投資信託のリスクを基礎から理解する!運用中のリスクと付き合うコツについても解説

投資信託のリスクを基礎から理解する!運用中のリスクと付き合うコツについても解説

投資信託に興味はあるのに「本当に安全なの?」「損したらどうしよう」と不安が先に立つ人は少なくありません。

投資をはじめたばかりの方にとって、投資信託のリスクは気になるポイントの1つです。

そこで今回は、投資信託のリスクの正体から適切な商品選びまで詳しく解説します。

本記事を読むと、初心者の方でも投資信託のリスクとはどんなものなのかを理解して、冷静に投資できるようになります。

また、運用中に発生するリスクと上手に付き合うコツについても紹介しました。

ぜひ本記事の内容を参考に、適切なリスク管理を踏まえた投資信託での資産形成をはじめてみてください。

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目次

投資信託のリスクが気になるのは「損したくない」からで当然

投資初心者が気になることの1つとして、投資信託のリスクがありますが、損失を恐れる気持ちは人間の本能的な「損失回避」心理によるものなので当然です。

投資では損失リスクを避けられませんが、リスクの正体を理解すると適切に向き合えるようになります。

そこで本章では、投資信託のリスクを整理していきます。

リスクは「損が出る確率」ではなく「値動きの幅」と捉える

投資信託のリスクは「損をする確率」ではなく「値動きの振れ幅」を意味します。

つまり、リスクが高い商品ほど短い期間でも価格が大きく動く可能性があり、低い商品ほど値動きが比較的穏やかになりやすいです。

たとえば、株式中心の投資信託は比較的リスクが高く、株価指数が上昇する局面では伸びやすい一方で下落局面では下がりやすい傾向があります。

反対に債券中心の投資信託は動きが緩やかになりやすいですが、大きく伸びにくい場面も多いためリスクが低いといえます。

リスクとリターンは、表裏一体の関係にあるため「リスク=怖いもの」と決めつけないことが大切です。

投資信託が安全といわれるのは分散が効きやすいからで、無リスクではない

投資信託が比較的安心といわれるのは、最初から複数の資産に分散されている場合が多いからです。

1つの企業や銘柄に資金が集中しにくく、特定の出来事が資産全体に与える影響を小さくしやすいという背景があります。

ただし、世界的な株安や金利の急変など、市場全体が下がれば分散されている投資信託も下落する場合があります。

そのため「分散されている=絶対に安心」ではなく「値動きのブレが小さくなりやすくなるもの」と理解しておくのが大切です。

投資の前に決めるべきは「目的・期間・許容できる下落」の3点

投資をはじめる前に投資目的、投資期間、許容下落幅の3つを明確にするのが重要です。

投資目的が明確になれば、必要なリターン水準が分かります。

また、投資期間が決まれば取れるリスクの大きさが判断でき、許容下落幅を設定すれば感情的な売買を避けられるからです。

たとえば、40代の方が老後資金作りを目的として投資をするなら、20年以上の長期投資が可能で一時的な30%程度の下落にも耐えられるとわかるでしょう。

ですが、5年後の住宅購入資金なら低リスクの安定した商品を重視すべきです。

投資期間によってリスク許容度は異なるため、まず目的を整理してからリスクを考えると適切な投資戦略を立てられます。

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投資信託にあるリスクは「値下がり」だけではない

投資信託を運用する上で注意すべきリスクは、価格変動リスクだけではありません。

為替リスクや金利リスクなど複数のリスクが存在し、相互に影響し合って投資成果に大きな影響を与える可能性があります。

本章では、投資信託に関連する様々なリスクについて解説します。

価格変動リスクは投資対象で決まり、株式型・債券型・バランス型で性格が違う

価格変動リスクの大きさは、投資信託で運用している資産の種類によって異なります。

たとえば、株式型は企業業績や景気の影響を受けやすく、価格の上げ下げが大きくなりやすい傾向があります。

債券型は金利の影響を受けやすく、株式よりは動きが穏やかになりやすいです。

バランス型は複数資産を組み合わせることで、極端なブレを抑えやすい設計になっています。

投資初心者は、各資産の特性を理解した上で、自分のリスク許容度に合った投資信託を選択することが重要です。

為替リスクと金利リスクは「海外資産」「債券比率」で増減しやすい

為替リスクは、海外資産に投資する投資信託に付随するリスクで、外貨建て資産を円換算する際に為替レートの変動により損益が発生します。

海外資産の組み入れ比率が高いほど、為替変動の影響を強く受けるため注意が必要です。

円高進行時には、海外資産の現地通貨ベースで値上がりしても円ベースでは損失となる場合があります。

また、金利リスクは債券の組み入れ比率が高い投資信託で特に注意が必要で、金利上昇時に既存の債券価格が下落するため投資信託の基準価額も下がります。

そのため、自分のリスク許容度に合った地域・資産配分を選択するのが、投資信託での資産形成を成功させるためには重要です。

信託報酬などのコストは長期で差になりやすい

信託報酬は投資信託の運用中に継続的に差し引かれるコストで、一見小さな差でも長期投資になるほど影響が大きくなります。

たとえば月3万円を年率5%で30年間運用した場合、信託報酬1.0%ならリターンは2,019万円、0.1%なら2,351万円となり300万円以上の差が生まれます。

そのため、投資信託を選ぶ時は信託報酬をしっかり確認しておくことが大切です。

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リスクの大きさをみるために初心者が押さえるべき指標

投資信託のリスクレベルを適切に判断するには、目論見書に記載された指標を正しく読み取る必要があります。

そこで本章では、リスクの大きさをどうみるのかについて解説します。

目論見書では「投資対象・リスク要因・コスト」を先に確認すると迷いにくい

目論見書は投資信託の詳細情報が記載された書類で、投資判断の資料として必ず確認しておきたい文書です。

目論見書の中から投資対象、主要なリスク要因、手数料の3点を最初に確認すると、効率的にその投資信託の特徴を理解できます。

たとえば、新興国株式に投資する投資信託なら、投資対象は「新興国の株式」主要リスクは「カントリーリスクと為替リスク」コストは「信託報酬と為替ヘッジコスト」となります。

まず、この基本的な3要素を整理すると、その投資信託が自分の投資方針に合致するかを適切に判断できるようになるでしょう。

最大ドローダウンは「どこまで下がりそうか」の目安になる

最大ドローダウンは、過去の運用期間中に最も大きく下落した時の数値で、その投資信託がどの程度のリスクを持つかを示します。

この数値により、どこまで資産が減る可能性があるかを事前に把握し心の準備ができると、市場下落時に冷静な判断が可能です。

たとえば、過去10年間で最大30%下落した投資信託に100万円投資した場合、一時的に70万円まで減る可能性があると想定できます。

最大ドローダウンが自分の許容下落幅を超えている場合は、より安定した投資信託を検討するべきです。

許容範囲内であれば、長期保有を前提とした投資戦略を立てると、市場の一時的な変動に動じない投資スタンスを維持できるでしょう。

過去の成績は未来を示さないため順位ではなく傾向としてみる

投資信託の成績は過去データで示されますが、未来を約束するものではありません。

なぜなら、市場環境は常に変化し、過去の好成績が将来も続くとは限らないからです。

そのため、ランキング上位を追いかけると、その時点で上がっていた資産に後から乗りやすくなり結果的に高値掴みの不安を抱えやすくなります。

みるべき点は「何に投資していて」「どんな局面で強弱が出やすいか」といった傾向で、値動きの特徴を理解する補助として使うのが適切です。

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投資信託のリスクを抑えるための商品選び

リスクを適切にコントロールするには、自分のリスク許容度と投資目的に合致した商品を選ぶことが重要です。

本章では、投資信託の様々なタイプ別の特徴について解説します。

インデックスは値動きが読みやすく、アクティブは運用方針でブレが出やすい

インデックス型投資信託は、市場平均に連動することからリスクをある程度予測しやすいため、投資初心者に適しています。

また、市場全体の動きに沿って機械的に運用されるので、運用担当者の個人的な判断による予想外の変動が少ないです。

アクティブ型投資信託は、運用担当者の投資判断により市場平均を上回る成果を目指します。

ですが、運用方針の変更や担当者の交代によりパフォーマンスが低下をするリスクがあります。

そのため、投資初心者はまずインデックス型で投資に慣れてから、より高いリターンを求める場合にアクティブ型を検討するのが賢明です。

資産分散・地域分散された商品も下落の衝撃を和らげやすい

複数の資産クラス(株式・債券・不動産など)に分散された商品に投資すると、特定の資産が大きく下落した際に全体への影響を軽減できます。

たとえば株式50%・債券50%のバランス型投資信託では、株式市場が20%下落しても債券が安定していれば全体の下落は10%程度に抑えることが可能です。

地域分散も同様に重要で、日本・アメリカ・ヨーロッパ・新興国に分散された商品に投資すると、特定地域の経済情勢悪化による影響を分散できます。

分散投資は大きなリターンを犠牲にする可能性もありますが、安定性を重視する投資家にとって有効なリスク管理戦略となります。

信託報酬・純資産総額・運用方針をみると選択の失敗を減らしやすい

優良な投資信託を選ぶには信託報酬の水準、純資産総額の規模、運用方針の安定性を総合的に評価することが大切だといえます。

なぜなら、低い信託報酬は長期的なコスト負担を軽減し、十分な純資産総額は運用の安定性を示すからです。

また、一貫した運用方針は予想外のリスクを避けるために重要です。

そのため、投資信託を選ぶ際はこれら3つの要素を確認するようにしましょう。

たとえば、純資産総額が100億円以上で信託報酬が年率0.3%以下のインデックス型ファンドは、運用の安定性とコスト効率性の両面で優秀と判断できます。

本節で紹介した3つの要素をバランス良く評価すると、長期投資に適した優良ファンドを選択でき、投資信託選びでの大きな失敗を避けられます。

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運用中にリスクと付き合うコツ

投資信託の運用中は、市場の変動による価格の上下が日常的に発生するため、適切な心構えと対処法を身につけることが重要です。

ここからは、運用中にリスクと付き合うコツについて解説します。

下落は想定内の出来事として「許容下落幅」を先に把握しておく

市場の下落は投資において避けられない現象で、歴史的にみても数年に1回程度大きな調整局面が発生しています。

そのため、自分が投資する商品の過去の値動きを参考にして、事前に許容できる下落幅を明確にしておくのが大切です。

前もって準備しておけば、実際に下落が起きた時に冷静に対処できるでしょう。

たとえば「40%の下落までは想定内」と決めておくと、30%程度の下落時に慌てて売却することがなくなります。

また、許容下落幅を超えた場合の対応策(段階的な売却や一時的な追加投資の停止など)もあらかじめ決めておくと、極度の不安やパニック状態に陥ることを防げます。

生活資金と投資資金を分けると、下落局面での焦りを減らしやすい

生活に必要な資金と投資資金を分離しておくと、投資に対する心理的な余裕を保ち、長期投資を継続しやすくなります。

もし、生活資金まで投資に回してしまうと市場下落時に生活が困窮した場合、不適切なタイミングで売却せざるを得なくなり、長期投資の効果を享受できなくなります。

そのため、投資をするなら生活費の6ヶ月分は預貯金で確保した上で、完全な余裕資金のみを投資に回すという方法が効果的です。

生活の安定が投資成功の前提条件であることを常に意識し、無理のない範囲での投資を心がけるのが重要だといえます。

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投資信託のリスクについて知りたい人によくある質問

投資信託のリスクについて知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 投資信託にはどんなリスクがあるの?
  • 投資信託のリスクは低い?

それぞれ解説します。

投資信託にはどんなリスクがあるの?

投資信託には複数のリスクが存在しますが、特に重要なのが価格変動リスクで、市場の変動により基準価額が下落し元本割れする可能性があります。

また、外国資産に投資している投資信託では、円高により損失が生じる為替リスクもあります。

投資信託は元本保証がない商品であるため、これらのリスクを十分理解した上で投資判断を行うのが重要です。

投資信託のリスクは低い?

投資信託は分散投資によりリスクを軽減できる金融商品ですが、「リスクが低い」という認識は誤解を招く可能性があります。

確かに個別株式投資と比べてリスクは低いですが、市場リスクや為替リスクなど様々なリスクが存在します。

そのため、投資信託を選ぶ際は投資対象や運用方針をよく理解し、自身のリスク許容度に合った商品を選択することが重要です。

「安全」という先入観を持たず、適切なリスク管理の下で投資を行いましょう。

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まとめ

今回は、投資信託のリスクを基礎から理解し、運用中のリスクと上手に付き合うためのコツについて解説しました。

投資信託のリスクは「損する確率」ではなく「値動きの幅」を意味することを理解し、自分の投資目的・投資期間・許容できる下落幅を明確にするのが重要です。

投資信託には様々な価格変動の要因が存在しますが、適切な商品選びと長期的な視点を持つことで、リスクをコントロールしながら着実に資産形成を進められます。

ぜひ本記事を参考に、リスクを正しく理解した上で安定した資産形成に取り組んでみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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