「2,000万円を運用するなら、どこに投資するのがいいんだろう?」と悩んでいませんか?
まとまった資金であるからこそ失敗は避けたいし、かといって預金だけでは物価上昇に追いつけない時代だから適切に運用をしたいと思っている方が多いようです。
そこで今回は、2,000万円を運用する際の現実的な方法について解説します。
本記事を読むと、2,000万円を運用するにあたってご自身の目的にあった投資先を見つけられるようになります。
また、運用する際に気を付けるべき注意点についても紹介しました。
ぜひ本記事の内容を参考に、2,000万円を効率的に運用してみてください。
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2,000万円を運用するならまず目的を明確にする
2,000万円のような大金を運用する際は、まず「なぜ運用したいのか」という目的をしっかりと定めるのが重要です。
なぜなら、運用の目的によってリスクの取り方や投資戦略が大きく変わるからです。
たとえば、老後資金や子供の教育費のように将来必ず必要になる資金なら、元本割れのリスクが高い投資は避けるべきでしょう。
一方で、当面使う予定のない余裕資金であれば、多少のリスクを取って大きなリターンを狙うのも選択肢の一つになります。
上記のように、目的によってリスク許容度が変わるため、まずは目的を明確にしましょう。
次の章では、2,000万円の運用に適した投資先のリスクを、表でまとめています。
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2,000万円の代表的な運用方法
まとまった資金である2,000万円を効果的に運用するためには、それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った方法を選択するのが重要です。
本章では、以下の4つの代表的な運用方法を解説します。
- 債券
- 投資信託
- 株式
- 不動産
なお、各運用方法のリスクと期待できるリターンは以下のようになっていますので、ご自身のリスク許容度や目的にあったものを検討してみてください。
| リスク | 期待する利回り | |
| 債券 | 小 | 1%~4% |
| 投資信託 | 小 | 3%~8% |
| 株式 | 中~高 | 3%以上 |
| 不動産 | 中~高 | 5%~7% |
※期待する利回りは、確実なものではありません。
債券
債券は2,000万円の運用先として、低リスクで安定したリターンが期待できる代表的な投資商品です。
国債や格付けの高い社債は、元本割れのリスクが比較的小さく、銀行預金よりも高い利回りを得やすい特徴があります。
たとえば、日本の10年国債の利回りは約1.6%程度(2025年9月現在)で推移しており、2,000万円を投資すれば年間約32万円(税引き後25.6万円)の利息収入を得られます。
また、米国債に投資すれば、為替リスクはありますが約4%(2025年9月現在)程度の利回りも期待できるでしょう。
債券投資の最大のメリットは、満期まで保有すれば発行体が破綻しない限り元本が保証される点です。
ただし、インフレが債券の利回り以上に進行すると、実質的な資産価値が目減りするリスクがある点には注意が必要です。
投資信託
投資信託は、手軽に分散投資ができる運用方法です。
投資信託を活用すれば、一つの商品を買うだけで複数の資産へ分散投資ができるため、投資初心者でもリスクを抑えた資産運用ができます。
たとえばインデックスファンドのS&P500を購入すると、米国の主要500社の株式へ一度に投資でき、個別銘柄のリスクを大幅に軽減できます。
投資信託で2,000万円を安定的に運用したい場合は「長期・積立・分散」を基本戦略とするのが重要です。
また、NISAやiDeCoなどの非課税制度も併用すれば、税金面でも有利な運用が可能になります。
株式
リスクを取りつつ2,000万円を効率的に運用したい場合、株式への投資は有力な選択肢の一つといえます。
株式投資は、値上がり益により資産を大きく増やせたり、配当金によるインカムゲインも受け取れたりするのが魅力です。
また、株はインフレに強い資産としても知られており、物価上昇局面では企業の売上や利益も増加しやすく、株価の上昇が期待できます。
ただし、株式は値下がりした際に大きく元本割れするリスクも伴います。
2008年のリーマンショック時には、日経平均株価が50%以上下落した事例もありました。
そのため、株式投資を行う際は余裕資金で行い、長期保有を前提とした投資戦略を立てるのが重要です。
不動産
不動産投資は2,000万円の資金を活用して、安定的な家賃収入や資産増加を狙える魅力的な投資方法です。
不動産に投資すると、毎月の賃料収入であるインカムゲインや、将来売却時のキャピタルゲインを期待できます。
不動産投資の大きなメリットは、インフレに強く現金よりも資産価値が保たれやすい点です。
また、銀行からのローンを活用できるため、2,000万円の自己資金があれば1億円の物件を購入できる可能性もあります。
仮に利回り5%の物件を1億円で購入できたとすると、年間500万円の家賃収入を得られます。
ただし、ローンを組む場合はリスクが大きくなる点に注意が必要です。
不動産は融資で拡大しやすい一方、金利上昇・空室・大規模修繕・固定資産税でキャッシュフローは変動します。
そのため、ネット利回りで採算を必ず再計算しましょう。
なお、金融機関はLTVやディスクロージャーを重視しているため、自己資金2,000万円でも常に1億円を組めるとは限りらないことを理解しておく必要があります。
また、ペーパーアセットとの違いとして「売りたい時にすぐに売れるとは限らない」リスクもあります。
不動産は相対の取引のため、欲しい人がいれば高値で売れますが、いない場合は全く値がつかないことが一番のリスクです。
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2,000万円を運用する際の注意点
2,000万円という大きな資金を運用する際に、失敗しないために押さえておくべきポイントは以下のとおりです。
- 目的を明確にする
- 分散投資をする
- 詐欺に注意する
- 税金を考慮する
それぞれみていきましょう。
目的を明確にする
まとまった資金を運用する際は、運用の目的や目標を明確に設定するのが、安定的な資産形成を実現する第一歩となります。
目的や目標が曖昧なまま資産運用に取り組むと、必要以上にリスクを取ってしまう可能性があるからです。
たとえば、老後資金作りが目的なのに、投機的な商品に手を出して投資元本を大きく減らす可能性が考えられます。
また、明確な目標がないと、市場の短期的な変動に振り回されて感情的な売買を繰り返し、結果的に損失を拡大させる恐れもあります。
資産運用の成功のためには「何のために・いつまでに・いくら必要か」を最初に確認し、目的に合った投資戦略を選ぶのが重要です。
なお、目的は以下の3つの数値で決めると商品選択が楽になります。
- 期限(例:10年後)
- 必要額(例:3,000万円)
- 許容ドローダウン(例:-15%)
この3点が決まれば、株式比率・債券/現金の比率、積立額が逆算できます。
分散投資をする
2,000万円を運用するときは「分散投資」でリスクを抑えるのが重要です。
一つの資産や商品に集中投資して値下がりした場合、資産全体が大きく損なわれるリスクが高くなるためです。
しかし、さまざまな資産に分散すると、不測の損失を限定できます。
たとえば、株式40%、債券40%、不動産投資信託20%といったバランス型のポートフォリオを組むと、一つの資産が下落しても他の資産でカバーできる可能性が高まります。
また、株式の中でも業種や地域を幅広く分散し、ポートフォリオ全体のバランスを意識するのが大切です。
日本株だけでなく米国株や新興国株に分散したり、IT関連だけでなく金融・ヘルスケア・消費財など複数の業種に投資したりすると、より安定した運用成果を目指せるでしょう。
詐欺に注意する
2,000万円のような大きな資金を運用する場合、投資詐欺に注意するのが重要です。
なぜなら、大金を狙った詐欺手法が数多く存在しているためです。
近年では「ロマンス詐欺」や「投資詐欺」など、SNSを使って大金の出金を誘導する手口が年々高度化・巧妙化しています。
詐欺被害を防ぐためには、金融庁に登録されていない業者との取引は避けたり、家族や身の回りの人に相談したりしてから投資判断をするなどの対策が重要です。
税金を考慮する
税金を意識した運用をしないと実質の手取りが減るため、税務面まで考えてプランを立てなければなりません。
たとえば、株式や投資信託の売却益には約20%の税金がかかります。
そのため、2,000万円の投資で年間100万円の利益が出た場合、税金として約20万円が引かれるので実際の手取りは80万円になってしまいます。
また、税金の扱いは投資対象によっても若干変わるため、各投資商品の税制を事前に理解しておくのが重要です。
なお、NISAやiDeCoを活用すると、株式や投資信託で得た利益は非課税となります。
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2,000万円を運用したいと考える人によくある質問
2,000万円を運用したいと考える人によくある質問は以下のとおりです。
- 2,000万円を運用した場合のシミュレーションは?
- 老後2,000万円問題とはどんな問題?
それぞれみていきましょう。
2,000万円を運用した場合のシミュレーションは?
2,000万円を異なる利回りと期間で運用した場合のシミュレーションは以下のとおりです。
5年間運用した場合
- 年利1%:約2102万円(102万円増)
- 年利3%:約2319万円(319万円増)
- 年利5%:約2553万円(553万円増)
- 年利7%:約2805万円(805万円増)
- 年利10%:約3221万円(1221万円増)
10年間運用した場合
- 年利1%:約2209万円(209万円増)
- 年利3%:約2688万円(688万円増)
- 年利5%:約3258万円(1258万円増)
- 年利7%:約3934万円(1934万円増)
- 年利10%:約5187万円(3187万円増)
20年間運用した場合
- 年利1%:約2440万円(440万円増)
- 年利3%:約3612万円(1612万円増)
- 年利5%:約5307万円(3307万円増)
- 年利7%:約7739万円(5739万円増)
- 年利10%:約1億3455万円(1億1455万円増)
このシミュレーションを元に、ご自身のリスク許容度と投資できる期間のバランスをみて、2章で紹介した商品を選んでみてください。
老後2,000万円問題とはどんな問題?
老後2,000万円問題とは、平均的な高齢夫婦が老後30年間を過ごす場合、公的年金だけでは約2,000万円が不足する可能性があると金融庁より指摘された社会課題です。
具体的には、夫65歳以上妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月約5万円が不足すると言及されています。
もし、人生がまだ20年〜30年あるとすれば、1,200万円〜2,000万円が足りなくなる計算です。
ただし、必要額は住居状況や家族構成、健康状態など個々の状況で大きく異なります。
そのため、すべての家庭が必ず2,000万円が足りなくなるわけではありません。
ですが、早めに自分の家庭の状況を把握し、必要に応じて資産形成や支出の見直しをしておくと安心です。
ちなみに、65歳時に2,000万円を年利5%で運用しながら毎月10万円ずつ取り崩した場合、資産は99歳3ヶ月まで持続します。
このように、資産運用しながら取り崩すと資産寿命を大幅に延ばすこともできます。
まとめ
今回は、2,000万円を運用する方法について詳しく解説しました。
2,000万円という大きな資金を効果的に運用するには、まず運用の目的を明確にして適切な投資手法を選ぶのが重要です。
債券・投資信託・株式・不動産といった各投資商品には、それぞれ異なるリスクとリターンがあるため、自身のリスク許容度や投資期間に合わせた選択が必要となります。
運用の際は、分散投資を心がけ税金面も考慮した計画的な資産運用を行うと、長期的な資産形成の成功につなげられるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、ご自身に最適な資産運用戦略を構築し、着実な資産形成を目指してみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。







