カップウィズハンドルがよくわからない…、と今悩んでいませんか?
株で利益を狙いに行くためにも、さまざまなカップウィズハンドルを使いこなして、チャンスを逃したくはないですよね。
カップウィズハンドルを使えば、今後大きく上昇する銘柄を見つけられます。
一方で、だましに合えば大きく損をしてしまうかもしれません。
少しでも分析の精度を上げるためにも、カップウィズハンドルの条件・見分け方・売買タイミングを覚える必要があります。
そこで今回は、カップウィズハンドルについて徹底解説。
アジア最大級の投資塾である「株塾」を運営する私たちが、株のプロとしてわかりやすくお伝えします。
いまいちカップウィズハンドルがわかっていない方も、ぜひ参考にしてくださいね。
カップウィズハンドルとは
カップウィズハンドルとは、アメリカの投資家「ウィリアム・J・オニール」が提唱しているチャートのパターンです。
チャートの形がコーヒーカップのような形になっており、株価上昇のきっかけをつかむパターンとして活用されます。
またカップの底部分は、実際のチャートでは幅広くなっているパターンも多いです。
下降トレンドから上昇トレンドに大きく切り替わる際に出現することが多いですが、一方でだましもよくあるため注意しましょう。
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カップウィズハンドルが成立する条件
カップウィズハンドルが成立する条件は以下の通りです。
- 30%程度の株価上昇
- 3~6か月かけて12~33%程度下落したあと上昇(U字型)
- 上昇後、1~2週間かけて5~10%下落
- その後の上昇時に、出来高が40~50%以上増加
チャートの形がカップみたい、だけではカップウィズハンドルとは呼べません。
条件をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
30%程度の株価上昇
まず最初に、30%程度の株価上昇から始まります。
株価500円であれば、650円まで上昇すれば30%上昇といえますね。
3~6か月かけて12~33%程度下落したあと上昇(U字型)
30%上昇後、3~6か月かけて12~33%下落した後上昇し、U字を形作ります。
これでカップ本体までが完成です。
あとはこの後取っ手が出現するかどうかで、カップウィズハンドルになるかが決まってきます。
上昇後、1~2週間かけて5~10%下落
U字型の後、1~2週間かけて5~10%下落します。
株価650円であれば、585~618円まで下がっている状態ですね。
その後の上昇時に、出来高が40~50%以上増加
最後に、上昇と同時に出来高が40~50%増加すればカップウィズハンドルの完成です。
今後株価が急騰していくことが予想されます。
【フェーズ別】カップウィズハンドルができる理由
フェーズ別に、カップウィズハンドルができる理由を解説します。
株価が変動するのは、需要と供給のバランスが動いているからです。
投資家たちが「買いたい」「売りたい」と考えているからこそ、カップウィズハンドルのようなパターンとなってチャート上に現れるのです。
カップウィズハンドルが出現するとき、市場はどのように動いているのでしょうか。
最初の上昇:皆買いに走っている
最初の上昇時、投資家たちが買いに走っている状態です。
買いの勢いが強いため、株価が上昇しています。
最初の下落:上昇からの調整
買いの勢いが収まり、一転下落しているときは相場の調整期間です。
ある程度の投資家が利益を確定することにより、売りが増え株価が下落へと転じます。
U字形成:ある程度経ってからの買戻し
売りの勢いが強くなり、割安感が出てくると投資家たちが買い戻しを始めます。
緩やかなU字型を描くのは、投資家が何日もかけてじっくり買戻しをしているから。
時間を空けることでリスク分散しているわけですね。
下落から徐々に上昇へと転じていきます。
2回目の上昇:つられて買いが発生
上昇し始めた株価を見て、投資家たちがつられて買っていくことにより、2回目の上昇が発生します。
今のうちに買えば利益がでるだろうと注目を集めているわけです。
2回目の下落:一部の投資家が不安になって利益確定
前回の高値に近づいたタイミングで、一部の投資家たちは不安になって利益確定し売ります。
売りにより2回目の下落が発生、しかし投資家たちの中には動じず保有し続けるツワモノも多いです。
3回目の上昇:カップの形に気付いた投資家たちが買い増し
カップウィズハンドルになるのでは…と気付いた投資家が買い増しをすることにより、3回目の上昇が発生します。
ここで買います投資家は「カップウィズハンドルで上昇していく」と判断しているため、どんどん買いだけが集まっていきます。
上昇トレンド発生:買い増しが続く
これまでの高値を突破し、買い増しが続いていくことにより上昇トレンドが発生します。
投資家たちはとことん勝つために、買いが買いを呼び、株価は上昇し続けていくのです。
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だましに合わないためのカップウィズハンドルの見分け方
カップウィズハンドルは100%上昇を示すわけではありません。
上昇するどころか、下落してしまうケースもあります。
いわゆる「だまし」に合わないために、カップウィズハンドルの見分け方を覚えておきましょう。
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成立条件を満たしているか
カップウィズハンドルの成立条件を満たしているか確認しましょう。
一つでも多くの条件を満たしているほど、カップウィズハンドルとしての信頼度は高くなるといえます。
逆にただ形がそれっぽいだけで、カップウィズハンドルであると判断しないようにしましょう。
ハンドル部分がカップの上半分で出現しているか
ハンドル部分がカップの上半分で出現しているか確認しましょう。
上半分に収まっていないようであれば、そのまま取っ手を作らずに下落してしまう可能性もあります。
ハンドルが10週移動平均線より上で形成されているか
カップウィズハンドルのハンドル(取って)の部分が、10週移動平均線より上かどうかをチェックしましょう。
下回っている場合、そのままハンドルになることなく下落する可能性もあります。
V字かU字か
カップの底の形にも注目しましょう。
U字ではなくV字に近ければ、それだけ底値からの上昇が急であることを示します。
投資家たちによって何日も買い戻されているわけではないため、カップウィズハンドルが成立する可能性は低くなるのです。
出来高が増えているか
カップウィズハンドルのハンドル部分が完成する最後の上昇時、出来高が増えているか確認しましょう。
出来高が増えていれば、それだけ買い増されているわけですから上昇の可能性は高くなります。
逆に出来高が特に増えていなければ、だましではないかと疑いましょう。
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カップウィズハンドルの買い時
カップウィズハンドルでは、どのタイミングで買うのが良いのでしょうか。
具体的な買い時3つと、実際の具体例を紹介します。
カップの起点である高値をハンドル部分が超えたとき
カップの起点である高値をハンドル部分が超えたときは、買い時だといえます。
カップウィズハンドルが完成している段階であり、今後株価上昇が見込めるタイミングでの買いですから、一気に利益を狙えます。
急上昇の反面、急落する可能性にも注意して追っておきましょう。
ハンドルの底
ハンドル部分の底値も、買い時の一つです。
ただしこれはハンドル部分の底値を予想できる場合であり、そのまま下落してハンドルが完成しないパターンにも注意しなくてはなりません。
早めにカップウィズハンドルを見極める必要があるため、やや上級者向けの買い時です。
急上昇後の戻りを待ってからも一つの手
カップウィズハンドルが完成し、急上昇した後の戻りを待ってから買うのも一つの手です。
ただし、急上昇後に戻るとは限らないため、あくまでも追加での買いとして選択肢に加えておきましょう。
戻らない場合は、無理して買いを追加する必要はありません。
買い時の具体例
買い時の具体例を2つご紹介します。
まずSERIOホールディングス(6567)にて出現したカップウィズハンドルでの買い時です。
取っ手の底部分と、カップの起点である高値をブレイクした段階で買えば、利益を狙えます。
カップ自体も、期間をかけてしっかり形作られていますね。
続いて、ソフトバンク(9434)の例です。
カップウィズハンドルによる上昇からの戻りを待ってから買いを入れれば、利益を狙いに行けますね。
カップウィズハンドルの売るべきタイミング
買うタイミングだけでなく、カップウィズハンドルの売るべきタイミングを覚えましょう。
いくら買い時が上手くいったとしても、利益を確定させる「売り」で間違えば損失につながることもありえます。
売り時3つと、具体例を見ていきましょう。
カップの底値から起点までと同じ値幅まで上昇
カップの底値から起点までと同じ値幅まで上昇したタイミングは、売り時です。
底から起点までの幅と同じだけ上昇すると、そこで上昇トレンドが終わる可能性が高いといえます。
それ以降は下がってしまう可能性を見越して、売っておくわけですね。
ただしそこに到達するよりも株価が下がり始めたら、早めに利益を確定させなければならないこともあるでしょう。
カップよりも前の高値を更新
カップ形成よりも前の高値を更新したタイミングも売り時の一つです。
いわゆる天井に当たって、上昇から下落にトレンドが変わる可能性を見越して売ります。
ただし、直近の高値がどこなのかを見極めなければならないため、初心者にはあまりオススメはしません。
出来高が減少した
出来高が減少したときも売り時であるといえます。
出来高が減少すると、それだけ買いの勢いも弱まっていることを示すため、上昇トレンドが終わる可能性があるのです。
株価だけでなく、出来高にも注目しておきましょう。
売り時の具体例
カップウィズハンドルの売り時を具体例からみてみましょう。
SERIOホールディングス(6567)の場合は、下記の通りとなります。
カップの起点である高値をハンドル部分が超えたときに買っていた場合、594円で買うことになるため、カップの起点から底値までの値幅と同じ位置で売りをすると966円になったタイミングで売りとなります。
つまり372円の利益です。
100株であれば37,200円、1,000株であれば372,000円の利益となるわけですね。
逆のカップウィズハンドルも見逃すな
カップウィズハンドルは上昇のトレンドを示すパターンですから、基本的には買いを入れて利益を狙います。
一方で、逆のカップウィズハンドルも見逃さないようにしましょう。
逆さになったカップウィズハンドルが出現すれば、下落のトレンドを示しているため、空売りから利益を狙いに行けます。
買いだけでなく売りでも利益を取れれば、チャンスは2倍あることになりますよね。
通常のカップウィズハンドルだけでなく、逆さになったパターンにも注目しておきましょう。
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まとめ
カップウィズハンドルは売買タイミングを見極めれば、大きな利益につながる可能性があります。
一方でだましにあう危険もあるため、しっかりと見極めて取引をすることが重要です。
入念に調査し、分析をしたうえで買い時を決めましょう。
損切と利確をどこにするかも事前に決めたうえで、取引をスタートしてくださいね。
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。