始値の決まり方とは?図解でわかる価格決定のメカニズムとその重要性

始値,決まり方

始値の決まり方がよくわからない…。

そう思って調べてみたものの、専門用語が多くて結局わからず挫折しかけていませんか?

株の始値は板寄せ方式という決まり方になっていますが、板寄せといわれてもよくわかりませんよね。

まずはザックリでも決まり方の全体像をつかんで、そのうえで具体的な決まり方を見ていかないと、初心者には難しい話題なのです。

そんな株初心者のために、始値の決まり方をとことんわかりやすく解説していきます。

アジア最大の投資塾を運営している私たちが、株に興味を持ち始めたレベルの方でもわかるように図解付きでまとめました。

始値の決まり方がわかれば、株式市場についての理解も深まります。

どこよりもわかりやすいようにまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

始値の決まり方|需要と供給のバランスによって決まる

始値の決まり方は、需要と供給のバランスによって決まります。

買い手(需要)が多ければ始値はそれだけ高くなりますし、売り手(供給)のほうが多ければ始値は安くなっていきます。

株式市場が始まるタイミングで、市場に集まった注文を集めて、需要と供給のバランスが取れる価格を決めます。

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その価格が、始値となるわけですね。

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始値は「メルカリで相場が決まる流れ」に近い

始値の決まり方は、「メルカリで相場が決まる流れ」に似ています。

なぜなら、株価もメルカリに出品される商品の値段も、決めるのは取引する人たちだからです。

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メルカリで出品されている商品の値段は、どこかの企業が決めているわけではないですよね。

売りたい人が「いくらなら売りたい」と値段を決めて売っています。

逆に買いたい人は、「買いたい値段がないか」探して、見つかれば買っています。

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最終的には、メルカリで出品される金額がだいたい似通ったものになっていきますよね。

いわゆる相場が決まってくるわけです。

株も実は同じような流れで始値が決まっているのです。

安すぎるものはすぐに売れて、高すぎるものは残っていく

メルカリの場合、安い商品ほど売れて、高い商品ほど残っていきますよね。

売れ残りを抱える出品者は、「もう少し安くすれば売れるかも」と思う人もいれば、「この価格以下では売りたくない」と思う人もいます。

株も同じです。

メルカリに売り手と買い手がいるように、株式投資にも売り手と買い手がいます。

株式市場が始まる前に、前日から買い注文と売り注文がたくさんたまっています。

「200円でも買いたい」「150円で買いたい」「120円で売りたい」「100円でいいから売る」

さまざまな価格で注文が出されているわけですが、「高い価格での買い注文」と「安い価格での売り注文」がまず優先的に取引成立となるのです。

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上記でいえば、「200円でも買いたい」「100円でいいから売る」という人たちから先に取引が成立するわけですね。

できるだけ「安く買える」かつ「高く売れる」価格

高い価格での買い注文はどんどん取引が成立し、安い価格での売り注文もどんどん成立していきます。

そうなればだんだん買い注文と売り注文の価格は近づいていきますよね。

200円で買いたい人と100円で売りたい人がたくさんいても、どんどんその人たちは取引が成立して、最終的に150円で買いたい人と150円で売りたい人が残るわけです。

メルカリでいえば「相場」ですね。

買いたい人にとっては「できるだけ安く買えて」、売りたい人にとっては「できるだけ高く売れる」価格になります。

これが、始値となるのです。

バランスが取れた価格=始値となる

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買いたい人と売りたい人のバランスが取れた価格、それが始値です。

安すぎる価格にも、高すぎる価格にもなりません。

その日の人々が「これくらいが相場だろう」と思った価格に始値は決まっていくのです。

買いたい人がたくさんいて、「もっとお金払うよ」という状態であれば始値はそれだけ高くなります。

逆に売りたい人がたくさんいて、「もっと安く売るよ」という状態になれば始値は下がっていきます。

毎日世の中の状況は変わっていますから、始値もそれだけ変わりやすく、前日の終値より高くなったり低くなったりするわけなのです。

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始値の具体的な決まり方

始値の決まり方についての全体像を把握したら、次は具体的な決まり方についてみていきましょう。

まず理解しておきたいのが、「板」の存在です。

「板」とは、買い注文と売り注文状況がリアルタイムで確認できる情報のことです。

板

左が売り注文の数を、右が買い注文の数を表しており、真ん中がその価格となっています。

上記であれば、「41,510円の売り注文が600」「41,500円の買い注文が700」という状態だと読み取れるわけです。

始値の具体的な決まり方を理解するためには、この「板」が必須です。

ではさっそくどう決まっていくかを段階ごとに説明していきます。

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  1. 取引開始の時間までに注文が集まる
  2. まず成行注文から約定
  3. 指値注文の売買が順に約定
  4. 売買が釣り合うまで約定は続く
  5. これ以上約定させられなくなった価格が始値となる

順にみていきましょう。

取引開始の時間までに注文が集まる

そもそも株式市場で取引できる時間は、9時~11時30分、12時30分~15時までです。

注文は8時から受け付けているため、実際に始まる9時までに買い注文と売り注文が板にたくさん集まってきます。

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取引はまだ開始されずに、ただただ注文が集まっている状態です。

始値もこの時点では決まっていません。

まず成行注文から約定

注文が集まると、順番に約定(取引成立)していきます。

注意したいのが、その順番はルールで決められているということ。

まず「成行注文」から優先的に決まっていきます。

いくらでも買う・売るという注文方法ですから、融通が利きやすいわけですね。

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上記でいえば、成行注文から約定させていくと、売りの成行注文が2000余る状態となります。

指値注文の売買が順に約定

成行注文の次は、指値注文です。

指値注文は、その名の通り値段を指定している注文のこと。

売りの指値注文は安い価格から、買いの指値注文は高い価格から約定していきます。

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上記の場合、余っている成行注文分を、売りの指値注文分に最安値の注文として加えます。

いくらでも売っていいのが成行注文ですから、最安値で売る扱いとしているわけです。

そして売りは安い価格である「99円の売り注文」から、買いは高い価格である「102円の買い注文」から約定させていきます。

売買が釣り合うまで約定は続く

買いと売りの注文が相殺しきるまで約定させていきます。

これ以上約定しなくなるまで相殺を続けるのです。

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上記でいえば、まだ100円の売り注文100がすべて約定するため、さらに相殺させます。

買いの指値注文が700余った時点で、売りの注文が0となります。

売り注文1000は101円で出されていますから、「100円で買うよ」という注文とは約定しません。

これ以上約定させられなくなった価格が始値となる

買いと売りの注文が相殺しきったところが、そのまま始値となります。

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上記でいえば、100円が始値となるわけですね。

これまで約定してきた成行注文・指値注文はすべて100円で約定することになります。

例えば99円で売ろうとしていた人は100円で売却、102円で買おうとしていた人は100円で購入できたわけですから、損をしている人は誰もいません。

こういった流れを経て、始値は決まっているのです。

なお、始値の決まり方は板寄せ方式と呼ばれており、下記3つの条件を満たさなければなりません。

  • 成行注文がすべて約定する
  • 最終的に決まる始値より高い買い注文、低い売り注文がすべて約定する
  • 始値において、売りまたは買い注文のいずれか一方がすべて約定する

ここまでの流れですべて満たしていることがわかりますね。

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まとめ

始値の決まり方は、メルカリの相場が決まる流れに似ています。

買い手と売り手それぞれの需要と供給のバランスによって、始値は決まるのです。

世の中の動向を分析したり、板を見たりすることである程度始値は予想できますが、初心者には難しいといえます。

とはいえ、仕組みを理解しておくと戦略の幅は広がります。

始値の決まり方をしっかりと理解して、日々の投資に活かしてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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