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こんにちは、インテク事務局です。
会社員は会社が年末調整を行ってくれるので、「確定申告は関係ない」と思われている方も多いと思います。
しかし会社員でも確定申告をすることで、払った医療費の一部が戻ってくる場合がある「医療費控除」をご存じでしょうか?
今回は、2020年の医療費控除のやり方についてご説明していきます。
「家族の医療費がかさんで、家計を圧迫している」
「領収書の管理が面倒だし、忙しくて時間がない」
「昔やったことがあるけど、大変だったからやめてしまった」
こんな方はぜひ医療費控除でお金を取り戻しませんか?
忙しい会社員でもできるよう、できるだけ簡単にできる方法をご紹介します。
医療費控除の方法は2017年分の確定申告から大きく変わりました。以前に比べると格段に簡単になっているので、昔挫折したという方もぜひチェックしてみてくださいね。
(1) 医療費控除かセルフメディケーション税制を選択しよう
従来の医療費控除に加えて、2017年1月から新たに「セルフメディケーション税制」が始まりました。
セルフメディケーション税制とは、薬局やドラッグストアなどで特定の医薬品を一定金額以上購入すると控除が受けられる制度です。
セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であるため、医療費控除との併用はできません。
どちらを選択するか、まず決めておきましょう。
10万円以上なら医療費控除
2019年の1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合は、超えた額を所得から控除して税金が還付・減額されます。
※所得金額が200万円未満の人は、10万円ではなく所得金額の5%になります。
医療費は生計を共にする家族全員分を合算できますので、家族全員の分の医療費をかき集めて計算してみましょう。
10万円以下ならセルフメディケーション税制
お医者さんにかかる機会が少ない人は、医療費が年間10万円もいかないという場合もあるでしょう。
そんな人はセルフメディケーション税制の利用を検討してみましょう。
セルフメディケーション税制は、特定の成分を含有するOTC医薬品を2019年の1年間に一定額以上購入した場合、12,000円を超えた額が所得控除の対象となるものです。
※その金額が8万8千円を超える場合は、8万8千円
なお世帯主が所得税・住民税を納めており、定期健康診断などの健康や病気予防のための「一定の取り組み」を受けていることが条件になります。
会社員なら条件をクリアできる人が多いでしょう。
OTC医薬品とは、風邪薬や頭痛薬など、薬局やドラッグストアで購入できる薬のことです。
全てのOTC医薬品がセルフメディケーション税制の対象になるわけではなく、医療用医薬品でも使われている83成分を含む約1,600品目のOTC医薬品が対象となります。
こちらの共通識別マークが商品のパッケージに記載されていれば、対象です。

医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらがお得になるかは、こちらのサイトで簡単にシミュレーションすることもできます。
(2) 医療費の対象になるものは?
医療費には、医療費控除の対象となるものとならないものがあります。対象になるのは「病気やけがの治療のための医療費」です。
主に病院で支払った診療費や治療費、風邪を引いた際の風邪薬などが該当します。
インフルエンザの予防接種や、近視や遠視のためのコンタクトレンズの購入費、病気の予防のためのサプリメントなどは対象になりません。
判断に迷うものがあれば、国税庁のホームページで確認してみましょう。
国税庁ホームページ:医療費控除の対象となる医療費
(3) 「医療費のお知らせ」を活用しよう
2017年以前は、医療費の領収書をすべて添付する必要がありました。
これは大変面倒なので、これで挫折してしまったという人もいると思います。
しかし2017年分の確定申告から領収書の添付は不要になり、代わりに「医療費控除の明細書」を添付すればよいことになりました。
会社員の方にぜひ活用をおすすめしたいのが、加入している協会けんぽや健康保険組合などから配布される「医療費のお知らせ」(医療費通知)です。
健康保険を使用した医療費については、領収書を1枚ずつ確認して集計しなくても、明細を確認することができます。
また、この医療費通知を添付すれば「医療費控除の明細書」の記入を省略することができます。
ただし医療費通知には、2019年の1年分の医療費がすべて記載されているとは限りません。2019年の10月までなどという場合が多いので、記載されていない分は自分で明細書に記入するようにしましょう。
またドラッグストアなどで個人的に購入した風邪薬なども、医療費通知には記載されていませんので、忘れずに明細書に記入しておきましょう。
(4) スマホでの申告がおすすめ
最も効率的かつ迅速に医療費控除を申請したい人には、スマホによる申告がおすすめです。
画面に従って入力していくだけで、オンラインで確定申告を行うことができます。
マイナンバーカードと、マイナンバーカード読み取り対応スマホが必要になるので注意しましょう。
なお医療費通知を利用する場合は、別途税務署へ医療費通知の原本を郵送するか、XML形式というデータ形式で医療費通知データを送信する必要があります。
データ形式の医療費通知データがあれば、オンラインで確定申告を完結させることができます。
ただしデータの提供は各医療保険者の任意とされているので、データの提供を受けられるかどうかは、直接加入先の保険者に確認してみるとよいでしょう。
医療費通知の原本を郵送したくない場合や、データ形式の医療費通知データを入手できない場合は、医療費控除の明細書に記入するようにしましょう。
確定申告の詳しい方法については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
【特集記事】会社員のための確定申告:3. どうやって申告するの?おすすめ申告方法
まとめ
2020年の医療費控除の申請方法についてご紹介しました。
忙しい会社員は、加入先の健康保険組合から配布される「医療費のお知らせ」を活用しつつ、スマホで申告するのが最もおすすめです。
取り戻せるお金がある人は、ぜひ医療費控除を行うようにしましょう。