仮想通貨を調べていると、「アルトコイン」という言葉をよく目にしますよね。
ビットコイン以外にもさまざまな仮想通貨が存在しますが、初心者にとっては違いや特徴がわかりづらい部分も多いものです。
この記事では、「アルトコインとは何か」という基本的な定義から、種類・メリット・リスクまでを解説します。
投資を始める前に知っておきたい基礎知識を押さえておきましょう。
アルトコインとは?基本定義をわかりやすく解説
まずは、アルトコインという言葉の基本的な意味と特徴について見ていきましょう。
アルトコインの意味
アルトコインとは、「Alternative Coin」(代替のコイン)の略で、一般的にはビットコイン以外の暗号資産全般を指しますが、厳密には独自のブロックチェーンを持つ通貨を「アルトコイン」、既存のチェーン上で発行される資産を「トークン」と区別することもあります。
ビットコインの仕組みを参考にしつつ、新しい価値や使い方を提案する通貨が次々に登場したため、それらを総称して「アルトコイン」と呼ぶようになりました。
つまり、アルトコインはビットコインの後に登場した第二世代以降の仮想通貨ともいえます。
アルトコインの特徴
アルトコインにはそれぞれが、独自の目的や機能が与えられています。
たとえば、イーサリアムはブロックチェーン上でアプリを動かせる仕組みを作り出し、リップルは銀行間の送金を効率化するための技術として開発されました。
単なる投資対象ではなく、新しいテクノロジーの実験場としての役割も担っているのです。
アルトコインは多様であるからこそ、目的と仕組みを理解してから投資をする必要があります。
ビットコインとアルトコインの違い
ここでは、仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインと、アルトコインとの違いを整理していきます。
役割や目的が幅広い
ビットコインは、2009年に世界で初めて誕生した仮想通貨です。
もともとは「中央機関に頼らず、個人同士で価値を送金できる仕組み」を目指して開発されました。
ビットコインの役割は、デジタル上のお金として機能することです。
一方でアルトコインは、ビットコインの仕組みをもとにしながらも、さまざまな目的や機能を持つ通貨が数多く登場しています。
ビットコインが主に“価値の保存(デジタルゴールド)”を目的とするのに対し、アルトコインは“用途や機能の多様化”を目指して発展しています。
ボラティリティが高い
もう一つの大きな違いは、価格の安定性、いわゆるボラティリティです。
ビットコインは誕生から長い年月を経て多くの投資家に認知されており、時価総額も圧倒的に大きい通貨です。
そのため、ビットコインはアルトコインに比べると値動きは穏やかですが、依然として価格変動は大きく、投資対象としては高リスクである点に注意が必要です。
一方、アルトコインは発行量が少なかったり、特定のプロジェクトやコミュニティに依存していたりする場合が多く、ビットコインよりもさらに価格変動が大きい傾向にあります。
代表的なアルトコインの種類と特徴
ここでは、数あるアルトコインの中でも代表的な種類を5つに分けて紹介します。

プラットフォーム型
プラットフォーム型は、アプリやサービスを動かす基盤となるブロックチェーン上で使われる通貨です。
代表例は「イーサリアム(ETH)」や「ソラナ(SOL)」です。
イーサリアムは、契約や取引を自動で実行できる「スマートコントラクト」という仕組みを持っています。
ソラナは、よりスピーディーで安い手数料を実現しており、最近ではアプリ開発にも注目されている通貨です。
決済・送金型
決済・送金型のアルトコインは、お金を送る・支払うという機能に特化しています。
代表的な例は「リップル(XRP)」や「ライトコイン(LTC)」です。
リップルは、銀行間の国際送金をより早く、安く行うために作られました。
従来の国際送金は数日かかることもありましたが、リップルを使えば数秒で完了できます。
ライトコインは、ビットコインの仕組みをもとにしながらも、送金スピードを上げて少額決済に向くよう改良されていることが特徴です。
ステーブルコイン
ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨と連動させることで価格を安定させる仕組みを持ちます。
多くは法定通貨を担保にしますが、暗号資産担保型やアルゴリズムで調整する型もあります。
代表例は「USDT(テザー)」や「USDC」です。
仮想通貨は価格が上がったり下がったりしやすいですが、ステーブルコインを使うことで、取引の際に一時的に資金を避難させることができます。
ただし、運営企業の信頼性にも左右されるため、必ず安全というわけではありません。
ガバナンス・ユーティリティ型
特定のサービスやプロジェクトの中で投票や利用に使われるトークンです。
代表的なものは「ユニスワップ(UNI)」や「チェーンリンク(LINK)」です。
ユニスワップは仮想通貨の交換を自動で行う仕組みを提供するサービスで、ユニスワップを持っている人は運営方針などの投票に参加できます。
チェーンリンクは、ブロックチェーンの外にあるデータを安全に取り込むことを目的としています。
現実世界とブロックチェーンをつなぐ通訳のような存在です。
ミーム系
ミーム系は、インターネットのジョークや話題から誕生した通貨です。
代表的なのは「ドージコイン(DOGE)」と「シバイヌ(SHIB)」です。
もともとはジョーク的な発想から生まれた通貨ですが、SNSや著名人の影響で人気が高まり、一時的に価格が急騰することもあります。
ただし、価格変動が非常に大きく、コミュニティの勢いに左右されやすいのが要注意ポイントです。
アルトコイン投資のメリット
アルトコインに投資することで得られる主なメリットについて見ていきましょう。
技術革新に触れられる
アルトコインの魅力の一つは、次世代のテクノロジーを体感できることです。
たとえば、イーサリアムが持つスマートコントラクト技術は、契約を自動化できる仕組みとして多くの企業や開発者に活用されています。
こうしたプロジェクトに早い段階で関わることで、技術の成長を応援する参加者としての体験が得られます。
テクノロジーに関心がある人にとっては、投資を通して知識や刺激を得られるメリットがあります。
投資の選択肢が広がる
アルトコインには、送金・決済、アプリ開発、ステーブルコインなど、目的に応じた多様な種類があります。
そのため、投資家は自分の価値観や目的に合わせてコインを選ぶことができます。
株式投資にはないアルトコイン独自の魅力といえるでしょう。
将来性のあるプロジェクトも存在する
アルトコインの中には、将来大きな成長を遂げる可能性を秘めたプロジェクトもあります。
実際、イーサリアムやソラナは開発初期から注目され、長期的に価値を高めてきました。
ただし、すべてのコインが成功するわけではありません。
SNSなどの不確かな情報に振り回されず、信頼できる情報源をもとに長期的な目線で判断することが大切です。
アルトコイン投資のデメリット・リスク
ここからは、アルトコイン投資に潜むリスクについて見ていきましょう。
信頼性が低い
アルトコインの中には、開発チームの情報が不透明だったり、明確な目的がないまま作られた通貨も存在します。
事業計画書が未完成だったり、開発が止まってしまったりすることもあります。
こうした通貨に投資してしまうと、最悪の場合は資産を失う可能性もあるため、信頼性の確認がとても重要です。
公式サイトや開発者情報、提携企業の有無などをチェックして、透明性のあるプロジェクトを選ぶようにしましょう。
下落リスクが大きい
アルトコインは、ビットコインと比べて市場規模が小さいため、少しの売買でも価格が大きく動くことがあります。
たとえば、SNSで話題になった直後に急上昇し、数日後には半分以下に下落するというパターンも珍しくありません。
まずは少額から始めて、市場の動きを観察しながら慣れていくことをおすすめします。
開発チームの存続リスクがある
アルトコインは、特定の開発チームやプロジェクトが中心となって運営されています。
そのため、チームの資金が尽きたり、開発メンバーが離脱したりすると、プロジェクト自体が停止してしまうこともあります。
そうなると通貨の価値もほぼゼロになってしまう可能性があるのです。
投資をする前に、開発が継続しているか、実際に利用されているかを必ず確認しましょう。
初心者が知っておくべきポイント
ここでは、アルトコイン投資を始める前に知っておくべき考え方を紹介します。
アルトコインにはリスクが付きもの
アルトコインには大きな可能性がありますが、そのぶんリスクも高いです。
価格変動が大きく、プロジェクトの情報も流動的なため、「今がチャンス」と感じても焦ってはいけません。
SNSや動画サイトでは成功例を見ることもあるかもしれませんが、その裏には多くの失敗例があります。
アルトコインは一攫千金を狙うものではなく、無理のない範囲でコツコツと理解を深める対象と考えておきましょう。
ビットコインはやめとけ?投資初心者と経験者で違う最適な選択肢とは
長期的に残るのは一部だけ
これまでにも数多くのアルトコインが登場しましたが、長期的に価値を維持しているのはごく一部です。
開発が途中で止まってしまったり、利用者が減って取引が成立しなくなったりするケースも多くあります。
将来性を判断するために、ニュースやホワイトペーパーを確認するなど、自分で調べる習慣を持つようにしましょう。
アルトコインのよくある質問
ここでは、初心者が特によく抱く疑問を3つ取り上げて解説します。
Q1. アルトコインはどこで買えるの?
アルトコインは、国内外の仮想通貨取引所で購入できます。
日本国内では、コインチェック、ビットフライヤー、GMOコインなどが代表的な取引所です。
取扱銘柄は取引所によって異なるため、購入したいコインがある場合は、事前に対応しているかを確認しましょう。
Q2. アルトコインと草コインの違いは?
アルトコインはビットコイン以外の暗号資産全般を指す言葉ですが、草コインはその中でも特に時価総額や知名度が低い通貨を意味します。
いわば、草コインはアルトコインの一部という位置づけです。
草コインは値動きが激しく、短期間で数倍になることもありますが、無価値になるリスクも高いことを押さえておきましょう。
Q3. アルトコインの税制はどうなっているの?
アルトコインの売買で得た利益は、日本では「雑所得」として扱われます。
給与所得などと合算されるため、年間の所得が一定額を超えると確定申告が必要になります。
また、アルトコイン同士の交換でも含み益が確定した時点で課税対象になる点に注意が必要です。
利益が出たかどうかをきちんと記録する習慣をつけておくと、確定申告の際に便利ですよ。
まとめ
アルトコインとは、ビットコイン以外のすべての暗号資産を指す言葉です。
その種類は多く、プラットフォーム型や決済型、ステーブルコインなど、通貨ごとに役割や目的が異なります。
技術的な進化に触れられる一方で、信頼性や価格変動のリスクも伴います。
初心者のうちは、焦らず少額から始め、情報収集を重ねながら仕組みを理解していくことが大切です。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。







