インデックス投資はおすすめしない?やめた方がいいと言われる理由と向いている人の特徴を解説

インデックス投資はおすすめしない?やめた方がいいと言われる理由を解説!

「インデックス投資はおすすめしない」「やめた方がいい」と聞いたことはありませんか?

一方で、多くの投資家や専門家は「初心者こそインデックス投資」と口をそろえます。

結論からいえば、インデックス投資には「向いていない人」も一定数存在するためです。

本記事では、なぜ“おすすめしない”と言われるのか、その背景とデメリット、そしてどんな人に向いているのかを整理して解説します。

最後に、インデックス投資を検討する際に押さえるべき注意点も紹介します。

   
目次

インデックス投資とは?まずは仕組みを簡単におさらい

インデックス投資とは、日経平均株価やS&P500など「市場全体の値動き」に連動するように設計された投資手法です。

個別株のように企業を選ぶのではなく、市場全体を買う=分散投資を自動的に実現できるのが特徴です。

投資信託やETF(上場投資信託)を通じて少額から投資でき、長期的な資産形成を目指す人に広く利用されています。

ただし、“リスクを抑えられる=必ず儲かる”わけではなく、市場そのものが下落すれば損失を被る点には注意が必要です。

投資初心者にはインデックス投資がおすすめ

ネットで調べると「インデックス投資はおすすめしない」「やめたほうがいい」といった記事がいくつも掲載されています。

しかし、基本的にインデックス投資はおすすめです。

分散投資ができてリスクを抑えられることや、投資の手間がかからないことなど、多くのメリットがあります。

また、少額から取引を始められるため、「少しずつ投資にチャレンジしてみたい」という初心者の方にも向いています。

そんな中でなぜ「インデックス投資はおすすめしない」と言われているのか、理由を解説していきます。

インデックス投資が向いている人の特徴

  • コツコツ資産を増やしたい人

  • 投資の知識や時間が少ない人

  • 長期的に資産形成を考えている人

インデックス投資は、短期ではなく10〜20年単位での成果を目指す投資法です。

「市場全体に賭ける」という考え方を受け入れ、焦らず積み立てを継続できる人に向いています。

インデックス投資をおすすめしない人の3つの特徴

インデックス投資は基本的におすすめですが、以下に当てはまる方は避けた方がよいでしょう。

  • 数十万円以上のリターンを求めている人
  • 元本割れを絶対に避けたい人
  • 自分で投資判断をしたい人

それぞれについて、具体的に解説します。

数十万円以上のリターンを求めている人

インデックスファンドの平均利回りは、5%と言われています。

そのため、「投資で一気に大きく稼ぎたい」「一度の取引で数十万円以上を儲けたい」という方には、インデックス投資は向いていません。

ファンド比較

この図の通り、インデックス投資は市場の動きと連動しており、小さな上昇と下降を繰り返しています。

指標を表わす黒点線と、インデックス投資を表わす赤線は、大きくずれていないことがわかるでしょう。

一方で、アクティブ投資を表わす青線は、指標を大きく上回ることもあれば、大きく下回ることもあります。

つまり、大きく利益を得るチャンスと大損失を出すリスクの両方をはらんでいるのです。

FXのように激しい乱高下が起こるものではないため、一気に利益を上げたい方は別の投資方法を検討してください。

とはいえ、大きなリターンがないというのは、大きなリスクもないことを指しています。

長期的な観点で安全に、コツコツ資産を形成していきたい方にはうってつけの投資です。

元本割れを絶対に避けたい人

インデックス投資では、元本割れするケースがあります。

可能性は低いものの、運用が上手くいかなければ損益が出てしまうこともゼロではありません。

しかし、アクティブ投資と比べるとインデックス投資は元本割れのリスクが低いです。

事実、日経平均株価やNYダウ平均などは小さく上昇・下降を繰り返しながら、長期的には上昇傾向にあります。

また、元本割れを絶対に避けたい場合は、投資ではなく定期預金などで資産形成する方がおすすめです。

投資でコツコツ増やしたいか、利益が小さくてもリスクをゼロにしたいかを検討してみてください。

元本割れとは?リスクや新NISAで元本割れを回避する方法を解説

自分で投資判断をしたい人

インデックス投資は運用判断をプロに任せるため、自分自身での投資判断は不要となります。

この点を「面白みがない」と感じる方は、アクティブ投資の方がおすすめです。

一方で、まだ投資について知識が浅い初心者の方には、市場動向や個別銘柄をリサーチしなくてよい分、アクティブ投資よりもがハードルが低いと言えるでしょう。

また、リサーチやデータ分析に時間を割けない多忙な方も、運用が簡単で投資判断が求められないインデックス投資が向いています。

インデックス投資をおすすめしない3つの理由

インデックス投資には様々なメリット・デメリットがありますが、特に以下の理由から「インデックス投資はおすすめしない」と言われています。

  • アクティブ投資のように短期的に儲からない
  • 保有コストがかかる
  • 投資商品が少ない

これらについて、詳しく解説していきます。

アクティブ投資のように短期的に儲からない

アクティブ投資は一定の指標を超える成績を目指しますが、インデックス投資は指標となるインデックスに連動して運用します。

そのため、得られるリターンもインデックスが基準となり、短期的に大きく利益を上げることはありません。

とはいえ、インデックス投資は長期的に運用することで利益を上げやすいというメリットがあります。

「ハイリスク・ハイリターンで勝負をしたいならアクティブ投資」「長期的な目線でじっくり資産形成したいならインデックス投資」と使い分けるようにしましょう。

株式投資をするなら「長期」と「短期」どっち?12項目で徹底比較

保有コストがかかる

インデックス投資は投資信託を保有するため、保有コストとして信託報酬という手数料がかかります。

手数料はファンドによって異なるため、事前にリサーチが必要です。

しかし、基本的には1%以下に設定されていることが多いため、さほど大きな支出にはなりません。

例えば楽天インデックスは0.0561%、SBIインデックスは0.1102%、野村つみたては0.209%となっています。

パーセンテージはファンドのHPなどに記載されているため、必ず調べましょう。

投資商品が少ない

現在、インデックス投資の種類は1万を超えていると言われていますが、そのすべてが投資対象になっているわけではありません。

知名度のあるインデックスに連動した商品だけに限られており、選択肢はあまり広くないでしょう。

アクティブ投資の商品と比較すると、商品の種類は非常に少ないです。

ただし、投資は商品が多ければ多いほどよいわけではありません。

商品が多いということは、裏を返せば「膨大な選択肢から一つを選び抜かなくてはならない」ということになります。

だからこそ、特に初心者の方には初めから選択肢が限られているインデックス投資がおすすめです。

インデックス投資で失敗しないための3つのポイント

インデックス投資にチャレンジしてみたいと考えている方は、以下のポイントを押さえてください。

  • リスク許容度を設定しておく
  • 海外の株式投資に対するリスクを理解しておく
  • 長期的な資産形成を目指す

これらをしっかり理解しておくことで、損失リスクを最小限にできます。

リスク許容度を設定しておく

インデックス投資を行うにあたり、リスク許容度を設定しましょう。

リスク許容度は、「自分が投資を通じて損失をどの程度受け入れるか」を指しています。

特に投資初心者の方は「自分の資産が減っていく」ことに対し焦りを感じ、拙速な判断をしてしまうことが多いです。

リスク許容度を検討する際は、投資目標をベースにしましょう。

何歳までにどの程度の資産を形成したいのか決めることで、どこまでの目減りを許容できるか逆算できます。

また、資産の何割を投資に回すかによっても変わります。

保有資産が2000万円の方が100万円を投資するのであれば、ある程度のリスクを取ることは可能です。

しかし、保有資産が300万円の方が100万円を投資するのであれば、リスク許容度は小さくしておくことが必要になります。

自身の保有資産とのバランスを考えて設定してください。

海外の株式投資に対するリスクを理解しておく

リスク一覧

海外の株式に投資する際には、いくつかのリスクがあることを理解しておきましょう。

例えば、為替相場が変動することにより、円換算で損益が発生する可能性があります。

また、新興国への投資ではクーデターや政治体制の変化などのリスクも考慮が必要です。

もちろん、投資先の企業の価格変動が起きたり倒産したりするケースもゼロではありません。

大切なのは、「リスクをがあるから投資をしない」と判断するのではなく、リスクを承知したうえで運用することです。

株式投資におけるフィボナッチとは?初心者でもできる使い方を解説

長期的な資産形成を目指す

上記の通り、インデックス投資は短期的に大きな利益を狙う投資ではありません。

あくまでも、長い期間をかけて少しずつ資産形成をするという意識を忘れないようにしましょう。

こういった意識を持っていないと、直近の値動きに動揺して損失につながる可能性があります。

ポイントとして、直近で必要になる資金は使わず、長く寝かせておける資金を使って運用してください。

また、いつまでインデックスファンドを運用するか始めに目標を決めておき、それまでは多少の損益が出ても許容することを心がけましょう。

よくある質問Q&A

Q1. インデックス投資は本当に儲からないのですか?

A. 短期的に大きく儲かることは少ないですが、長期的に見ると安定的な成長が見込めます。

リスクを抑えてコツコツ資産を増やしたい人には向いています。

Q2. 元本割れはどれくらいの確率で起こりますか?

A. 市場全体が下落すれば一時的に評価額が減りますが、10年以上保有すれば回復傾向が見られるケースも多いです。

Q3. アクティブ投資との違いは?

A. アクティブ投資は個別銘柄を選び、市場平均を上回ることを目指す運用です。

一方、インデックス投資は「平均点を狙う」安定型の運用方法です。

まとめ

インデックス投資が「おすすめしない」と言われるのは、“投資目的と期待値のズレ”が原因です。

短期で利益を狙いたい人、リスクを一切取りたくない人、自分で積極的に判断したい人にとっては不向きでしょう。

しかし、長期でコツコツと資産を増やしたい人にとっては、有効な手段の一つです。

インデックス投資そのものが良い・悪いではなく、「自分の投資目的に合っているか」を基準に考えることが重要です。

焦らず時間を味方につけ、少額からでも継続していくことで、インデックス投資の真価を実感できるでしょう。

株を1万円から始めるならこのルート!初心者でも少額から始められる株式投資

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

執筆書籍はこちら!

公式Xはこちら!

公式Instagramはこちら!

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

家計カルテ診断
目次