FX投資をしたくても、本業があり値動きを常に見ていられないという方は多いでしょう。
そんな時に便利なのが、逆指値注文です。
今回は逆指値注文について、どういった内容か、どのようなメリットがあり、どう活用できるかを解説します。
逆指値とは
まずは、逆指値について定義などを詳しく解説します。
逆指値の定義
逆指値注文は通常逆指値と呼ばれており、価格が一定に達した段階で自動的に売買注文できる仕組みです
現在の価格よりも低い水準に売りのトリガーを設定したり、現在の価格よりも高い水準に買いのトリガーを設定したりする注文方法を指します。
株価や為替レートがそのトリガー価格に到達(または下回る/上回る)した段階で、自動的に売買が執行される仕組みです。
損切りのため、保有ポジションが一定以上に価格下落したら、自動で売却します。
順張りエントリーのため、価格が一定以上に上昇したら、さらに上昇を見込んで買い注文します。
この時、売買が行われる価格をトリガー価格といいます。
値動きに合わせて自動で売買できるため、常に価格をチェックできない方にとって便利な方法です。
通常指値との違い
通常の指値注文は、「指定した価格(指値)よりも有利な価格(安い買い・高い売り)」になれば注文が成立します。
たとえば、「100円以下で買いたい」「120円以上になれば売りたい」といった売買が可能です。
逆指値注文は、「指定した価格(逆指値)を不利に超えた(または下回った)とき」に注文が執行されます。
たとえば、「100円を下回ったら損切りで売る」「120円を上回ったらそのまま上がり続けると期待して買う」という使い方です。
株初心者向け注文方法を解説!成行注文と指値注文の違いと使い方のポイント
逆指値のメリット
一見すると損をしてしまいそうな逆指値注文ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
2つのポイントを解説します。
損切のタイミングを逃さない
逆指値の最大のメリットは、自動的に損切りできることです。
投資では事前にシナリオを立ててエントリーと損切のルールを決めておくことが大切ですが、いざとなると「もう少し待てば状況が改善するかもしれない」という根拠のない感情に動かされてしまうものです。
しかし、逆指値の注文を入れておけば自動的に損切でき、損失を最小限に食い止められます。
損切り貧乏が起こる理由と対策!損失を最小限に抑える投資戦略を徹底解説
チャート監視に時間を取られない
本業の傍らで投資をしている方や、忙しくて投資のための時間が取れない方は、逆指値注文を入れておくことで常にチャートを監視しなくてよくなるというメリットがあります。
指値注文も合わせて入れておくことで利益確定も自動ででき、本業やプライベートの時間を確保しやすくなるでしょう。
逆指値のデメリット
逆指値には、メリットだけではなくデメリットもあります。
以下の2つのポイントを事前に理解しておきましょう。
取引不成立のリスクがある
逆指値注文を入れていても、トリガー価格に達しなければ取引は行われません。
とにかく早く決済したいタイミングでは、成行注文をしましょう。
また、逆指値注文を出した後に期待通り約定しなかった場合、キャンセルをしてください。
そのままにしておくと、相場が変わった状態で約定するリスクがあります。
また、取引不成立だけでなく、急激な価格変動(ギャップやスリッページ)が発生すると、希望したトリガー付近よりも不利な価格で約定する可能性があります。
特に、重大な経済指標発表時や取引開始直後はボラティリティが高くなるので注意が必要です。
ボラティリティが大きいと不向き
ボラティリティとは価格変動率のことで、ボラティリティが大きいとスプレッドが広くなります。
そのため、取引開始直後に逆指値が約定して損失が出てしまう可能性があるでしょう。
まずは、自分の取引するボラティリティを確認してから逆指値を入れるようにしてください。
ボラティリティとは?メリット・デメリットからリスク管理まで解説
逆指値を使った具体的な活用例
逆指値は、ポジションを保有している時としていない時で使い方が変わります。
ポジションを持っている時
例えば、買いポジションを持っている場合、1ドル145円でポジションを建て、142円まで下落したら逆指値注文で売りを予約します。
また、売りポジションを持っている場合、1ドル143円でポジションを建て、146円まで上昇したら逆指値注文の買いを予約します。
ポジションを持っていない時
ポジションを持っていない時は、買い・売りポジションを建てる予約のために逆指値を活用します。
例えば、買いポジションを建てる時は、「ここまで上がったらその後も上がるだろう」と予想して、その価格で買いの逆指値注文を出します。
また、売りポジションを建てる時は、「ここまで下がったらその後も下がるだろう」と予想して、その価格で売りの逆指値注文を出します。
FX初心者が逆指値を使うときのポイント
FX初心者の方が逆指値を使いこなすには、いくつかのポイントがあります。
まずはこれらを自分の中でルール化していきましょう。
エントリー直後に逆指値を設定する
ポジションを持ったら、すぐに損切のための逆指値注文を入れる習慣をつけましょう。
すぐに注文することによって、エントリー直後に大きく動いても損失を防げますし、感情に流された取引をしないようになります。
慣れてくれば頭で毎回考えなくても自動的に逆指値注文を入れられるようになるでしょう。
損失額を事前に決める
取引ごとに、どれだけ損失を出してもよいとするか事前に決めておきましょう。
例えば、「一度の取引で資金全体の1%までの損失に抑える」としておけば、一気に大損失を出すこともありませんし、トリガー価格の決定にも時間を取られません。
テクニカル指標を参考にする
トリガー価格を決めるときは、テクニカル指標を参考にしましょう。
チャートのサポートラインやレジスタンスラインを参考にし、ちょっとしたノイズで拙速な損切をしないようにします。
また、例えば上昇トレンドでは、直近の安値を割らなければおおむね上昇していくと考えられるので、逆指値を直近の安値の下におくことで、トレンド崩壊を見極められます。
まとめ
今回は、逆指値について解説しました。
適切な損切でダメージを最小限に抑えるには、逆指値注文が有効です。
これからFXを始める方は、ぜひ設定してください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。