【初心者向け】一目均衡表の見方をやさしく解説|5本の線と雲の意味がわかる!

【初心者向け】一目均衡表の見方をやさしく解説|5本の線と雲の意味がわかる!

相場の流れを「一目で」把握できる、日本発の革新的なテクニカル分析ツール「一目均衡表」。

5本の線と雲形のチャートで、初心者でも直感的に相場を理解できると注目を集めています。

株価、為替、商品市場など、様々な金融市場で活用されており、特に日本の投資家の間では必須の分析ツールとして定着しています。

1969年に細田悟一氏によって考案され、その後、海外の投資家からも高い評価を受け、世界中で使われるようになりました。

本記事では、複雑に見える一目均衡表の基本的な見方から実践的な活用法まで、わかりやすく解説します。

目次

一目均衡表とは

【初心者向け】一目均衡表の見方をやさしく解説|5本の線と雲の意味がわかる!

一目均衡表は投資家の間で広く使われている技術的分析ツールで、特に日本の金融市場において重要な役割を果たしています。

一目均衡表の説明については下記記事をご参照ください。

一目均衡表とは?初心者でも使いこなせるチャート分析の基本を解説

「一目で相場の流れがわかる」を目指して作られた日本独自の指標

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、日本で生まれた株価や為替の分析方法です。

特徴は、その名の通り「一目(ひとめ)で相場の流れがつかめる」ことを目指して作られている点です。

相場の上がりそうなとき、下がりそうなとき、そして流れが変わりそうなポイントを、グラフの中にある線や雲の形で直感的に把握できます。

特に数字や分析に自信がない人でも、視覚的に判断しやすいため、多くの人に使われています。

欧米の分析法とは違い、日本人が使いやすいように考えられており、長く親しまれているのも特徴です。

5本の線とその組み合わせに”時間と価格のバランス”が含まれている

一目均衡表では、チャートに5本の線が描かれています。

それぞれの線は過去の価格や日数をもとに計算され、未来や過去の位置に表示されます。

この線たちを組み合わせることで、今の値段が高いのか安いのか、買うタイミングなのか売るタイミングなのかが見えてくるのです。

特に、線と線の間にできる”雲”のような部分は、値動きの流れを読み取る手がかりとなります。

単に「今の値段」だけを見るのではなく、「時間」と「価格」のバランスを一緒に考えることで、より的確に相場の動きをとらえることができるのです。

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一目均衡表の基本構成と5本の線の意味

一目均衡表は5本の重要な線で構成されており、それぞれが異なる時間軸と価格の関係性を示しています。

これらの線の意味と使い方を順番に見ていきましょう。

転換線・基準線|短期・中期トレンドの見極めに使う

一目均衡表に登場する「転換線」と「基準線」は、短い期間と少し長めの期間の平均的な価格をもとに作られた線です。

転換線は直近の動きを、基準線はそれよりも少し長い期間の流れを表しています。

この2本の線を比べることで、相場の方向や勢いの変化を読み取ることができます。

例えば、転換線が基準線を上に抜けたら上昇のサイン、逆に下に抜けたら下降のサインとされることが多いです。

つまり、今の値動きが上向きなのか下向きなのかを判断するための手がかりとなる、基本的で重要な線です。

先行スパン1・2|雲を構成する2本の線

先行スパン1と先行スパン2は、チャートの少し先に表示される2本の線で、この2本の間にできる「雲(くも)」が、一目均衡表の大きな特徴です。

この雲は、価格の流れを視覚的にとらえやすくするもので、相場の強さや今後の動きを予測するヒントになります。

例えば、価格が雲より上にあれば上昇傾向、下にあれば下降傾向と判断されることが多いです。

また、雲が厚いほど流れを変えるのが難しいとされ、抵抗帯や支えとなるポイントとしても使われます。

初心者でも雲の形や位置を見るだけで、相場の状態をつかみやすくなります。

遅行スパン|ローソク足との位置関係で相場の勢いを判断

遅行スパンは、現在の価格を過去にずらして表示する線です。

一見すると何の意味があるのか分かりにくいかもしれませんが、実は相場の勢いを確認するのに役立ちます。

例えば、遅行スパンがローソク足より上にあれば勢いが強く、買いの判断材料になることもあります。

また、下にあると勢いが弱く、売りの目安となるでしょう。

相場の「今と過去」を重ねて見ることで、全体のバランスがつかみやすくなります。

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一目均衡表の見方の基本:相場の流れを読む3つの基本シグナル

一目均衡表を使って相場の流れを読む際には、主に3つの基本的なシグナルがあります。

これらのシグナルを理解することで、相場の転換点や継続性をより正確に判断することができます。

三役好転(買いシグナル)の条件と見つけ方

三役好転(さんやくこうてん)は、「買いのタイミング」を示す強力なシグナルの一つです。

このシグナルが発生するには、以下の3つの条件がすべて揃う必要があります。

①転換線(短期)が基準線(中期)を上回っている

②現在の価格が雲の上に位置している

③遅行スパンが現在の価格より上方に位置している

これら3つの条件が同時に満たされると、相場の上昇力が強まっていることを示します。

ただし、これは上昇の可能性を示すシグナルであり、必ずしも値上がりを保証するものではないため、慎重な判断が必要です。

三役逆転(売りシグナル)の条件と注意点

三役逆転(さんやくぎゃくてん)は、相場が下がり始めるかもしれないときに出るサインです。

三役好転の逆の形で、

①転換線が基準線より下

②価格が雲の下

③遅行スパンがローソク足より下

という3つの条件がそろったときに現れます。

このサインが出ると、売りに出す判断材料として参考にされることがあります。

ただし、三役逆転が出たからといって必ず下がるわけではありません。

タイミングが早すぎたり、相場の勢いが弱かったりすることもあるため、他の動きやニュースとあわせて確認することが大切です。

雲抜け|相場が転換する可能性の高まるサイン

「雲抜け」は、価格が雲の中から上や下へ抜け出すことで、相場の流れが変わるかもしれないサインです。

例えば、価格が雲を上に抜けたときは「これから上がるかもしれない」、下に抜けたときは「下がる可能性がある」と見られることが多いです。

ただし、雲が厚いと抜けるのに時間がかかることがあり、逆に薄いとだましの動きも起こりやすくなります。

雲抜けだけで判断せず、他の線や全体の流れと合わせて見ることで、より確かな判断ができます。

特に、雲抜けが起こった後の価格の動きを注意深く観察することが重要です。

雲を抜けた後、再び雲の中に戻ってくる「偽シグナル」も時々発生します。

そのため、雲抜けを確認したら、数日間は様子を見て、本当の相場の転換点なのかを慎重に判断することをおすすめします。

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一目均衡表を使う際の注意点と活用のコツ

一目均衡表を効果的に活用するためには、いくつかの重要な注意点とコツを理解しておく必要があります。

以下では、実際の取引で役立つポイントを詳しく解説していきます。

スピードよりも安定性を重視する

一目均衡表は、相場の大きな流れをじっくりととらえるための道具です。

短期間で売買をくり返す「スピード勝負」にはあまり向いていません。

どちらかというと、「流れがしっかり出てから動く」という安定した判断をサポートしてくれる指標です。

そのため、急な値動きにすぐ反応したい人には少し物足りなく感じるかもしれませんが、逆にだましに引っかかりにくいというメリットがあります。

焦って判断せず、時間をかけてじっくり方向を見極めたい人におすすめの使い方です。

特に株式投資や為替取引において、一目均衡表は中長期の相場展開を予測するのに役立ちます。

日々の小さな値動きに一喜一憂するのではなく、週単位や月単位での大きなトレンドを把握することで、より確実な投資判断が可能になります。

また、雲を形成する先行スパンの計算には26日分のデータが使用されるため、短期的なノイズに影響されにくく、本質的な相場の方向性を見極めやすいという特徴があります。

他のテクニカル指標と組み合わせると精度アップ

一目均衡表はとても優れた分析ツールですが、どんな相場でも完ぺきに判断できるわけではありません。

そこでおすすめなのが、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使う方法です。

例えば「移動平均線」で全体の流れを確認したり、様々な補助的な指標を使うことで、より精度の高い判断ができます。

代表的な指標には、上げすぎ・下げすぎを判断する「RSI(相対力指数)」や、上昇・下降のトレンドの強さを見る「MACD(マックディー)」などがありますが、これらは少し難しい指標

なので、まずは一目均衡表と移動平均線の組み合わせから始めるのがおすすめです。

大切なのは、一つの視点に頼るのではなく、自分が理解できる範囲でいくつかのツールを組み合わせることです。

そうすることで、より安心して売買のタイミングを見つけることができます。

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まとめ

一目均衡表は、日本が誇る独自のテクニカル分析ツールとして、多くの投資家に愛用されています。

5本の線と雲によって構成される独特のチャートは、相場の流れを視覚的かつ直感的に把握することを可能にします。

初心者にとっては最初は複雑に見えるかもしれませんが、基本的な三役好転、三役逆転、雲抜けなどのシグナルを理解することで、相場分析の強力な味方となるでしょう。

ただし、一目均衡表は万能ではありません。

他のテクニカル指標と組み合わせ、じっくりと相場を見極めることで、より確実な投資判断につながります。

相場の「時間」と「価格」のバランスを重視する一目均衡表の考え方は、短期的な利益よりも長期的な相場の流れを重視する投資哲学とも言えます。

この基本を忘れずに活用することで、より安定した投資戦略を構築することができるでしょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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