仕手株(してかぶ)とは?危険な手口とリスクをわかりやすく解説| 初心者が絶対に手を出してはいけない理由

仕手株(してかぶ)とは?危険な手口とリスクをわかりやすく解説| 初心者が絶対に手を出してはいけない理由

「株価が急上昇!これは儲かるかも…」そんな期待を抱いて仕手株に手を出してしまった投資家の多くが、大きな損失を抱えることになりました。

なぜ仕手株は危険なのか?

誰が、どのような手口で相場を操作しているのか?

本記事では、初心者が絶対に避けるべき仕手株の実態と、その危険な手口を徹底解説します。

この記事を通じて、仕手株のリスクと危険性について理解を深めることができます。

目次

仕手株とは?なぜ危険視されるのか

仕手株は株式投資において最も危険な投資対象の一つとされ、多くの投資家が大きな損失を被ってきた歴史があります。

一部の投資グループ(仕手筋)が意図的に価格を操作する株

仕手株とは、特定の投資グループ(仕手筋)が集中的に売買を行い、株価を意図的に大きく動かそうとしている銘柄のことです。

一般の投資家が少ないような、出来高の少ない株を狙って、仕手筋が大量に買い集めて価格をつり上げたり、その後一気に売り抜けて暴落させたりするケースがあります。

このような動きは市場全体ではなく、限られたグループの思惑で動いているため、正しい情報に基づいた判断が難しくなります。

投資初心者には特にリスクが高い対象といえるでしょう。

値動きが激しく、実態以上に高騰・暴落する

仕手株の特徴は、価格の上下が非常に激しいことです。

企業の業績や将来性とは関係なく、仕手筋の思惑だけで株価が急に上がったり下がったりします。

例えば、根拠のないうわさや過剰な期待感だけで株価が急騰することもあり、気づいたときには高値づかみしてしまうこともあります。

そして、その後は急落して、大きな損失を被るリスクがあります。

このように、仕手株は通常の投資と比べて予測が難しく、冷静な判断が求められる危険な対象とされています。

通常のファンダメンタル分析が通用しない世界

通常、株式投資では企業の業績や財務状況、将来の成長性といった「ファンダメンタルズ」を分析して投資判断をします。

しかし、仕手株の世界ではこうした基本的な分析がほとんど意味を持たないことが多いです。

なぜなら、株価が企業の実力ではなく、仕手筋の動きやうわさ、仕掛けによって大きく左右されてしまうからです。

理屈や数字に基づいた投資判断が通じにくいため、初心者が安易に手を出すと、思わぬ損失を抱える危険性があります。

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仕手株の典型的な手口とは?

仕手株には典型的な手口やパターンがあり、それを理解することで危険な兆候を見分けやすくなります。

①初期段階:こっそり買い集める「仕込み期」

仕手株の動きは、まず「仕込み期」と呼ばれる初期段階から始まります。

この時点では仕手筋と呼ばれる投資グループが、まだ誰の注目も集めていない低価格の株を、目立たないように少しずつ買い集めていきます。

急に買うと価格が上がってしまうため、あえて時間をかけて静かに仕込むのが特徴です。

この段階では価格に大きな変化は見られず、外からは「何も起きていないように見える」のがポイントです。

まさに嵐の前の静けさといった状態です。

②中期段階:急騰させて注目を集める「吊り上げ期」

ある程度株を集め終わった仕手筋は、「吊り上げ期」に入ります。

ここでは意図的に大量の買い注文を出し、株価を急騰させて注目を集めます。

株価が急に上がると、「なにか良い材料があるのでは?」と一般の投資家も次々に買い始め、それによってさらに価格が上がります。

このようにして、人々の関心を引きつけ、売買の流れに巻き込んでいくのです。

見かけ上は勢いのある成長株に見えるため、初心者ほどつい飛びついてしまいやすいタイミングです。

③終盤:一気に売り抜ける「利確・逃げ期」

吊り上げによって株価が大きく上がった後、仕手筋は一気に保有株を売り始めます。

これが「利確・逃げ期」です。

高値で売り抜けて利益を確保した直後、売り圧力で株価は急落します。

一般の投資家はこのタイミングで大きな損失を抱えることが多く、「気づいたときにはもう遅い」状態になりがちです。

急に上がった株は、急に下がるリスクもあるということを忘れずに、価格の背景を冷静に見極める視点が求められます。特に急騰後の値動きには要注意です。

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仕手株と情報操作の関係

仕手株は、株価を意図的に操作するだけでなく、巧妙な情報操作によって一般投資家を誘導することも特徴です。

以下、主な情報操作の手法について詳しく見ていきましょう。

SNSや掲示板でのポジショントーク・誇張投稿

仕手株の値動きには、インターネット上の情報操作が大きく関係することがあります。

例えば、SNSや掲示板で「この株は絶対に上がる」「今が買い時」などといった投稿が繰り返されることがあります。

これらの投稿は、実際に株を大量に持っている人たち(仕手筋)が、自分たちの利益のために価格を上げようと意図的に行っている「ポジショントーク」であることも少なくありません。

情報が本当かどうかは見分けが難しいため、安易に信じて飛びつくのは危険です。

根拠のない「好材料リーク」「大口が動いてる」などの噂話

仕手筋が使うもう一つの手法が、根拠のない情報を「噂」として流すことです。

例えば、「まもなく大手企業と提携するらしい」「大口の投資家が仕込んでいる」などの情報が広まると、多くの個人投資家が期待して株を買い始めます。

しかし、こうした情報の多くは確かな裏付けがなく、仕手筋が売り抜けるために流している場合もあります。

冷静に見れば不自然な話でも、価格が動いていると信じたくなってしまうのが人間心理。噂に振り回されない姿勢が重要です。

知らないうちに”仕手筋の戦略に巻き込まれている”こともある

仕手株は表向きには魅力的に見えることが多く、「急に上がっているからチャンスかも」と思って買った結果、知らないうちに仕手筋の戦略に巻き込まれてしまうことがあります。

仕手筋は、多くの一般投資家が動く心理を読んで行動しているため、無意識のうちにその流れに乗せられてしまうのです。

気づいたときにはすでに遅く、価格が急落して大きな損を抱えるケースも少なくありません。

株価の動きだけでなく、背景にある意図を見抜く目を養うことが大切です。

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仕手株のリスクと初心者が絶対に手を出してはいけない理由

仕手株に関するリスクは多岐にわたり、特に投資初心者にとっては致命的な損失につながる可能性が高いものばかりです。

以下、主要なリスクについて詳しく解説していきます。

値動きが激しすぎて損切りのタイミングがつかめない

仕手株は、価格が短期間で大きく動くのが特徴です。

一見するとチャンスに見えますが、実際に手を出すと「どこで売るべきか」「いつ損切りすべきか」の判断が非常に難しくなります。

上がると思って買った直後に急落することもあり、心の準備ができていないまま損失を抱えてしまうことが少なくありません。

特に初心者は、感情的になって冷静な判断ができず、損切りのタイミングを逃しやすいため、こうした激しい値動きには向いていないのです。

高値で掴まされたまま”塩漬け”になるケースが多発

仕手株は、仕手筋の思惑で株価がつり上げられることが多く、一般の投資家がその動きに乗って高値で買わされてしまうケースがよくあります。

そしてその後、仕手筋が売り抜けた途端に株価は急落し、損を出しても売れない状態、いわゆる「塩漬け」になってしまいます。

「いつかまた上がるかも」と期待して保有し続けても、多くの場合は元の水準に戻ることはなく、時間も資金も無駄になってしまいます。

初心者がこのような流れに巻き込まれると、非常に危険です。

初心者にはリスク管理も困難

株式投資では、どんなときでも「リスクをどれだけ取るか」をコントロールする力が必要ですが、仕手株ではそのリスクが極端に大きいため、初心者には管理がとても難しくなります。

突然の急騰・急落にどう対応するか、損切りラインをどう設定するか、心理的なプレッシャーの中で冷静に判断する力が求められます。

しかし、投資の経験が浅い段階ではそれが非常に難しく、結果として大きな損をしてしまうことも。無理をせず、安全性の高い銘柄から始めるのが賢明です。

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どうしても仕手株に手を出したくなったら?

仕手株への投資は非常にリスクが高いため、以下のポイントを特に意識して取り組む必要があります。

絶対に余剰資金のみで、捨ててもよい前提で

どうしても仕手株に挑戦したいと思う場合でも、使うお金は「なくなっても生活に支障がない余剰資金」に限るべきです。

仕手株は予測不可能な動きをするため、短期間で大きく利益を出すこともあれば、一瞬で半分以上の資金を失うこともあります。

「最悪ゼロになっても仕方ない」という前提で取り組まないと、損失が心のダメージとなり、投資全体への自信を失う原因にもなりかねません。くれぐれも生活費や大切な資金を投入しないように注意が必要です。

指値・損切りルールは必須、板読みや出来高にも注意

仕手株に挑むなら、自分の中で「ここまで下がったら絶対に売る」という損切りルールを決めておくことが大前提です。

成行注文ではなく、価格を指定して注文する「指値注文」も有効です。

また、板(売買の注文状況)や出来高(取引量)の変化にも目を向ける必要があります。

急に出来高が増えたり、注文の偏りが出たりする場面は、仕手筋の動きが関係している可能性があります。

瞬時の判断が求められる場面も多く、準備と冷静さが欠かせません。

それでも基本的には「近づかない」が鉄則

いくらテクニックや知識があっても、仕手株の世界は不透明でリスクが大きすぎます。

プロの投資家でさえ損をすることがあるほどで、初心者がうまく立ち回るのは非常に困難です。

魅力的に見える値動きに引かれる気持ちは理解できますが、「簡単に儲かる話には裏がある」と考えるのが基本です。

投資の世界で大切なのは、長く続けて資産を増やすこと。

一発勝負のような危険な投資に手を出すより、安全で堅実な方法を選ぶことが、最終的には大きな成果につながります。

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まとめ

仕手株は、一見すると大きな利益が期待できる魅力的な投資対象に見えますが、実際には非常に危険な投資手法です。

仕手筋による意図的な価格操作、激しい値動き、予測不可能な展開など、多くのリスク要因を抱えています。

特に投資初心者は、こうした不安定な投資対象に手を出すべきではありません。

代わりに、企業の基本的な分析(ファンダメンタル分析)に基づく投資や、分散投資による長期的な資産形成を心がけましょう。

投資の成功は、一時的な大きな利益ではなく、地道な努力と冷静な判断の積み重ねにあるのです。

焦らず、着実に、そして何より安全な投資を心がけることが、最終的な成功への近道となります。

ファンダメンタル分析は本当に意味ない?投資で成果を上げるための現実と活用法

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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