投資初心者の方で「MRFとはなに?」と気になっていませんか?
MRFという単語は聞いたことあるけど、どんなものなのかわからないから知りたいと思っている投資初心者の方が多いようです。
そこで本記事では、MRFの概要について徹底解説します。
ほかにも、MRFを利用するメリットやデメリット、MRFに投資する際の注意点もまとめました。
本記事を読めば、MRFを活かした資産運用ができるようになり、投資の第一歩を踏み出せるようになります。
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MRFとは
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)とは、証券口座に入金したお金が自動的に運用される投資信託のことです。
MRFの運用対象は、国内外の信用度が高い公社債やコマーシャル・ペーパーなど、安全性の高い短期金融商品が中心です。
銀行にお金を預けているのと似た感覚ですが、普通預金よりも高い利回りが期待できます。
たとえば、2025年6月時点では野村MRFの利回りは年0.319%となっており、銀行の普通預金(年0.001%程度)と比べると有利な条件といえるでしょう。
収益は毎日計上され、1ヶ月分がまとめて再投資される仕組みです。
株式や投資信託を購入する際は、MRFが自動的に解約されて購入資金に充当されるため、特別な手続きは必要ありません。
基本的には、証券口座を開設すると自動的に利用できる仕組みですが、MRFを取り扱っていない証券会社もあるのでその点は理解しておきましょう。
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MRFの3つのメリット
本章では、MRFの3つのメリットについて解説します。
- 自動運用で手間がかからない
- 1円から投資できる
- 元本割れリスクが低い
MRFには、投資初心者にとって嬉しいメリットがあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
自動運用で手間がかからない
MRFのメリットとして、自動運用で手間がかからないことが挙げられます。
証券口座に入金すると、特に手続きをしなくても自動的にMRFの運用が開始され普通預金よりも高い金利で資産を運用できます。
株式や投資信託を購入したいときも、MRFが自動で解約されて購入資金に充当されるため、解約手続きは不要です。
投資未経験者でも複雑な操作なしではじめられるので「投資って難しそう」と思っている方にとって、資産運用への第一歩として最適な選択肢といえるでしょう。
1円から投資できる
1円から投資できる点も、MRFの大きなメリットといえます。
MRFは1円単位でいつでも入出金でき、解約期間の制限もありません。
最低投資金額の設定がないため、まとまった資金がなくても余剰資金を有効活用できます。
お給料が入った後の端数や、家計で余った数千円程度の小さな金額でも、積み立て感覚で運用が可能です。
投資初心者の方でも少額からはじめられるため「いきなり大きな金額を投資するのは怖い」と不安を感じることも少ないです。
元本割れリスクが低い
元本割れリスクが低い点も、MRFの特徴です。
MRFは格付けの高い公社債などリスクの低い資産を中心に運用しているため、安全性が高いです。
また、運用会社による厳格な銘柄選定とリスク管理体制が整っているため、安心して資金を預けられます。
実際に、国内のMRFでは過去に元本割れが発生した事例はありません。
投資信託である以上、理論上は元本割れの可能性をゼロにはできませんが、リスクは極めて低いレベルに抑えられています。
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MRFのデメリット
MRFにはメリットが多くありますが、知っておくべきデメリットも存在します。
投資をはじめる前に、しっかりと理解しておきましょう。
元本保証がない
MRFは投資信託の一種なので、元本保証がない点はMRFのデメリットだといえます。
市場環境が急変した際には、一時的に基準価額が下落する可能性があります。
また、運用会社の信用リスクや運用方針の変更リスクも存在するため、完全にリスクを排除できない点に注意が必要です。
ただし、これまで国内のMRFで実際に元本割れが発生した事例はなく、過去には「元本割れ危機」が報道されたこともありますが実際に損失は発生していません。
安全性は非常に高いものの、銀行預金のような元本保証はないことを理解しておきましょう。
インフレリスクがある
MRFには、インフレリスクがある点に注意が必要です。
MRFは、インフレが進行すると実質的な資産価値が目減りするリスクがあります。
たとえば、物価が年3%上昇しているのにMRFの利回りが年0.3%程度だった場合、実質的には資産価値が目減りしているといえます。
このように、物価上昇に利回りが追いつかない場合、インフレ局面では実質的に価値が低下してしまう点がデメリットです。
ほかにも、MRFは債券中心の運用なので、金利上昇局面では既存の債券価格が下落するため、運用成績に悪影響を与える可能性もあります。
そのため、インフレや金利の変化への対策として、ほかの投資商品との組み合わせも検討する必要があるでしょう。
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MRFに投資するときの注意点
MRFは「資産運用」というよりも「資金の一時的な預け先」としての役割が強い投資信託です。
債券で運用されているため、金利環境によってはほとんど利息が付かないこともあります。
そのため銀行の普通預金の代替として、少しでも有利な条件で資金を置いておく場所と考えるのがおすすめです。
また、MRFは申込手数料や解約手数料はかかりませんが、信託報酬などの間接的な費用が発生します。
信託報酬などの費用は運用成績から差し引かれるため、実際に受け取れる利回りは表示されている数字よりも若干低くなることを覚えておきましょう。
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MRFについてよくある質問
MRFについて学ぶ際に、以下の2つの質問が多く寄せられます。
- MMFとMRFの違いは?
- 過去に元本割れしたことはある?
- MRFのはじめ方は?
本章では、上記の質問にそれぞれ答えていきます。
MMFとMRFの違いは?
MMFとMRFは、運用方法と商品性に違いがあります。
それぞれの特徴を表にまとめたので、ご覧ください。
MRF | MMF | |
購入方法 | 証券口座に入金すると自動的に運用 | 都度、購入申込みが必要 |
解約方法 | いつでも自動で解約・資金充当される | いつでも解約可能だが手続きが必要 |
投資対象 | 主に短期・高信用の国内外公社債など | 主に短期国債・地方債・社債など |
利回り傾向 | MMFより低め | MRFより高め |
手数料 | なし | 30日未満の解約で手数料が発生 |
最低購入額 | 1円単位 | 1円単位 |
MMFとMRFにはそれぞれ違った特徴がありますが、自分の目的に合った方に投資するのがおすすめです。
過去に元本割れしたことはある?
国内のMRFでは、過去に元本割れが発生した事例はありません。
MRFは短期の公社債で運用しており、安全性を最優先とした運用方針を徹底しているからです。
MRFは投資信託であり元本保証はありませんが、これまで「実際に元本割れが発生した事例はない」というのが事実です。
過去には運用対象である公社債等の価格が大きく下落した際に「元本割れ危機」が報道されたこともありますが、実際の損失は発生していません。
しかし、安定運用を徹底しているためリスクは極めて低いものの、理論上は元本割れリスクを完全に否定はできないことも理解しておきましょう。
MRFのはじめ方は?
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は、証券総合口座専用の投資信託で、証券会社の口座に資金を入れるだけで自動的に運用がはじまります。
MRFは、初心者にとって手軽で比較的安全なため投資のスタートとして最適です。
まずは証券口座を開設して、資産運用の第一歩を踏み出してみましょう。
MRFをはじめるための具体的な手順は、以下のとおりです。
STEP1:証券総合口座を開設する
まず証券会社を選び、証券総合口座の開設手続きを行います。
必要書類を提出して口座開設を完了させましょう。
オンラインでの口座開設なら最短当日から数日で完了し、本人確認書類やマイナンバー書類をアップロードするだけで手続きが進められます。
STEP2:口座に資金を入金する
口座開設が完了したら、銀行振込やATM、インターネットバンキングなどを利用して証券口座に資金を入金しましょう。
多くの証券会社では即時入金サービスを提供しており、提携銀行からの入金なら手数料無料で即座に反映されます。
入金されると、特別な手続きなしで自動的にMRFで運用がはじまります。
STEP3:運用開始と活用
入金後は毎日収益が計上され、毎月末には分配金が自動再投資されます。
資金はいつでも1円単位で出金でき、他の金融商品購入にも利用可能です。
MRFの運用状況は証券会社のマイページやアプリから常時確認でき、運用実績や分配金の履歴も簡単にチェックできます。
株式や投資信託を購入する際は、MRFの資金が自動的に充当されるため、投資のタイミングを逃すことなくスムーズに取引が行えます。
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まとめ
MRFは投資初心者にとって使いやすい仕組みで、投資の第一歩として最適な商品です。
自動運用・少額投資・低リスクという3つの大きなメリットがあり、資金の一時的な置き場として安心して利用できます。
ただし、元本保証がないことやインフレリスクがあることも理解した上で、適切に活用することが大切です。
投資をはじめる際は、MRFの特徴をしっかりと把握して自分の投資スタイルに合わせて活用してください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。