新NISAは子供名義で口座開設できない!NISA以外の教育資金の貯め方を3つ紹介

「新NISAは子供名義で口座開設できるの?」と疑問に思っていませんか?

子供の教育資金を効率的に準備できる新NISAは魅力的にみえるものの、実際に子供名義で口座開設できるのかわからない方が多いようです。

結論からいうと、新NISAは子供名義で口座開設ができません。

ですが、親名義の新NISA口座で間接的に子供の教育資金を貯められます。

そこで今回は、新NISA口座で子供の教育資金を貯めるときの注意点について詳しく解説します。

また、新NISA以外で教育資金を貯める方法もまとめました。

ぜひこの記事の内容を参考に、お子様に最適な教育資金の貯め方をみつけてください。

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目次

新NISAは子供名義で利用できない

新NISAは、18歳未満の子供名義では口座開設ができません。

新NISA口座の開設条件として「利用する年の1月1日時点で18歳以上」であることが定められているからです。

また、2023年末まで存在していた「ジュニアNISA」という未成年者向けの制度は既に廃止されています。

そのため、子供の教育資金を新NISAで準備したい場合は、親名義で口座開設して教育資金を準備するのが現実的な選択肢となります。

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親名義の新NISA口座で教育資金を準備するときの注意点

親名義の新NISA口座を、教育資金の準備で活用する際の注意点は以下のとおりです。

  • 元本割れの可能性がある
  • 使う時期に運用成果が出ているとは限らない
  • 子供への贈与扱いに注意

それぞれ解説します。

元本割れの可能性がある

新NISAで教育資金を準備する際に注意しておきたいのは、元本割れの可能性があることです。

新NISAでは、投資信託や株式などの値動きがある金融商品を購入するため、運用状況や経済情勢によっては投資元本を下回る可能性があります。

そのため、教育資金が必要な時期を考慮して、リスクを抑えた運用を心がけるのが重要です。

元本割れリスクを最小限に抑えるために、国も推奨している「長期・積立・分散」を意識して計画的に運用するようにしましょう。

また、必要な教育費を全額投資に回すのではなく、一部は預金などの安全資産で確保しておくリスク管理も欠かせません。

教育資金を使う時期に運用成果が出ているとは限らない

教育資金を新NISA口座で準備する際の重要な問題点は、お金が必要になるタイミングで必ずしも運用成果が期待通りに出るとは限らない点です。

投資信託や株式などの金融商品は日々価格が変動するため、大学受験や進学などの時期に資産価値が下がっている可能性があります。

たとえば、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのような金融危機は予測が困難であり、教育費が必要な時期と重なる可能性がゼロではありません。

上記のようなタイミングリスクを軽減するためには、教育費が必要になる数年前から段階的に預金や国債などの安全資産への移し替えを行うのが有効です。

また、必要な教育費の一部は最初から預金で準備しておき、投資はあくまで追加的な資産形成手段として位置づけると、リスクを分散できます。

子供への贈与扱いに注意

親名義の新NISA口座で準備した教育資金を子供に渡す際は、贈与として扱われる可能性がある点に注意が必要です。

NISA口座の名義人は親であるため、運用で増えた資産を含めて子供に資金を提供する行為は「親から子への贈与」とみなされ、贈与税の対象となる場合があります。

贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、1年間に子供が受け取る金額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

しかし、大学の入学金や授業料などまとまった教育費を一度に渡す場合、基礎控除額を大幅に超える可能性が高く、超過分に対して贈与税が課税される可能性があります。

ですが、教育費については必要な都度、直接教育機関などに支払う場合は贈与税が非課税となる特例などがあります。

そのため、親名義の新NISA口座で教育資金を準備する際は計画的に資金移動を行ったり税理士などの専門家に相談したりするのが重要です。

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新NISA以外で子供の教育資金を貯める3つの方法

新NISAが子供名義で利用できない現状を踏まえ、新NISA以外で教育資金を貯める方法を3つ紹介します。

本章で紹介する方法は元本割れのリスクが低く、計画的な教育資金の準備に適した特徴を持っています。

  • 財形貯蓄
  • 国債
  • 学資保険

それぞれ解説します。

1.財形貯蓄

財形貯蓄は、給与から自動的に天引きされる積立制度であり、子供の教育資金を確実に貯められる手軽で効果的な方法の一つです。

勤務先が財形貯蓄制度を導入していれば、正社員だけでなくパートタイマーでも利用可能です。

また、給与天引きによって手取り収入が減るため、自然と家計の無駄遣いを抑制する効果も期待できます。

一般財形貯蓄を選択すれば使用目的に制限がなく、1年以上継続した後であればいつでも必要に応じて引き出し可能です。

財形貯蓄は、確実に教育費を準備したいと考える保護者に適した選択肢といえるでしょう。

2.個人向け国債

国債は、国が発行する債券であり、安定した利息収入を得られる金融商品です。

国が発行主体となっているため信用リスクが低く、満期まで保有すれば元本が保証されている点が特徴となります。

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類あり、最低1万円から購入できるため、教育資金の準備を無理なくはじめることが可能です。

変動10年タイプでは、半年ごとに市場金利の変動に応じて利率も見直されます。

そのため、インフレ環境でも実質的な価値を維持しやすい仕組みとなっています。

国債は、元本割れの心配をすることなく着実に教育資金を増やせるため、元本保証はあるけど利息もほしい保護者に適した選択肢です。

3.学資保険

学資保険は、子供の教育資金の準備に特化した保険商品であり、毎月一定額の保険料を支払うと進学のタイミングに合わせて満期金や祝い金を受け取れる仕組みです。

大学入学時にまとまった満期金を受け取るタイプや、中学・高校・大学の各進学時に祝い金が段階的に給付されるタイプなど様々な商品から選択できます。

学資保険のメリットは、保険料の払込期間中に契約者(通常は親)が死亡した場合でも、以後の保険料払込が免除されることです。

万が一の事態が発生しても子供の教育資金が確保される安心感は、他の金融商品では得られない大きなメリットといえます。

また、学資保険は生命保険料控除の対象となるため、実質的な税制優遇効果も享受できます。

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新NISAを子供名義で口座開設できるのか知りたい人によくある質問

新NISAを子供名義で口座開設できるのか知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 新NISAで資産形成するためのコツは?
  • 新NISAは1人何口座まで開設できますか?

それぞれみていきましょう。

新NISAで資産形成するためのコツは?

新NISAで着実に資産を増やすための重要なポイントは「長期・積立・分散」の3つの原則を徹底的に実践することです。

時間を味方につけながら定期的に一定額を投資し、複数の地域や資産クラスに資金を分散すると、市場の短期的な変動リスクを抑えながら安定的な資産形成を実現できます。

市場が下落したときこそ冷静に投資を続け、好調な時期でも一気に投資額を増やさない規律ある投資姿勢が資産形成では重要です。

新NISAは1人何口座まで開設できますか?

新NISA口座は、1人につき1口座しか開設できません。

複数口座を開設できてしまうと、非課税投資枠を複数利用する不正が可能になり、税制の趣旨に反するため、制度上禁止されているからです。

もしご自身が既にNISA口座を開設済みで子供の教育資金にも新NISAを活用したい場合は、配偶者名義で新たに口座開設を検討するのが現実的な解決策となります。

それでも新NISA活用が難しい状況であれば、本記事で紹介した財形貯蓄・国債・学資保険などの代替手段で教育資金を準備する方法も有効です。

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まとめ

新NISAは18歳未満の子供名義では口座開設ができないため、教育資金の準備には親名義での間接的な運用が現実的です。

ただし、元本割れリスクや使用時期の運用成果の不確実性、贈与税の問題があるため注意が必要です。

教育費が必要な時期の数年前から安全資産への移し替えや、一部を預金で確保するリスク管理が重要となります。

新NISAのリスクが大きいと感じる場合は、財形貯蓄・国債・学資保険といった元本割れリスクの低い方法が適しています。

教育資金準備は長期的な取り組みのため、計画的なアプローチを心がけましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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