「両建て」という言葉をご存知でしょうか。
両建てとは、簡単に言えば同じ銘柄において、売り玉と買い玉の両方を保有している状態のことです。
どちらかで利益が出る一方、どちらかは損失が出てしまいますので、一見矛盾した行為に見えるかもしれません。
ですが、両建てを使いこなせるようになると、上昇トレンド・下降トレンド・トレンドの転換点など、どのタイミングでもリスクヘッジをしながら利益を狙えるようになるでしょう。
そこでこの記事では、両建てについての考え方と、両建てを応用してリスクヘッジをしながら利益を上げていく方法についてご紹介します。
この記事でわかること
- 両建ての意味
- リスクヘッジとしての考え方
- 両建てを応用して、リスクヘッジをしながら利益を狙う方法
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両建てとは何か
前述の通り、両建てとは同一銘柄において売り玉と買い玉の両方の玉を保有している状態のことを指します。
もし両建てをして、売り玉と買い玉を同数保有していた場合は、株価が上昇しても下落しても利益・損失ともにゼロな状態です。(正確に言えば手数料等のマイナスはありますが、今回は割愛します)
つまり、利益にも損失にもならない状態です。
安全かもしれませんが、これでは投資の意味がありませんよね。
それでは、両建てはなんのメリットもない行為なのでしょうか?
身近な例を見てみましょう。
気になる女性(男性)が2人いるケース
例としては相応しくないかもしれません。
不謹慎だと思われた方、申し訳ございませんがしばしお付き合いください。
あなたが「同じくらい気になる」と感じている人が2人いたら、両方の相手にアプローチをすることもあるかと思います。
「保険」という考えは相手にとって失礼かもしれませんが、どちらか片方にだけアプローチして玉砕したら、ちょっと後悔してしまいますよね。
そう考えて両方に少しずつアプローチをしていたら、片方の意中の相手が少し好意的な反応を示してきました。
そこで、一気に片方の相手の方に舵取りをする、
というようなケースで、両建ての考え方は役立ちます。
同様に株式投資のケースを見てみましょう。
株式投資のケース
自分が買いで保有している銘柄が、上昇トレンドと思っていたら2日連続で株価が下落してしまいました。
ここで、「あれ、上昇トレンドは終わってしまったのか」と考えて、買い玉を手放すのはちょっともったいないなと思う時もありますよね。
そうした際に、買い玉を維持したまま、リスクヘッジの「空売り」をして売り玉を建てれば、株価が下落した際でも対応できるようになります。
そうすれば、もし下落が続くようであれば買い玉を手仕舞いして売り玉にシフトできますし、反転して上昇トレンドに戻るようであれば、売り玉を決済して買い玉を追加していくこともできます。
これが両建てを有効活用するやり方です。
ただし、簡単に解説すると上記のような感じですが、実際にはさまざまな指標や目印、チャートパターン分析を織り交ぜて戦略的に行う必要があります。
両建てのメリット
改めて、両建てのメリットを見てみましょう。
大きく分けると、次の2点が挙げられます。
株価が変動した際のリスクを軽減できる
「マーケットのトレンドが上昇か下落かの見極めが難しいタイミング」において、両建てしておけば株価がどちらに動いても柔軟に対応しやすくなります。
もちろん、両建てを活用する場合でも判断が難しいケースは多々ありますが、選択肢を多く持つことでトレードの幅を広げることができるでしょう。
メンタル的な負担を軽減できる
両建てをしておくことにより、株価がどちらか一方に上振れたとしても、メンタル面での不安を軽減することができます。
どちらか一方にだけ玉を建てていると、想定と反対の動きをした際に「どうしよう、損失が拡大してしまう」という気持ちが働いてしまい、正常な判断がしにくい状況となります。
投資をする上で「正しい判断」を下すには、メンタルはとても重要なものとなるので、このメリットは大きいと言えるでしょう。
両建てのデメリット
では、デメリットの部分はどうでしょうか。
大きく分けると次の2点です。
決済タイミングの見極めが難しい
両建ては、売りと買いをどちらも保有している状態なので、利益と損失の両方が出ている状況です。
そのため、利益を手仕舞いするのと合わせて、損失を出している玉をどうするかも考えておかなければいけません。
放置しておくと、損失が出ている玉のマイナスがどんどん拡大してしまう可能性もあります。
マイナスを最小限にするには、マーケットの動きを見極めながら徐々に売り玉と買い玉のバランスを調整する技術が必要になるため、初心者がいきなり手を出すのは難しいかもしれません。
玉の売り買いバランスを調整する技術については、後述します。
資金量が必要になる
両建てをするには、売りと買いの両方に建玉をする必要があります。
つまり、単純に考えれば2倍の資金量が必要になる、ということです。
さらに、売りで玉を持つ(=空売り)ためには、「信用取引口座」の開設が必要になりますが、開設には最低でも30万円以上の資金が必要で、かつ証券会社での審査にも通過する必要があります。(審査基準は証券会社ごとに若干異なるようです)
以上の事から、最低でも30万円の資金が必要になるため「少額から投資を始めたい」と考えている人には、いきなり両建ての手法を活用したトレードを実現するのは難しいかもしれません。
両建てを活用して、リスクヘッジをしながらさらに上の利益を狙うトレード方法とは
両建てを活用した、リスクヘッジをしたトレード方法とは、「建玉の操作」と呼ばれる手法を駆使したトレードになります。
建玉の操作とは、簡単に言うと「空売り」と「買い」のバランスを調整して、リスクヘッジをしながら利益を最大化させていくための手法です。
これは、当サイトを監修していただいている「相場師朗(あいばしろう)先生」が得意としている手法でもあります。
建玉の操作を行うことで、両建てと同様に資金とメンタルのリスクを最小限にしながら、マーケットにあわせて売り買いの玉のバランスを調整しさらに多くの利益を狙うことも可能です。
建玉の操作をしっかりと、何度も何度も練習しておくことで、上昇トレンド・下降トレンド・トレンドの転換点など、どこでもリスクヘッジをしながら利益を狙っていくことができるようになります。
身に付けるのは苦労する部分ではありますが、「一生使える株の技術を身に付ける」という意気込みがあれば習得することも可能でしょう。
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まとめ
- 損失のリスクヘッジとして、両建ての考え方は役立つ
- 使いこなせるようになるには、練習が必要
- プロトレーダーは「建玉の操作」でリスクヘッジをしながら利益を得ている
いかがでしょうか。
両建てを上手く使いこなせるようになれば、リスクとうまく付き合いながらトレードを継続できるようになります。
さらに、応用を効かせて建玉の操作ができるようになれば、プロトレーダーに一歩近づけるでしょう。
リスクヘッジをしながら安心してトレードができるように、「両建て」について正しく理解して、使いこなせるように練習していきましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。