「日本株ETFってどんな商品?」と疑問に思っていませんか?
投資をはじめたばかりの方にとって、日本株ETFが具体的にどんな商品なのかわからないという方が多いようです。
そこで今回は、日本株ETFの基本的な概要から代表的な商品を詳しく解説します。
本記事を読むと、初心者の方でも日本株ETFとはどんな商品なのか理解できるようになります。
また、日本株ETFをNISAで活用する際のコツについても解説しました。
ぜひこの記事の内容を参考に、日本株ETFについて理解を深めてみてください。
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日本株ETFとは
日本株ETFは、日本の株価指数や特定の業界へ効率的に投資できる金融商品です。
日本株ETFの特徴は、一つの商品を購入するだけで数百から数千の日本企業の株式へ、同時に投資できることです。
たとえば、日本の株式市場全体への投資を個別株投資で行うなら、トヨタやソフトバンクなど1社ずつ株を買う必要があります。
ですが、ETFなら一度の購入で、株価指数に組み込まれた企業すべてに投資できます。
また、ETFは証券取引所で株式と同様に売買できるため、株式市場が開いている間なら好きなタイミングで購入や売却が可能です。
日本株ETFは、投資初心者でも手軽に日本株式市場全体の成長を享受できる便利な投資商品です。
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代表的な日本株ETF
本章では、代表的な日本株ETFとして以下の3つの商品を紹介します。
- 【1306】NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
- 【1321】NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信
- 【1591】NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信
それぞれ解説します。
【1306】NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
信託報酬率 | 純資産総額 | 分配金利回り |
0.0584% | 261,265.5億円 | 2.19% |
※2025年8月15日現在
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信は、東証プライムの主要企業をほぼ網羅したETFで、純資産総額約26兆円を誇ります。
TOPIX(配当込み)に連動する設計で、年率0.0584%と低い運用コストが魅力です。
最低投資金額は32,290円(2025年8月15日時点)からスタート可能で、売買単位は10口となっています。
分配金利回りは2%前後と安定しており、年1回(7月)に分配金が支払われます。
日本株式市場全体への幅広い分散投資を低コストで実現したい投資初心者に適したETFです。
【1321】NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信
信託報酬率 | 純資産総額 | 分配金利回り |
0.10527% | 115,940.8億円 | 1.64% |
※2025年8月15日現在
NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信は、日本を代表する株価指標である日経平均株価(配当込み)との連動を目指すETFです。
売買単位は1口で、2025年8月15日時点の最低購入金額は約44,690円です。
信託報酬率は年率約0.10527%と低水準で、運用コストを抑えながら投資できます。
分配金利回りは約1.6~1.7%で年1回(7月)に支払われます。
日々の取引が活発で流動性が高い点も、投資初心者にとって安心材料です。
【1591】NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信
信託報酬率 | 純資産総額 | 分配金利回り |
0.11% | 18,217.8億円 | 2.08% |
※2025年8月15日現在
NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信は、資本効率やガバナンスなどが高く評価された日本の代表的企業400社で構成されるETFです。
JPX日経インデックス400(配当込み)に連動し、プライム・スタンダード・グロース市場から厳選された優良企業群に投資できます。
信託報酬は年率0.11%で、最低取引金額は約27,935円(2025年8月15日時点)から1口単位で売買可能です。
純資産総額は約1.8兆円を超える大規模ファンドで、分配金は年2回(4月・10月)支払われ、分配金利回りは約2.08%となっています。
質の高い日本企業にバランス良く分散投資したい投資初心者にも適したETFです。
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日本株ETFに投資するメリット
本章では、日本株ETFに投資するメリットを3つ紹介します。
- 手軽に分散投資ができる
- 為替リスクがない
- 情報収集がしやすい
それぞれ解説します。
手軽に分散投資ができる
日本株ETFに投資するメリットとして挙げられるのは、手軽に分散投資ができることです。
日本株ETFには、日経平均株価やTOPIXなど多数の銘柄で構成された商品も多くあり、一本のETFを購入するだけで数百から数千の企業に同時投資できます。
たとえば「TOPIX連動型ETF」を購入すれば、約1,600社以上の日本企業全体に一気に分散投資でき、特定の業種や企業の業績悪化リスクを効果的に下げられます。
個別株投資で分散投資をするなら、数十万円から数百万円必要ですが、ETFなら数万円から実現可能です。
日本株ETFへの投資により、初心者の方でも分散投資によるリスク軽減効果を得ながら、日本株式市場全体の成長の恩恵を受けられます。
為替リスクがない
日本株ETFは、外国株ETFと違い為替リスクを気にせず投資できるメリットがあります。
日本株ETFは日本円ベースで取引されるため、為替変動の影響を一切受けないからです。
たとえば、米国株ETFに投資する場合、円高になると投資元本が目減りしてしまいます。
ですが、日本株ETFは円建てで取引されるため、米国株ETFのように為替変動の影響を受けません。
ただし、株価自体は市場の動きに左右されるため、価格変動リスクは残る点に注意しましょう。
情報収集がしやすい
日本株ETFは、投資判断に必要な情報収集がしやすいメリットがあります。
株価指数の情報は、日々のニュースや新聞、インターネットなどのメディアで広く報道されているからです。
個別企業の詳細な業績分析や財務諸表の読み込みが不要で、日経平均株価やTOPIXの動向をチェックするだけで投資判断の材料が揃います。
たとえば、昼のニュースで「日経平均株価が上昇」と報道されれば、保有する日経225連動ETFにもプラスの影響があるとすぐ理解できます。
このように、投資初心者や忙しい方でも短時間で市場動向を把握できる点が日本株ETFの大きな魅力です。
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日本株ETFを運用する際の注意点
日本株ETFは多くのメリットがある一方で、投資である以上いくつかの注意点があります。本章では、以下の注意点について解説します。
- 元本割れリスクがある
- 取引価格の乖離リスク
- 自動積立投資サービスが利用できない場合がある
それぞれみていきましょう。
元本割れリスクがある
日本株ETFの運用でも、元本割れリスクの可能性があります。
日本株ETFが投資対象とする企業群の業績悪化や、市場全体の下落が発生すると、ETF価格も連動して下がり投資元本を下回る場合があるからです。
たとえば、経済不況や企業の業績悪化により日経平均株価が大きく下落すれば、日経225連動ETFの価格も同様に下落します。
過去には、リーマンショックやコロナショックなどの金融危機で一時的に大幅な下落を経験しました。
そのため、元本割れリスクがあることを前提とし、生活に支障のない余裕資金で投資を行い、長期的な視点で市場の成長を見守る姿勢が大切です。
取引価格の乖離リスク
日本株ETFを売買する際は、取引価格の乖離リスクに注意が必要です。
市場の急激な変動時や注文が集中する時間帯には、ETFの市場価格が本来の価値(基準価額)から離れる場合があるからです。
たとえば、連動する指数が動いていないにもかかわらず、需要の高まりによりETFが基準価額より高値で取引されるケースがあります。
すると、割高な価格でETFを購入することになり、投資効率が悪化する可能性があります。
ETFに投資する際は、直近の取引価格と基準価額の乖離率を必ず確認し、大きく乖離している場合は取引を避けたり指値注文で適正価格での売買を心がけたりするのが重要です。
自動積立サービスが利用できない場合がある
日本株ETFを自動積立で投資しようと思っても、証券会社によっては自動積立サービスが利用できない場合があるので注意が必要です。
投資信託では、多くの証券会社が自動積立サービスを提供していますが、ETFについてはサービス対応の可否が証券会社ごとに異なるからです。
自動積立サービスが利用できない証券会社でETFを購入する場合、毎回自分で買い注文を出す手間が発生するため、投資タイミングを逃すリスクもあります。
定期的な積立投資を予定している場合は、口座開設前に希望する証券会社でETFの自動積立サービスが利用可能か必ず確認しましょう。
利用できない場合は、手動での積立や他の証券会社への乗り換えも検討する必要があります。
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日本株ETFについてよくある質問
日本株ETFについて知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- 日本株ETFをNISAで活用する際のコツは?
- 金利上昇に強い日本株ETFはある?
それぞれ解説します。
日本株ETFをNISAで活用する際のコツは?
NISAで日本株ETFを活用するには、長期運用を意識するのが重要です。
長期運用により、複利効果で運用益を効率的に増やしながら、NISAの非課税効果を活用できるからです。
複利とは、投資で得た利益を再投資すると利益が利益を生む仕組みで、時間をかけるほど効果が大きくなります。
たとえば、毎月3万円ずつ20年間と5年間、年率5%のリターンが期待できる日本株ETFに投資した場合を考えてみましょう。
20年間運用した場合
投資元本:720万円
運用総額:1,233万円
運用益:513万円
5年間運用した場合
投資元本:180万円
運用総額:204万円
運用益:24万円
20年間運用した場合と、5年間運用した場合の利益の上昇率を比較
・20年運用:投資元本720万円→運用益1,233万円(元本の約71%の利益)
・5年運用:投資元本180万円→運用益204万円(元本の約13%の利益)
上記の例からわかるように、長期投資を意識すると複利効果を大きく受けながら非課税メリットを活かし、効率的な資産形成が実現できます。
金利上昇に強い日本株ETFはある?
一般的に、金利上昇局面で強さを発揮する日本株ETFは「銀行株」を中心としたETFが挙げられます。
金利が上昇すると銀行の貸出金利と預金金利の差が拡大し、収益向上が期待できるからです。
銀行株を中心とした日本株ETFは、以下の商品などが挙げられます。
- 【1615】NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信
- 【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信
ただし、上記のETFも価格変動リスクがあり、金利上昇が必ずしも株価上昇に直結するとは限りません。
金利動向だけでなく、銀行業界全体の業績や市場環境も総合的に判断し、自身のリスク許容度を踏まえて投資するのが大切です。
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まとめ
今回は、日本株ETFの概要から代表的な商品などについて解説しました。
日本株ETFは、一つの商品で数百から数千の日本企業に分散投資でき、初心者でも手軽に日本の株式市場の成長を享受できる便利な投資商品です。
分散投資効果や為替リスクのない安心感などのメリットがある一方で、元本割れリスクや価格乖離リスクなどの注意点も理解しておくのが重要です。
ぜひこの記事を参考に、長期的な視点で日本株ETFを活用した資産形成に取り組んでみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。