景気とは?覚えておきたい4つの景気循環とその仕組み

「最近はよく不景気だと聞くけど、具体的にどういうことなの?」
「景気が良いとか悪いって、どうやって分かるの?」

今回は、景気とは何かを分かりやすく解説します。

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目次

そもそも景気とは何か

景気とは、売買や取引など経済活動の状況のことをいいます。

経済活動が活発なら「景気が良い」といい、逆に停滞していれば「景気が悪い」といわれます。

景気が良いことは「好景気」や「好況」、景気が悪いことは「不景気」や「不況」とも呼ばれます。

景気が良いと、企業のつくったモノやサービスがよく売れて儲かり、働く人たちの給料も増えて消費が拡大していきます。

一方で景気が悪いと、モノやサービスの売れ行きは悪くなり、収益が減って給料も下がっていってしまいます。

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景気の波とは

景気はずっと一定ということはなく、良くなったり悪くなったりするため、波に例えられます。

この波は「景気循環」と呼ばれ、その要因にはさまざまなものが考えられます。

景気が良くなったり悪くなったりとは、好況→後退→不況→回復の4つの局面が順番に繰り返し現れることを指しています。

この局面が順番に繰り返されるため、景気の波が出来上がるのです。

代表的な4つの景気循環

では、景気の波がどうして出来上がるのかを見ていきましょう。

景気循環には、4つの景気の波があるといわれています。

代表的なものとして、在庫の量に関連して約40か月周期で好不調が繰り返されるとする「在庫循環」です。

これはアメリカの経済学者ジョセフ・キチン氏が提唱したことから、「キチンの波」とも呼ばれます。

このほかにも設備投資に関連する約10年周期の「ジュグラーの波」や、建物の建て替えに関連する約20年周期の「クズネッツの波」、イノベーション(技術革新)に関連する約50年周期の「コンドラチェフの波」なども知られています。

それぞれの波はサイクルの長さが違い、これら4つの景気循環の波が重なることで、景気循環の波が形成されるのです。

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景気はどうやって決まるのか

では景気は、誰がどうやって「良い」「悪い」を判断するのでしょうか。

景気全体の現状を把握したり、将来の動向を予測するときに使用されるのが「景気動向指数」という経済指標です。

景気動向指数

この景気動向指標は、産業や労働、金融など経済にとって重要で、景気に敏感な複数の景気指標をもとに指数が算出されます。

景気動向指数には、変化の大きさをとらえる「コンポジット・インデックス(CI)」と、変化の方向性をとらえる「ディフュージョン・インデックス(DI)」というものがあります。

CIは景気変動の大きさやテンポ(量感)を示すもので、2015年を100としています。

例えば2021年5月12日に内閣府が発表した3月の景気動向指数では、CIは前月から3.2ポイント上昇して93.1となりました。

一方でDIは、構成する経済指標のうち上昇している指数の割合が数か月連続して50%を上回っていれば「景気拡大」、下回っていれば「景気後退」と判断する材料になります。

景気指標

景気動向指数の算出のもととなる、景気指標について詳しくみていきましょう。

景気を先取りして動く「先行指数」、景気と並行して動く「一致指数」、景気に遅れて動く「遅行指数」の3つに大きく分けることができます。

この指数を算出するために、更にそれぞれ3つの系列に分かれていますが、名前が似ているためあまり深く考えると難しくなるでしょう。

先行指数を算出するために先行系列があり、一致指数を算出するために一致系列ある、程度の理解があれば問題ありません。

上の図を見てください。

例えば、景気が回復し始めると企業が雇用を増やそうするため「新規求人数(L3)」が増えますが、これは景気に先行して動くため「先行系列」に分類されます。

次に「生産指数(C1)」の製造業等は、景気の好不況に一致して生産数が動くため「一致指数」に分類されます。

最後に「家計消費支出(Lg4)」は、景気が良ければ収入が増え、その分支出も増えますが、逆に景気が悪く収入が減れば、その分支出は減ります。

このように、景気に左右される分遅れて動くため「遅行系列」に分類されるのです。

<アドバンスシリーズ>

L1 最終需要財在庫率指数
L2 鉱工業用生産財在庫率指数
L3 新規求人数(除学卒)
L4 実質機械受注(製造業)
L5 新設住宅着工床面積
L6 消費者態度指数
L7 日経商品指数(42種総合)
L8 マネーストック(M2)
L9 東証株価指数
L10 投資環境指数(製造業)
L11 中小企業売上げ見通しDI

<コンシステントシリーズ>

C1 生産指数(鉱工業)
C2 鉱工業用生産財出荷指数
C3 耐久消費財出荷指数
C4 労働投入量指数
C5 投資財出荷指数
C6 商業販売額(小売業)
C7 商業販売額(卸売業)
C8 営業利益(全産業)
C9 有効求人倍率(除学卒)
C10 輸出数量指数

<後行円>

Lg1 第3次産業活動指数
Lg2 常用雇用指数(調査産業計)
Lg3 実質法人企業設備投資
Lg4 家計消費支出
Lg5 法人税収入
Lg6 完全失業率
Lg7 きまって支給する給与
Lg8 消費者物価指数
Lg9 最終需要財在庫指数

これらの項目すべてを覚える必要はありませんが、項目をざっと眺めてみると、漠然としていた「景気」のイメージがより具体的に見えてくるのではないでしょうか。

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まとめ

経済の基礎知識として重要な「景気」について詳しくご説明しました。

景気とは売買や取引など経済活動の状況のことを指し、長期的に見ると好景気と不景気の波が繰り返されています。

景気の状況を把握するためには、「景気動向指数」という経済指標が役立ちます。

景気動向指数は新聞やニュースでもよく報道されていますので、次に目にする機会があれば、じっくりと内容を見てみてはいかがでしょうか。

漠然としたイメージでしかなかった景気の正体が、具体的な数値データを理解することで、よりクリアにつかめるようになります。

景気動向にアンテナを高く張れるようになれば、経済の状況をより深く理解できるようになるでしょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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