個別株に興味はあるのに、「どこから買えばいいのか」「成行と指値の違いが分からない」と、画面の前で手が止まってしまうことは少なくありません。
口座は作ったものの、その先に進めず放置していたり、SNSで銘柄名を見るたびに焦りつつも、失敗が怖くて踏み出せなかったり……。
本記事では、個別株を買うまでの流れ(入金→注文→約定→保有)を順に整理し、注文方法の考え方や必要資金の見方、買う前に確認しておきたいポイントを、比較と具体例で分かりやすく解説します。
個別株を買うまでの流れ
口座は作ったのに、「次に何をすれば買えるの?」で止まってしまう人は少なくありません。
画面上のボタン操作はできそうでも、約定や受渡といった用語が分からないと、急に不安が強くなりがちです。
ここでは、個別株を買うまでの流れを確認していきましょう。
買付の全ステップと用語を紹介
結論から言うと、個別株を買う流れは「入金→注文→約定→受渡→保有」です。
理由は、株の売買が“市場での取引”として成立するまでに、段階ごとの処理があるからです。
ここで迷う方が多いのは、「注文した=買えた」と思い込んでしまう点です。
用語を最低限つなげると理解が楽になります。
- 注文:買いたい条件を出すこと(価格・数量・注文方法)
- 約定(やくじょう):注文が成立し、売買が決まること
- 受渡(うけわたし):代金と株を正式に受け取る処理(タイミングが決まっている)
- 保有:株を持っている状態。評価損益が日々変化する
補足すると、実際の画面では「買付余力(今すぐ買える金額)」や「注文状況(未約定・約定済)」の表示が出ます。
ここが見えるようになると、購入方法が理解できるようになってきます。
個別株式投資はやめとけと言われる理由は?注意点や利益を出すコツを解説!
アプリで個別株を買うステップ
たとえば、次のような流れで進みます。
- 証券口座に入金する(銀行連携や振込など)
- 銘柄を検索し、「買い」を選ぶ
- 株数(数量)と注文方法(成行・指値など)を選ぶ
- 注文内容を確認して発注する
- 注文状況で「約定」になったか確認する
- 保有画面で株数・取得単価・評価損益が見える
比較すると、初心者が戸惑いやすいのは「発注したのに反映されない」ケースです。
これは、
- 市場が開いていない時間に注文した
- 指値にしていて価格が届かず未約定といった理由で起こりやすいです。
判断のコツは、発注後に「注文状況」を見る習慣をつけることです。
買えていないのか、買えたのかが分かるだけで、余計な不安が減ります。
よくある初回のミスは?
初回で多いのは、操作ミスというより“思い違い”です。
- 買付余力:入金した金額=全部使える、とは限らない表示になっていることがある
- 受渡日:取引が成立しても、正式な受渡のタイミングが別に表示されることがある
- 数量:1株だと思ったら100株単位だった、など単位の取り違え
初回は、発注前に「数量」「概算金額」「注文方法」の3点を声に出すくらいの確認がちょうどいいです。
全てを理解してから進めるのは、いつまでも購入ができないので、初回は確認ポイントを絞るのがおすすめです。
ミニまとめ
買う流れは「入金→注文→約定→受渡→保有」です。初回は「注文=買えた」と勘違いしやすいので、注文状況で約定を確認する習慣を付けるとよいでしょう。
次は、最も迷いやすい「成行・指値・逆指値」を道具として整理します。
注文方法の基本とは?成行・指値・逆指値
注文画面で「成行・指値」と出た瞬間、急に難しく感じて手が止まることがあります。
なんとなく「成行は危ない」「指値が正解」と思い込むと、逆に判断がブレやすくなります。
ここでは注文方法を“性格の違う道具”として整理し、状況別に選べるようにします。
では、まず仕組みをつかみましょう。
成行・指値・逆指値の仕組み
結論から言うと、成行は「価格を指定せずに買う」、指値は「この価格なら買う」と決める注文です。
理由は、売買が成立する条件をどこまで自分で固定するか、という違いがあるからです。
ここで迷う方が多いのは、「どっちが安全か」という一択で考えてしまう点です。
- 成行:価格は市場に任せる代わりに、成立しやすい
- 指値:価格を固定できる代わりに、成立しないことがある
逆指値は「損切り専用」と思われがちですが、「ある条件を満たしたら注文を出す仕組み」と考えましょう。
- 逆指値(条件注文):ある価格に到達したら、あらかじめ決めた注文を出す(買いでも売りでも使われることがある)
指値注文とは?意味・成行注文との違い・使い方を初心者向けに徹底解説
同じ銘柄を「成行 vs 指値」で買った場合の違い
たとえば、ある銘柄が「いま2,000円前後で動いている」とします。
- 成行で買う:その時点で市場にある売り注文とぶつかり、比較的スムーズに約定しやすい
- 指値で買う:たとえば「1,980円なら買う」と置くと、価格がそこまで下がらない限り約定しない
成行のメリットは「買えた/買えていない」という不確実性が小さくなる点です。
ただし、短時間で価格が動く場面では、想像していたより少し高い価格で約定することもあります。
指値のメリットは「この価格なら納得できる」という線を引けることです。
しかし、価格が届かなければ注文が成立せず、機会を逃したように感じて焦りが出ることもあります。
判断の違いはここです。
- 「今日は買うこと自体を優先したい」なら、成立しやすさを重視する考え方になる
- 「この価格で買いたい」にこだわるなら、指値で待つ設計になる
どちらが正解というよりも、何を固定して、何を市場に任せるかの選択だと捉えると、迷いは減っていきます。
初心者ほど気を付けるべきポイント
注文方法は、相場の状況によって「想定との差」が出やすい点に注意が必要です。
とくに次のような場面は、初心者ほど気を付けるべきポイントになります。
- 流動性(出来高)が小さい銘柄は、成行で約定価格が飛びやすい場面がある
- 寄付き(取引開始直後)や引け(終了間際)は価格が動きやすく、思った条件とズレることがある
- 指値は、置き方によっては「ずっと約定しない」状態が続く
落ち着いて対策するなら、注文を出す前に
- その銘柄の出来高が極端に少くないか
- 指値が“いまの価格”から遠すぎないかを一度だけ確認するのが実用的です。成行・指値のどちらでも、確認ポイントを持つと過度に怖くなりにくいです。
ミニまとめ
成行は「成立しやすさ」、指値は「価格を固定できる点」がそれぞれの強みです。
逆指値は「条件を満たしたら注文を出す」仕組みと覚えておきましょう。
次は、実際にいくら必要かを計算し、株数を決める型を作ります。
いくらから買える?必要資金と株数の決め方
「とりあえず少額で…」と思っても、実際にいくら必要なのか分からないと踏み出しづらいですよね。
株価だけを見て「買えそう」と感じたのに、数量を入れたら足りなかった、というのも初心者によくあるつまずきです。
ここでは、必要資金の見積もり方と株数の決め方を“型”として整理します。
では、まず単元と端株の考え方から見ていきましょう。
単元・端株・買付余力と必要資金
必要資金は「株価×株数」が基本で、そこに購入単位(単元)や手数料の影響が加わります。
理由は、株は“何株買うか”で必要な金額が大きく変わるからです。ここで迷う方が多いポイントが「単元株」です。
- 単元株:多くの銘柄は100株単位で買う(例:1株2,000円なら100株で20万円)
- 端株(単元未満株):1株や数株から買える仕組みを用意している証券会社もある
- 買付余力:今すぐ買いに使える金額の表示(入金額と同じとは限らないことがある)
補足すると、NISA枠で買うかどうかは「税制上の枠」の違いであり、注文方法や株数の入力といった操作自体は大きく変わらないことが多いです。
ただし、注文途中で口座区分(NISA口座/特定口座など)を選ぶ画面が出るため、そこで混乱しやすい点だけ事前に知っておくと安心です。
株価2,000円の銘柄を100株/10株で買う比較
株価が2,000円の銘柄で比べてみます。
- 100株(単元):2,000円×100株=20万円(+手数料など)
- 10株(端株が使える場合):2,000円×10株=2万円(+手数料など)
比較すると、必要資金だけでなく“値動きの体感”も変わります。
仮に株価が100円動いた場合、
- 100株なら評価の増減は1万円
- 10株なら評価の増減は1,000円
というように、同じ値動きでも受けるインパクトが違います。
判断としては、初回は「注文から保有までの流れに慣れる」ことを目的に置くと、株数の設計がしやすくなります。
いきなり大きな金額を張るよりも、値動きが出たときに自分がどう感じるかまで想像して株数を決めると、買った後のブレが減りやすくなります。

数量入力ミス/手数料・スプレッドの見落とし
初回の失敗で多いのが、数量入力のミスです。1株のつもりで入力したら100株になっていた、逆に100株必要だと思い込んで最初から諦めてしまった、など「単位」のズレが起点になるケースがよくあります。
発注前に「株数」と「概算金額」をセットで確認するだけでも、防げるミスはかなり減ります。
もう一つは、費用の見落としです。手数料は証券会社や取引方法によって異なり、端株取引では条件が変わることもあります。
また、銘柄やタイミングによっては、買値と売値の間に差が出やすく、スプレッドのように感じる場面もあります。
価格が動きやすい時間帯ほど、「思った価格で成立しない/しにくい」という体験が起こりやすくなります。
不安を増やさないコツは、最初から全部を理解しようとせず、
- “この株数だといくら必要か”
- “どの注文方法で出しているか”の2点だけは、毎回確認する習慣を作ることです。
ミニまとめ
必要資金は「株価×株数」が基本で、単元(100株)か端株かによって金額と体感が大きく変わります。
初回は流れに慣れることを目的に株数を設計しましょう。
次は、銘柄とタイミングをどう考えるかを「買う前チェック」として整理します。
どの銘柄を、いつ買う?初心者向けの「買う前チェック」
銘柄は選べたのに、「結局いつ買えばいいの?」と迷ってしまうことはよくあります。とくにSNSで話題の銘柄ほど、焦りが出て判断が雑になりやすいのが怖いところです。
ここでは、買う前に確認するポイントを絞り、タイミングの考え方を“型”として解説します。
迷いを減らすための準備として、まずは買う前の3点セットから見ていきましょう。
買う前の3点セット(会社/数字/価格の背景)+タイミングの型
結論として、買う前に見るポイントは「会社・数字・価格の背景」の3点に絞ると理解しやすいです。
理由は、個別株は「企業を選ぶ取引」であり、価格だけを見ても判断が成立しにくいからです。
初心者が迷いやすいのは、株価を見てすぐに「安い/高い」と結論づけてしまう点です。
- 会社:誰に何を提供し、何で稼いでいるか(事業の理解)
- 数字:売上や利益が伸びているか(方向性だけでも)
- 価格の背景:なぜ注目されているのか(期待・不安・材料)
タイミングの型としては、「買う日を当てる」より「ルール化する」ほうが扱いやすいです。
たとえば、
- 価格帯を決める(この範囲なら検討する)
- 節目を決める(直近の高値/安値などを参考にする)
- 分割して買う(いきなり一回で決めない)
といった“行動のルール”を先に作ると、焦りが減ります。
話題株に飛びつくケース vs 事業と数字で選ぶケース
例として、SNSで「急に話題になった銘柄」を見つけたケースを解説します。
- ケースA:話題だけで判断する
- 「みんなが買ってる」「上がってる」だけで買う
- 買った後、少し下がると理由が分からず不安が強くなる
- ケースB:事業と数字で判断する
- 何の会社で、何が材料なのかを一度だけ確認する
- 数字の方向(伸びている/停滞している)を把握する
- タイミングは価格帯や分割購入など“型”で決める
この2つの違いは、「下がったときの耐性」です。
話題だけで買うと、価格が下がった瞬間に判断の根拠が消え、感情で動きやすくなります。
一方、事業と数字を一度見ておくと、「何に期待して買ったのか」が残り、次に取る行動(待つ・見直す)を選びやすくなります。
判断のポイントは、情報を増やすことではなく、判断材料を3点に絞ることです。
これだけで、「買う」ボタンを押すときの緊張感はかなり下がります。
「安いから」「上がってるから」で買うと起こりやすいズレ
初心者がハマりやすいのが、「安いから買う」「上がっているから乗る」という二択の判断です。
安く見えても、それは単に“株価の金額が低い”だけで、企業全体が割安かどうかとは別の話です。
また、上がっていると安心しがちですが、上がった理由が分からないままだと、少し下がっただけで不安が一気に強くなります。
落ち着いて判断するための注意点は、実はシンプルです。
- 価格だけで判断しない(会社・数字・材料をセットで見る)
- タイミングはルールで決める(感情の勢いで決めない)
この2点を守るだけでも、判断のズレはかなり減ります。
ミニまとめ
買う前は「会社・数字・価格の背景」の3点に絞ってチェックしましょう。
タイミングは当てにいくより、価格帯・節目・分割など“型”で決めると判断がしやすくなります。
次は、買った後にどう付き合うかを整えて、疲れにくい状態を作ります。
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買ったあとが本番!保有中の見方と初心者の落とし穴
初めて株を買うと、値動きが気になって何度もアプリを開いてしまいがちです。
上がると嬉しく、下がると不安になり、最初に決めた判断が揺らぐのも自然な感情です。
ここでは、保有中に「何を見るか」をあらかじめ決めておくことで、感情に引っ張られた売買を減らす見方を紹介します。
まずは、保有中の基本となる指標から見ていきましょう。
保有中に見る指標(評価損益・取得単価・出来高)
結論として、保有中に見る基本は「評価損益」「平均取得単価」「いま何が起きているか(ニュースなど)」の3つです。
理由は、値動きだけを眺めていると感情が先に立ちやすくなりますが、数字と材料に戻ることで状況を理解しやすくなるからです。
- 評価損益:いま売ったらどうなるか、の目安(含み益/含み損)
- 平均取得単価:自分がいくらで持っているか(買い増しなどで変わる)
- ニュース・出来高:材料や注目度の変化を知る入口(見すぎると疲れやすい)
補足すると、ニュースは「見るか・見ないか」ではなく、「どの頻度で見るか」を決めておくと扱いやすくなります。
毎日追うと材料に振り回されやすいため、「週に一度まとめて確認する」など、自分を守る仕組みを作るほうが続けやすいです。
買った後に「毎日見る」vs「週1で確認する」
同じ銘柄を買ったとして、
- 毎日見る人:小さな上下で気持ちが揺れやすく、追加で売買したくなる
- 週1で確認する人:変化を“まとまり”で見やすく、当初の判断に戻りやすい
という違いが出やすいです。
比較すると、毎日チェックするほど情報量が増え、判断の回数も増えます。
「今日は下がった」「ニュースが出た」といった出来事が連続し、感情で動きやすくなります。
週1確認であれば、必要な情報に絞りやすく、判断が“点”ではなく“線”としてつながりやすくなります。
保有の目的が「流れに慣れる」「企業を見る目をつける」段階であれば、確認頻度をあえて落とすほうが学びが残りやすいこともあります。
値動きに反応するより、「なぜ買ったのか」「状況は変わったか」に戻りやすくなるからです。
感情で売買が増えるパターンと戻すためのチェック項目
感情で売買が増える典型パターンは、
- 上がる → もっと買いたくなる
- 下がる → 不安で売りたくなる
- その繰り返しで疲れる
という流れです。
これは意志が弱いからではなく、判断の“戻り先”がないと起こりやすい現象です。
戻すためのチェック項目はシンプルで構いません。たとえば、
- 買った理由は何だったか(材料・期待)
- その理由は変わったか(新しい事実が出たか)
- 自分のルール(確認頻度・買い増しの条件)は守れているか
この3点に戻るだけで、衝動的な行動が減りやすくなります。
ミニまとめ
保有中は「評価損益・取得単価・材料」の3点に着目しましょう。
また、確認頻度を決めるだけでも、判断がブレにくくなります。
最後に、よくある疑問をFAQで整理してから全体をまとめます。
FAQ(よくある質問)
Q1. 個別株は口座を作ればすぐ買えますか?
入金が必要で、入金後に「銘柄・株数・注文方法」を決めて注文します。発注後は「約定」になったかを注文状況で確認すると安心です。
Q2. 成行と指値、初心者はどっちがいいですか?
成行は成立しやすく、指値は価格を固定できます。どちらが良いかではなく「成立を優先するか」「価格を優先するか」で使い分けると選びやすいです。
Q3. いくらから買えるかはどう決まりますか?
基本は株価×株数で、単元(100株)が必要な銘柄だと必要資金が大きくなります。
端株に対応している場合は少ない株数で買えることもあります。
Q4. 買うタイミングが分かりません。どう考えればいいですか?
買う日を当てるより、価格帯・節目・分割購入などルールに落とし込むと迷いが減ります。
買う前の3点(会社・数字・価格の背景)もセットで確認すると落ち着きます。
Q5. 買った後、毎日チェックしたほうがいいですか?
頻度が高いほど感情が揺れやすくなることがあります。
評価損益や材料の見方を決め、週1など自分に合う頻度で仕組み化すると続けやすいです。
まとめ
個別株の買い方は、「入金→注文→約定→受渡→保有」という流れをつかむだけで、全体像が一気に見えやすくなります。
注文方法は、成行はすぐ成立しやすいもの、指値は価格を固定できるものとして覚えておきましょう。
必要資金は「株価×株数」が基本で、単元か端株かによって金額の体感も変わります。
買う前は「会社・数字・価格の背景」の3点に絞り、タイミングをルール化すると迷いが減ります。
買った後も、見る指標と確認頻度を決めておくことで、感情に振り回されにくくなります。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。






