円、発行済み株式数1,000株

Step1:各銘柄の時価総額を計算

  • A社:株価100円×発行済み株式数4,000株=時価総額40万円
  • B社:株価150円×発行済み株式数1,000株=時価総額15万円

Step2:全体の時価総額を算出

  • 全体の時価総額:40万円 + 15万円 = 55万円

Step3:加重平均を計算

加重平均 = Σ(各銘柄の株価 × その銘柄の時価総額) ÷ Σ(各銘柄の時価総額)

  • A社の寄与分:100円 × 40万円 = 4,000万円
  • B社の寄与分:150円 × 15万円 = 2,250万円
  • 全体の時価総額:55万円

(4,000万円 + 2,250万円) ÷ 55万円= 6,250万円 ÷ 55万円= 113.6円

時価総額が多いA社の株がより大きな影響を与えているように、企業規模が大きな企業ほどTOPIXの値動きに強い影響力を持ちます。

なお、実際のTOPIXはさらに基準値や浮動株調整を考慮するため、上記の例はあくまでも簡略化したモデルとなります。

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TOPIX(トピックス)と日経平均株価の違いは?

TOPIXと日経平均株価は、どちらも日本の代表的な株価指数ですが、計算方法や構成銘柄に違いがありそれぞれ異なる特徴を持っています。

本章では、以下の内容について解説します。

  • 日経平均株価とは
  • 日経平均株価の計算方法
  • 日経平均株価とTOPIXの違い

それぞれ解説します。

日経平均株価とは

日経平均株価は、東証プライム市場に上場している約1,600銘柄から日本経済新聞社が厳選した225銘柄をもとに算出される指標です。

投資や経済動向を把握する重要な指標として、ニュースや経済分析で頻繁に用いられています。

日経平均株価の特徴は、市場での売買が活発な企業を中心に選定されている点です。

たとえば、トヨタ自動車やソフトバンクグループ、ファーストリテイリングなどの大手企業が含まれています。

さらに業種バランスも考慮されており、特定の業界に偏ることなく日本経済全体を代表するよう設計されています。

なお、日経平均株価は、値がさ株(株価の高い銘柄)の影響を受けやすいのも特徴です。

日経平均株価の算出方法

日経平均株価は「株価平均」で算出される株価指数であり、対象とする225銘柄の株価を合計してから銘柄数で割ると求められます。

わかりやすくするため、日経平均に3銘柄だけ上場していると仮定して計算します。

対象銘柄

  • A社:1,000円
  • B社:2,000円
  • C社:3,000円

Step1:株価総合計

  • 1,000円 + 2,000円 + 3,000円 = 6,000円

Step2:平均株価

  • 6,000円 ÷ 3銘柄 = 2,000円

日経平均の計算方法の特徴は、各銘柄の時価総額や発行済み株式数に関係なく、単純に株価だけで平均を求める点です。

そのため、株価の高い銘柄(値がさ株)の値動きが指数全体に大きな影響を与える構造になっています。

なお、実際の日経平均株価の算出では、単純に株価の合計を銘柄数で割るのではなく「調整除数」と呼ばれる値で割って計算します。

調整除数は、構成銘柄の入れ替えや株式分割・併合などがあっても指数の連続性を保つためのものです。

TOPIX(トピックス)と日経平均株価の違い

TOPIXと日経平均株価の違いをまとめると、以下のようになります。

項目 TOPIX 日経平均株価
対象銘柄 東証プライム市場全銘柄 225銘柄
算出方法 加重平均 株価平均
影響要因 時価総額の大きい企業 株価の高い銘柄
算出機関 東京証券取引所 日本経済新聞社

 

日経平均は日本を代表する225社の株価動向を示し、株価の高い銘柄の動きの影響を受けやすい指標です。

一方、TOPIXは東証プライム市場全体の時価総額の変動を反映するため、日本株式市場全体の動きをより適切に表現します。

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TOPIXに投資するメリット

TOPIXに投資するメリットは、国内経済の成長をダイレクトに反映した投資が、手軽にできる点がメリットです。

TOPIXの構成は、東証プライム市場の1,600社以上の幅広い企業群をカバーしているため、日本株の「市場全体ポートフォリオ」に最も近い投資対象であるといえます。

また、業績好調な大企業だけでなく、成長期にある中堅企業や新興企業の動きも取り込める仕組みになっています。

そのため、個別企業の突発的な業績悪化や不祥事などのリスクを分散しながら、日本全体の経済成長をバランス良く享受することが可能です。

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TOPIX(トピックス)について簡単に知りたい人によくある質問

TOPIXについて簡単に知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • TOPIXに連動する投資信託とETFはどんな商品がある?
  • TOPIXの上位構成銘柄は?

それぞれ解説します。

TOPIXに連動する投資信託とETFはどんな商品がある?

本章では、TOPIXに連動する投資信託とETF(上場投資信託)を紹介します。

投資信託とETFにはそれぞれ異なる特徴があるため、投資スタイルや目的に応じて選択するのが重要です。

まず、投資信託とETFにはどのような違いがあるのかみてみましょう。

項目 投資信託 ETF(上場投資信託)
上場 していない している
取引場所 証券会社、銀行など 証券会社のみ
取引方法 基準価額で1日1回のみ 株式のようにリアルタイムで売買可能
発注方法 金額指定で購入、価格は約定時に決定 指値・成行注文が可能
手数料・コスト 比較的高い 比較的安い
分配金自動再投資 可能 不可

投資信託は1日1回の取引に限定されますが、ETFは株式同様に取引時間中であればリアルタイムでの売買が可能です。

また、ETFは一般的に手数料が安く抑えられているため、長期的な資産運用において有利になります。

しかしながら、ETFに投資するなら数千円から数万円の最低投資金額が必要です。

一方、投資信託は100円から投資できるため、初心者でも手軽にはじめやすいメリットがあります。

ちなみに、投資信託を選ぶ際は「信託報酬が低い」「純資産総額が大きい(数百億円以上)」商品の方が安定した運用が期待できます。

ETFを選ぶ場合は「売買のしやすさ(流動性)」も重要です。

TOPIXに連動する投資信託

TOPIXに連動する投資信託は、以下のとおりです。

名称 運用会社 信託報酬 純資産総額
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 三菱UFJアセットマネジメント 0.143% 3415.96億円
インデックスファンドTOPIX(日本株式) 日興アセットマネジメント 0.473% 337.14億円
ニッセイTOPIXインデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 0.143% 968.47億円
i Free TOPIXインデックス 大和アセットマネジメント 0.154% 253.17億円
つみたて日本株式(TOPIX) 三菱UFJアセットマネジメント 0.198% 572.96億円

※2025年8月15日現在

投資信託を選ぶ際は、信託報酬などのコストや純資産総額の大きさ、運用会社の信頼性を総合的に判断するのが重要です。

TOPIXに連動するETF

TOPIXに連動するETFは以下のとおりです。

名称 コード 管理会社 信託報酬 純資産総額
上場インデックスファンドTOPIX 1308 アモーヴァ・アセットマネジメント 0.057% 115,767億円
MAXIS トピックス上場投信 1348 三菱UFJアセットマネジメント 0.066% 34,575億円
One ETF トピックス 1473 アセットマネジメントOne 0.0495% 6,254億円
iシェアーズ・コア TOPIX ETF 1475 ブラックロック・ジャパン 0.0495% 18,865億円
SMDAM トピックス上場投信 2557 三井住友DSアセットマネジメント 0.0814% 743億円

※2025年6月30日現在

ETFを選ぶ際も、コストや純資産総額の大きさ、管理会社の信頼性などを総合的に判断して選択しましょう。

TOPIXの上位構成銘柄は?

TOPIXの構成比上位10銘柄は、以下のとおりです。

銘柄 業種 比率
1 トヨタ自動車 輸送用機器 3.28%
2 ソニーグループ 電気機器 3.18%
3 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 3.10%
4 日立製作所 電気機器 2.67%
5 任天堂 その他製品 2.17%
6 三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 1.83%
7 リクルートホールディングス サービス業 1.61%
8 三菱重工業 機械 1.58%
9 東京エレクトロン 電気機器 1.45%
10 キーエンス 電気機器 1.43%

※2025年6月30日現在

上位10社の合計構成比は約22.3%と、TOPIX全体に対して大きな影響力を持っています。

そのため、市場全体の方向性を分析する際は、主要銘柄の業績や株価動向も判断材料の1つといえます。

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まとめ

今回は、TOPIX(トピックス)の基本的な概要から計算方法、日経平均株価との違いについて解説しました。

TOPIXは、東証プライム市場全体の動きを加重平均で算出する株価指数であり、日本経済全体の調子を把握するための重要な指標です。

投資初心者の方がTOPIXに投資する際は、連動する投資信託やETFを活用すると、手軽に日本株式市場全体への分散投資が可能になります。

ぜひ本記事を参考に、TOPIXの特徴を理解しご自身の投資に役立ててみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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