「消費税が上がると景気が冷え込んで、株価も暴落するのでは?」と不安を感じていませんか。
結論から言うと、消費税増税そのものが株価を長期的に押し下げるとは限りません。
実は、株取引において消費税がかかるのは「売買手数料」だけで、株の購入額自体は非課税なのです。
本記事では、過去の増税データから読み解く株価の法則や、増税期でも冷静に利益を狙うための具体的な対策を解説します。
株の売買にかかる消費税とは
まず、株の売買には消費税はかかるのでしょうか。
株取引においては、株式の売買手数料に対してのみ消費税が加算されます。
株式の購入価格に対しては、消費税は加算されません。
株を売却して利益が生じた場合、利益に対して20.315%の税金がかかりますが、これは「株式譲渡における譲渡所得税」と呼ばれる税金で、消費税とは別の税金になります。
株式の売買手数料は証券会社によって異なりますが、下記の例でシミュレーションしてみましょう。
手数料が100万円まで487円(税抜き)の場合
まず、現在の消費税8%で100万円の株を買った場合、
- 株式の購入価格:100万円(消費税なし)
- 手数料:487円×8%=税込525円
となります。
次に、消費税が10 %に増税された場合、手数料の税率が2%分あがり、
- 株式の購入価格:100万円(消費税なし)
- 手数料:487円×10%=税込535円
となり、税込み手数料の金額が値上がりしていることがおわかりいただけるでしょう。
消費税増税が株価に与える影響とは

次に、消費税が10%増税された場合、株価にどのような影響があるか考察してみます。
まず、過去に消費税が増税された際の株価の推移を見てみましょう。
株の利益に税金はかかるの?【確定申告が必要な人について解説!】
(1) 1989年4月 消費税導入(3%)
4月の日経平均株価は33,000円ほどでしたが、その後株価は上昇しました。
1989年12月29には、日経平均史上最高値である38,915円をマークしています。
しかしその後、バブルの崩壊により株価は一気に下落していきます。
(2) 1997年4月 消費税増税(5%)
4月の日経平均株価は18,000円ほどでしたが、その後12月には16,000円ほどに下がっています。
1997年は北海道拓殖銀行の破綻や山一證券の破綻など、株価が下がりやすい出来事が続いている年でした。
(3) 2014年4月 消費税増税(8%)
2014年は、有効求人倍率がバブル崩壊後最高値を記録するなど、日本経済は好調でした。
4月に14,000円ほどであった株価は、12月には18,000円越えを記録しました。
過去の歴史を振り返ると、消費税増税そのものよりも、当時の経済状況が株価に大きな影響を与えていたことが分かります。
2014年には消費税が増税されたにも関わらず、経済状況が良かったため株価は上昇しました。
株価を動かすのは、投資家心理が大きく影響しています。
消費税増税により消費減少による景気悪化を懸念して、株価が下がる可能性があります。
しかし、消費税増税による財政再建などを期待して、株価が上がる可能性もあるでしょう。
さらに、過去の増税と株価の関係を見ても分かる通り、経済状況は消費税以外の要素によっても大きく左右されるため、一概に消費税増税が株価に直結するとは言い切れません。
最近では、アメリカのトランプ大統領の貿易関税に関する発言が株価を大きく左右しています。
株価の推移を予測するためには、消費税増税以外のさまざまな要素についても注意深く見ていく必要があるでしょう。
株価の決まり方がわかる!株価が変動する理由と実例も合わせて解説
増税局面でも損をしない!賢い投資家が実践する3つの対策
消費税増税による市場の混乱やコスト増を過度に恐れる必要はありません。
状況を正しく理解し、適切な対策を講じることで、増税というイベントを乗り越えるだけでなく、逆にチャンスに変えることも可能です。
ここでは、初心者が意識すべき具体的な3つのアプローチを紹介します。
手数料の安い証券会社を選び直す
前述の通り、消費税が増税されると売買手数料も連動して上がります。
わずかな差に見えますが、投資信託の積立や個別株の売買を長く続けるほど、このコストの差は複利のように効いてきます。
最近では「売買手数料無料」を打ち出しているネット証券も増えています。
消費税増税をきっかけに、今使っている証券会社の手数料体系が自分にとって最適かどうかを見直してみましょう。
特に初心者の方は、手数料という「確実なマイナス」を減らすことが、増税局面での最も確実な防衛策となります。
NISA(少額投資非課税制度)をフル活用する
消費税そのものを節税することはできませんが、投資全体の「税コスト」を下げることは可能です。
その最強の武器がNISAです。通常、株の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での運用であれば、利益も配当も非課税になります。
消費税が増税されるような局面では、家計の支出が増え、投資に回せる資金が限られてくることもあるでしょう。
だからこそ、限られた資金を効率よく運用するために、税制優遇のある口座を優先的に使うべきです。
制度を賢く利用することで、増税による家計への圧迫を、投資の利益でカバーできる可能性が高まります。
テクニカル分析で「事実」に基づいた売買を行う
「増税だから景気が悪くなるはずだ」という思い込み(バイアス)で動くのは危険です。
市場は時に、個人の予想とは真逆の動きをすることがあります。
そこで有効なのが、株価チャートの動きを分析する「テクニカル分析」です。
株価チャートには、世界中の投資家の期待や不安、そして増税などのあらゆる材料が反映されています。
ニュースに一喜一憂するのではなく、移動平均線や出来高などの客観的なデータに基づいて「今、株価が上がっているのか、下がっているのか」という事実を見る習慣をつけましょう。
これにより、増税直後の短期的な揺さぶりに惑わされることなく、冷静な判断が可能になります。
投資と消費税に関するQ&A
Q1 消費税が増税されると、株の配当金にかかる税金も増えるのでしょうか?
A 配当金にかかる税金は「所得税・住民税」であり、消費税ではありません。
したがって、消費税率が上がったからといって、配当金の税率が連動して上がることはありません。
ただし、国の税制改正によって所得税そのものの税率が見直される可能性はゼロではないため、配当金狙いの投資家は税制全体の動向を注視する必要があります。
Q2 増税が発表された後、株を買うタイミングはいつが良いですか?
A 過去の傾向では、増税直前は駆け込み需要への期待で株価が上がりやすく、増税直後は反動減への懸念で下落しやすい傾向があります。
しかし、実際の株価はもっと早くからこれらの動きを「織り込み」ます。
タイミングを完璧に測るのはプロでも難しいため、一括投資ではなく「積立投資」を利用して時期を分散させるのが、初心者にとって最もリスクを抑えられる賢明な判断です。
Q3 消費税増税に強い業種や銘柄はありますか?
A 一般的に「食品」や「医薬品」など、生活に欠かせないインフラ関連の銘柄は、景気に関わらず需要が安定しているため増税の影響を受けにくいとされます。
また、増税分をしっかりと価格に上乗せできるブランド力を持つ企業(高級ブランドや独自技術を持つメーカーなど)も比較的強い傾向にあります。
逆に、価格競争が激しい100円ショップや薄利多売の小売業などは、利益を削られやすいため注意が必要です。
まとめ
- 株の売買では、売買手数料のみ消費税がかかる
- 消費税増税は株価を動かす一因とはなりうるが、他の要因の方が株価に与える影響は大きい
いかがだったでしょうか?
株の売買では売買手数料にのみ消費税がかかること、消費税増税は必ずしも株価に直結しないことがお分かりいただけたでしょうか。
消費税増税は一時的には株価を下げる要因となるかもしれませんが、長期的には経済状況や投資家心理に左右される可能性が高いでしょう。
株式投資を始めようと考えている方の中には、始めるタイミングを悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
株価は消費税増税などの大きなイベントに関わらず、日々細かな上下を繰り返しています。
テクニカル分析と呼ばれる株価チャートを分析して行う株取引であれば、この株価の動きを利用して、利益を狙うことが可能です。
そのため、時期に関わらずいつでも株式投資を始めることができます。
当サイトでは、テクニカル分析の活用方法や株式投資に役立つさまざまな情報をご紹介しています。
株式投資について興味を持たれた方は、ぜひ当サイトの記事をチェックしてみてください。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。






