これから投資を始める方の中には「投資ファンドって何?」「投資信託とどう違うの?」「具体的にどんな種類がある?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで今回は、投資ファンドについて具体的に解説します。
概要だけでなく、メリットや注意点も紹介するので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
投資ファンドとは
まずは、投資ファンドとは何か、投資信託とどのような違いがあるのかについて解説します。
投資ファンドの内容と仕組
投資ファンドとは、複数の投資家から資金を集め、運用のプロが株式や債券、不動産などに分散して投資する運用の仕組みです。
運用で得られた利益は、投資家に還元されます。
投資対象となった企業は、投資ファンドから資金と同時に経営支援などを受けることが可能です。
投資ファンドは「資金調達:企業が投資家から資金を得る」「投資活動:投資家から集めた資金を金融商品で運用する」「資金分配:利益を投資家に分配する」の3つの活動から成り立っています。
50人以上の不特定多数に募集がかけられるファンドは公募型ファンドと呼ばれ、誰でも参加することが可能です。
49人以下の投資家や、金融商品取引法で定められている適格投資家を対象としたファンドは私募型ファンドと呼ばれ、いわゆるプロ向けでありハイリスク・ハイリターンとなっているケースが多いでしょう。
ファンドとは?初心者でもわかる投資信託やヘッジファンドの仕組みを解説
投資ファンドと投資信託の違い
投資信託協会によると、ファンドと投資信託は下記のように定義されています。
一般的には、ファンドは何らかの目的があり、その達成のために資金が集められます。
一方、投資信託は資産運用そのものが目的で、投資家はプロに運用を任せ、得られた利益が分配される仕組みです。
ファンドにはヘッジファンドやベンチャーファンドなどさまざまな種類がありますが、投資信託は金融庁などの監督官庁のチェックや複数の法律(投資信託及び投資法人に関する法律、金融商品取引法など)によって厳格に制限・規制されているため、一定の透明性・信頼性が高いといえます。
投資初心者の方は、まずは公募投資信託から始めるのがおすすめです。
一般的には、ファンドは特定の目的がありその達成のために資金が集められ、プロが管理・運用をします。
投資信託は、資産運用そのものが目的となっており、運用をプロに任せて投資家は利益を還元します。
ファンドの中には様々な種類がありますが、投資信託は監督官庁からのチェックや複数の法律で制限されており、信頼性が高いと言えるでしょう。
初心者の方は、まずは投資ファンドよりも投資信託から始めることをおすすめします。
投資ファンドの種類
投資ファンドには、様々な種類があります。
以下の8つについて、具体的に解説します。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、大口の投資家を対象としたファンドです。
富裕層や機関投資家から資金調達し、最低投資金額は1,000万円を超えるのが一般的でしょう。
投資対象を複数に分散させることでリスクヘッジを行う点や、ハイリターンを狙う点が特徴です。
インフラファンド
インフラファンドとは、投資対象をインフラに絞ったファンドです。
道路や空港、鉄道、発電所などの公共性の高い事業が対象となり、使用料やサービス料などの収益から投資家への分配金が払われます。
アクティビスト・ファンド
アクティビスト・ファンドとは、投資先の企業の価値を高めるため、様々な提案を行うファンドです。
物言う株主とも呼ばれており、特に業績悪化や株価の割安などに陥っている企業に対して行われます。
ベンチャーファンド
ベンチャーファンドとは、ベンチャー企業を対象としたファンドです。
一般的には新規上場を目指し、そのために資金提供とあわせて経営支援などを行います。
バイアウトファンド
バイアウトファンドとは、最終的に企業を売却することでキャピタルゲインを得るファンドです。
未公開企業や業績不振の上場企業が対象となり、投資期間は5年ほどになるケースが多いでしょう。
再生ファンド
再生ファンドとは、業績が悪化している企業を対象に、経営に参画して価値を向上させるファンドです。
最終的には売却してキャピタルゲインを狙い、バイアウトファンドの一種だとカテゴライズされることもあります。
商品ファンド
商品ファンドとは、現物商品の先物取引を対象とした運用を行うファンドです。
貴金属や原油などを扱い、複数の商品先物市場に投資するためリスク分散できる点が特徴となっています。
株式市場などとは異なる値動きをするため、他の金融商品とあわせて利用されるケースも多いです。
不動産ファンド
不動産ファンドとは、マンションやオフィス、ホテルを対象とした運用を行うファンドです。
投資家一人でこれらの不動産を購入するのは金額面から難易度が高いですが、複数の投資家が集まることで少額から参加できる点がメリットでしょう。
家賃収入がインカムゲイン、売却益がキャピタルゲインとなります。
バランスファンドとインデックスファンド
投資ファンドの中では、バランスファンドとインデックスファンドに注目する投資家も多いです。
それぞれどのような特徴があるのか、具体的に解説します。
バランスファンドとは
バランスファンドとは、複数の投資対象を組み合わせるファンドです。
株式、債権、不動産、現物など、同時に様々な対象を取り扱います。
国や地域もばらけさせ、政変やクーデターなどが起きても大損失になりにくいです。
少額から投資できる点もメリットでしょう。
また、各資産の価格変動にあわせて、ファンド内の資産配分を調整したり、目標リスクに応じた資産配分にすることをリバランスと呼びますが、これをプロに任せられる点も魅力の一つです。
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、特定の指標と同じような値動きを目指すファンドのことです。
参考とされる指数には、日経平均株価、ダウ平均株価、債権指数、リート指数、コモディティ指数などがあります。
インデックスファンドは値動きが明確で、投資成果がわかりやすい点がメリットです。
また、分散投資ができ、運用コストも低いため、多くの投資家が実践しています。
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投資ファンドのメリット
投資家にとって投資ファンドを活用するメリットは何か、具体的に3つを解説します。
分散投資が容易
投資ファンドは単一の商品に投資するのではなく、株式や債券など分散します。
そのため、リスク分散できる点がメリットです。
投資先の国もわけることで、一つの投資先の価格が下がっても全体として大きな損失に繋がりにくいといえます。
運用をプロに任せられる
投資ファンドでは、市場の専門家であるファンドマネージャーに運用を一任できます。
そのため、知識や経験が不足している投資初心者の方でも利益を上げやすいでしょう。
また、仕事などで忙しく運用の時間を取れない方にとっても市場分析などを行う手間が省けます。
少額から投資できる
種類にもよりますが、投資ファンドは少額から投資できるものも多いです。
そのため、まとまった資金がなくても投資を始められます。
投資経験が浅くあまり大金を使えない方でも、お試しとして数万円から挑戦可能です。
投資ファンドのデメリット
投資家にとって投資ファンドを活用するデメリットは何か、具体的に3つを解説します。
市場平均を下回る運用成績になるリスクがある
ファンドマネージャーは個人投資家では難しい情報収集や分析を行っており、スキルが高いですが、それでも確実に常に利益をあげられるわけではありません。
場合によっては、TOPIXなど市場平均を下回る成績になることもあるでしょう。
市場全体が上昇している中で自分が資金を出した投資ファンドの成績が芳しくないというケースもあります。
運用の自由度が低い
投資家はファンドマネージャーに対し、具体的な投資先や運用方法について指示できません。
自身の役割はあくまで資金を出すだけで、その後の運用は一任することになります。
特定のテーマについて投資をしたくても、合致するファンドがなければ実現できません。
諸費用がかかる
投資ファンドを利用する際は、投信報酬や運用管理費などがかかります。
ファンドによっては購入時・解約時にも手数料がかかることがあるため、注意が必要です。
まとめ
今回は、投資ファンドについて解説しました。
投資ファンドは、一定の目的に対して資産の運用を行うため、大きな利益が出ることもありますがリスクも高くなりがちです。
一方、投資信託は運用に法律規制がかかっているため透明度は高いと言えますが、大きな利益は出にくい仕組みになっています。
ぜひ2つを比べて、自身に合っている投資方法を選んでみてください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。