投資信託の売り時はいつ?後悔しない売却タイミングと判断基準をわかりやすく徹底解説!

投資信託の売り時を見極める方法!最適なタイミングを解説

投資信託は長期保有が基本と言われますが、ずっと持ち続けることだけが正解ではありません。

運用益が出ているときは「もっと上がるかも」と欲が出ますし、逆に値下がりすると「これ以上損をしたくない」と不安になるものです。

結局のところ、投資信託をいつ売ればいいのかという問いに対する答えは、あなた自身のライフプランと投資の目的に隠されています。

世の中の相場に振り回されるのではなく、自分なりの売却ルールを持っておくことが、資産運用を成功させる最大の秘訣です。

本記事では、投資信託の売り時を見極めるための判断基準や、新NISA制度を賢く活用した出口戦略について、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。

【初心者向け】資産運用の正しい勉強方法!何から勉強するべきか徹底解説

   
目次

投資信託を売却する前に知っておくべき基本ルール

投資信託を売却しようと決める前に、まずはその仕組みを正しく理解しておく必要があります。

株式投資とは異なり、投資信託には独特のルールが存在するからです。

リアルタイムで売買できないブラインド方式の仕組み

投資信託の売却で最も注意すべき点は、注文を出した瞬間に売却価格が決まらないことです。

これをブラインド方式と呼びます。

投資信託の価格である基準価額は1日に1回しか更新されず、しかも売却注文を出したその日の夜、あるいは翌日の夜に決定する価額が適用されます。

つまり、画面に表示されている現在の価格で売れるわけではないという点に注意が必要です。

相場が激しく動いている時期は、注文を出してから価格が確定するまでのわずかなタイムラグで、想定していた利益が削られてしまう可能性もあります。

売却を検討する際は、数パーセントの価格変動は織り込んだ上で、余裕を持って判断することが大切です。

売却にかかるコストと税金の基礎知識

投資信託を売却する際には、手数料や税金が発生します。

まずコスト面では、信託財産留保額というものがあります。

これは投資信託を途中で解約する際に、残された投資家との公平性を保つために支払うペナルティのような手数料です。

最近ではこの費用がかからない商品も増えていますが、保有しているファンドの目論見書を必ず確認しましょう。

また、利益に対しては通常20.315パーセントの税金がかかります。

例えば10万円の利益が出た場合、手元に残るのは約8万円弱になる計算です。

ただし、NISA(少額投資非課税制度)の口座で運用している場合は、この税金が一切かかりません。

特定口座を利用している場合は、源泉徴収ありの設定にしていれば確定申告の手間は省けますが、利益の約2割が差し引かれる事実は重く受け止めるべきでしょう。

売却から現金が手元に届くまでの日数

投資信託を売却して、実際に現金が銀行口座や証券口座の買付余力に反映されるまでには、通常4営業日から1週間程度の時間がかかります。

海外の資産に投資しているファンドの場合、現地の休場日が重なるとさらに日数が伸びることも珍しくありません。

「来週の支払いに使いたいから今すぐ売りたい」と思っても、即座に現金化できないのが投資信託のデメリットの一つです。

資金が必要な時期があらかじめ分かっている場合は、スケジュールに十分な余裕を持って売却手続きを進めるようにしましょう

投資信託を長期保有するデメリットとは?

ライフイベントに合わせた戦略的な売り時

多くの投資家にとって、投資信託を売る最大の理由は「お金が必要になったとき」です。

投資はあくまで人生を豊かにするための手段であり、目的ではありません。

目標とする時期に到達したとき

投資を始めたときに「10年後の子供の大学入学資金にする」「15年後の住宅購入資金にする」といった期限を決めていたのであれば、その時期が最大の売り時です。

たとえその時の相場が絶好調で、持ち続ければもっと増える可能性があったとしても、当初の目的を優先すべきです。

資産運用において最も避けたいのは、お金が必要なタイミングで暴落に巻き込まれ、必要な資金が用意できなくなることです。

目標とする時期の2年前から3年前くらいになったら、少しずつ売却を進めて現金化していく、あるいは値動きの少ない資産にシフトしていくといった守りの姿勢が重要になります。

必要とする目標金額を達成したとき

時期ではなく、金額を基準にする方法も非常に有効です。

「老後の資金として2000万円貯める」「車の買い替え費用として300万円用意する」といった明確な数字がある場合、その金額に到達した瞬間に売却を検討しましょう。

目標金額を達成した後に「もう少し欲張ってみよう」と考え、結果的に利益を減らしてしまうのは投資初心者にありがちな失敗パターンです。

目標を達成したということは、その投資はすでに大成功を収めたことになります。

潔く利益を確定させ、次のステージに進む勇気を持つことが、長期的な資産形成においてプラスに働きます。

ライフスタイルの変化で現金が必要になったとき

人生には予期せぬ出来事がつきものです。

急な病気や怪我、失業、あるいは結婚や出産といった喜ばしい変化まで、まとまった現金が必要になる場面は多々あります。

そのような場合、投資信託を売ることに罪悪感を覚える必要はありません。

「長期投資が基本だから、今売るのはもったいない」と無理をして借金をしたり、生活を切り詰めすぎたりするのは本末転倒です。

投資信託はあくまであなたの生活を支えるための予備費でもあります。

必要な時に必要な分だけ切り崩して使うというのは、投資家として非常に健全な判断と言えるでしょう。

投資信託における手数料の罠

ポートフォリオのリバランスによる賢い売却

投資のプロが最も頻繁に行う売却が、このリバランスを目的としたものです。

これは利益を最大化するだけでなく、リスクをコントロールするために不可欠なプロセスです。

資産配分の偏りを修正するタイミング

投資信託を複数保有していると、時間の経過とともに資産配分(アセットアロケーション)が崩れていきます。

例えば、株式型と債券型のファンドを50パーセントずつ持っていたとしても、株式市場が好調であれば、いつの間にか株式の割合が70パーセントに膨らんでいることがあります。

株式の割合が増えるということは、それだけポートフォリオ全体のリスク(値動きの幅)が大きくなっていることを意味します。

この場合、増えすぎた株式型ファンドを売却し、その資金で債券型ファンドを買い増すことで、元の50パーセントずつの配分に戻します。

これがリバランスです。

この「上がったものを売る」という行為こそが、結果として高値掴みを避け、安値で買うサイクルを生み出します。

投資方針の変更や商品の見直し

投資を続けていく中で、自分のリスク許容度や投資方針が変わることもあります。

若い頃は積極的な運用を目指して株式100パーセントで運用していても、年齢を重ねるにつれて安定性を重視したくなるのは自然なことです。

また、投資信託の世界は日進月歩であり、より信託報酬(管理コスト)が低い優れた商品が次々と登場します。

現在保有しているファンドよりも、圧倒的にコストパフォーマンスが良い新商品が出た場合、既存のファンドを売却して乗り換えることは非常に合理的です。

ただし、売却時に発生する税金や手数料を考慮しても乗り換える価値があるかどうかは、冷静にシミュレーションする必要があります。

分散投資の効果を維持するための利益確定

一つの銘柄や特定のセクター(ITやエネルギーなど)だけが突出して値上がりした場合、その資産の動きがポートフォリオ全体を支配するようになってしまいます。

これは分散投資のメリットを打ち消す危険な状態です。

特定のファンドが目標の割合を大きく上回ったときは、その一部を売却して利益を確定させることを検討しましょう。

これにより、一つの資産の暴落が資産全体に致命的なダメージを与えるリスクを軽減できます。

リバランスによる売却は、感情を排除した機械的なルールとして運用に取り入れるのが理想的です。

相場状況に応じたテクニカルな売り時と損切り

感情に左右されやすい投資家にとって、数値に基づいたルール設定は最強の武器になります。

特に相場が過熱している時や冷え込んでいる時ほど、ルールの存在価値が高まります。

利益確定のルールを事前に決めておく

「何パーセント利益が出たら売る」という利確ルールを決めておくと、売り時を逃すリスクを大幅に減らせます。

例えば、「購入時より20パーセント値上がりしたら半分売却する」といったルールです。

これにより、その後のさらなる上昇による利益も狙いつつ、一定の利益を確実に手元に残すことができます。

投資の世界には「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。

最高値で売ろうと執着せず、ほどほどのところで利益を確定させることが、長く投資の世界で生き残るコツです。

損切りの重要性と基準の設定

投資信託において損切りは不要という意見もありますが、必ずしもそうとは限りません。

特に、投資していた対象の成長ストーリーが崩れた場合は、迅速な損切りが求められます。

例えば、特定の国や地域の経済成長を期待して投資していたものの、政治情勢の変化でその前提が失われた場合などです。

また、「資産の10パーセントを失ったら一旦撤退する」というルールを持っておけば、さらなる大暴落に巻き込まれて資産を半減させるような事態を防げます。

損切りは「負け」を認める行為ではなく、次のチャンスのために大切な資金を守る「戦略的撤退」であると捉えましょう。

初心者が最も損をしやすいのは、価格が下がっているときにパニックになって売る狼狽売りですが、あらかじめ決めたルールに従う損切りはそれとは全くの別物です。

暴落時に売るべきか持ち続けるべきかの判断基準

市場が暴落している時、多くの投資家は恐怖に支配されます。

しかし、積立投資を継続しているのであれば、暴落時は「安くたくさん買えるチャンス」でもあります。

この時、売るべきかどうかの判断基準は、そのお金をいつ使う予定かという点に尽きます。

10年以上使う予定がない資金であれば、一時的な暴落は無視して保有し続けるのが正解であることが多いです。

一方で、数年以内に使う予定がある資金をリスク資産で運用していた場合は、さらなる下落を避けるために一部売却も選択肢に入ります。

相場そのものを見るのではなく、自分のタイムリミットを確認することが大切です。

新NISA制度における最適な出口戦略

2024年から始まった新NISA制度は、従来の制度と比べて売却の自由度が格段に上がりました。

この制度特性を理解することが、現代の投資信託運用における鍵となります。

非課税保有期間の無期限化と売却のタイミング

旧NISA制度には数年という期限があったため、期限が来る前に売るかロールオーバーするかという悩みがつきまといました。

しかし、新NISAでは非課税期間が無期限になったため、「期限が来たから売る」という必要がなくなりました。

これにより、本当にお金が必要になるまで、あるいは目標を達成するまで、何十年でも複利効果を享受し続けることができます。

新NISAにおける売り時は、市場の都合ではなく、完全に「自分の人生の都合」に合わせて決められるようになったのです。

これは投資家にとって極めて大きなメリットと言えます。

非課税枠の再利用を考慮した戦略

新NISAの画期的な点は、商品を売却するとその分の非課税投資枠が翌年以降に復活することです。

これにより、ライフイベントに合わせて一旦売却して現金化し、その後余裕ができたら再び同じ枠を使って投資を再開するという柔軟な運用が可能になりました。

例えば、結婚資金のために300万円分を新NISAから売却しても、翌年以降にまた300万円分の枠を使って投資ができます。

この仕組みがあるおかげで、「一度売ったら非課税の権利を失う」というプレッシャーを感じることなく、必要な時に躊躇なく売却できるようになりました。

資産の取り崩し方法としてのおすすめ

定年退職後などの老後資金として活用する場合、一度に全額を売却するのではなく、定率あるいは定額で少しずつ切り崩していく方法が推奨されます。

これを「出口の積立」と呼ぶこともあります。

毎月一定額を売却することで、基準価額が高いときには少なく、低いときには多く売ることになり、資産を長持ちさせる効果があります。

最近の証券会社では「定期売却サービス」を提供しているところも多いので、こうしたツールを活用して、自動的に売り時を作る仕組みを構築するのも賢い選択です。

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投資信託の売り時に関するよくある質問

Q1. 投資信託を売却するのに最適な曜日はありますか

A. 結論から申し上げますと、投資信託の売却に特定の「最適な曜日」というものは存在しません。

基準価額は市場の動向によって毎日変動するため、月曜日が良い、金曜日が良いといった統計的な優位性はありません。

むしろ、自分が売却を決断したタイミングで速やかに注文を出すことが重要です。

前述の通り、注文から価格確定までタイムラグがあるため、曜日にこだわるよりも、相場の大きなトレンドや自身の目標達成度を優先して判断すべきです。

Q2. 基準価額が下がっているときに売るのは絶対に損ですか

A. 必ずしも損とは言い切れません。

確かに含み損が出ている状態で売却するのは「損失の確定」になりますが、それ以上にその資金を他の有望な資産に振り分けたほうが効率が良い場合や、これ以上のさらなる暴落から資産を守る必要がある場合は、合理的な判断となり得ます。

ただし、一時的な相場の動向に怯えて売ってしまう「狼狽売り」は、長期投資のメリットを台無しにするため避けるべきです。

売却の理由が「恐怖」なのか「戦略」なのかを自問自答してみてください。

Q3. 投資信託の一部だけを売却することは可能ですか

A. はい、もちろん可能です。保有している口数のうち、特定の金額分だけを売る、あるいは何パーセント分だけを売るといった指定ができます。

全額売却して投資を止めてしまうのではなく、目標金額を超えた分だけを利益確定したり、リバランスのために一部を売却したりするのは、非常に賢明な投資手法です。

投資を継続しながら利益を享受できるため、初心者の方にもおすすめの売却方法と言えます。

Q4. 売却益にかかる税金を安くする方法はありますか

A. 最も効果的な方法はNISA口座を利用することです。

NISA口座内での運用であれば、利益に対してかかる約20パーセントの税金がゼロになります。

特定口座(課税口座)を利用している場合は、同じ年の間に他の投資(株式や他の投資信託)で損失が出ていれば、その損失と利益を相殺する「損益通算」を行うことで、支払う税金を抑えることが可能です。

確定申告が必要になる場合もありますが、複数の口座で運用している方は検討する価値があります。

まとめ

投資信託の売り時を見極めることは、買うことよりもはるかに難しいと言われます。

しかし、以下のポイントを意識することで、失敗しない売却が可能になります。

  • 投資信託はブラインド方式のため注文時に正確な価格は分からない

  • 自分自身のライフイベントや目標金額を第一の判断基準にする

  • ポートフォリオのリバランスを定期的に行いリスクを管理する

  • 感情を排除した利益確定と損切りのルールを事前に設定する

  • 新NISAの枠再利用という特性を活かし柔軟に現金化を検討する

投資信託の運用において、最も大切なのは「何のために投資をしているのか」という原点に立ち返ることです。

相場が上昇して含み益が増えると、もっと増やしたいという欲に駆られ、出口を見失いがちになります。

逆に下落相場では、冷静な判断ができず投げ売りしてしまうリスクがあります。

あらかじめ自分なりの売却ルールを決め、それをノートやスマートフォンのメモに残しておきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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