「地理が経済にどう関係あるの?」
「地理って地名を覚えるだけじゃないの?」
「地理」というと、中高時代にひたすら地名などを暗記するばかりで、退屈だったというイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。
たしかに教科書の内容を暗記するだけでは、面白くないでしょう。
しかし実は地理は、経済、特に世界経済を理解するうえで非常に重要なものなのです。
実は2022年から、高校で「地理」が必修科目となったことをご存じでしょうか?
高校の社会科系教科では、2022年度から新学習指導要領で「地理総合」が必修となります。
高校の地理歴史科目は1994年度以降、世界史が必修で地理は選択でしたが、2022年度以降は「地理総合」と「歴史総合」が必履修科目となり、さらに選択科目として「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」が設けられるのです。
「あのマイナー科目のイメージだった地理が、必修に!?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
新たに必修化される「地理総合」を学ぶ意義は、「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家、および社会の優位な形成者を育成するため」とされています。
急速にグローバル化が進む現代において、地理知識の重要性が高まっているのです。
地理とは何か
そもそも「地理」とは何なのか、まずおさらいしておきましょう。
地理とは「地球上の理(ことわり)」であり、地球上のできごとや人間の営みすべてを総括しています。
英語では「Geography(ジオグラフィー)」といい、その語源はラテン語の「Geo(地域)」と「Graphia(描く)」からなるとされています。
地理の内容は、土地や農業、工業、人口、交通、気候、都市経済、宗教、言語など、学問の基礎となる「常識」として必要な知識ばかりです。
社会人としておさえておきたい一般教養としても、重要なものだといえるでしょう。
経済と地理の関係とは
では地理は、経済とどのような関係があるのでしょうか。
経済とは、人間の生活に必要なモノを、生産したり分配したり消費する行為に関する社会的関係のことであり、それにともなう金銭のやり取りを指すこともあります。
経済を理解するうえで、地理の要素は密接にかかわってきます。
例えば中学の地理の授業で「太平洋ベルト」について勉強したのを覚えているでしょうか?
関東南部から九州北部に連なる工業地帯のことで、京浜・中京・阪神の3大工業地帯と、北九州の工業地帯を含んでいます。
これらの地域が工業地帯として発達できた理由には、海沿いという立地が大きく関係しています。
日本の経済成長を支えてきた重化学工業は、重たくて大きな製品や原材料が多く、トレーラーや船が行き来しやすい大型港湾の近くが好都合だったのです。
いっぽう半導体などの小さくて軽く、価格も高い製品は、飛行機で運んでも採算が取れるため、空港の近くに精密電子部品メーカーが多く進出しています。
このように地理は、経済に広く深く関係しているのです。
地理とは地名や川や山の名前をただ暗記するような科目ではなく、産業や民族、人口など現代社会に密接に関係する幅広い内容をカバーしているのです。
まとめ
今回の特集記事では、「地理と経済」について詳しく解説しています。
「地理」と「経済」は、一見するとそれぞれ独立した異なる2つの分野のように思われるかもしれません。
しかし実は地理は、地球上のできごとや人間の営みすべてを総括する「地球上の理(ことわり)」であり、経済を理解するために欠かせないものなのです。
人口や気候、宗教や言語など多岐にわたるその内容は、グローバル化が進む現代社会においてその重要性がいっそう増しています。
2022年から高校で「地理」が必修科目となるほど、注目が高まっている分野なのです。
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。