こんにちは、インテク事務局です。
「お金のことは会社が全部やってくれてるから、確定申告は必要ないよね?」
「株取引をやってるけど、確定申告は必要なの?」
「こっそり副業をしてるけれど、申告はどうすればいい?」
会社員の方は、会社が年末調整を行ってくれて、納税も自動的に完了することがほとんどです。そのため「自分で確定申告をする必要はない」と考えている方も多いと思います。
しかし場合によっては、会社員でも確定申告が必要であったり、確定申告をしないと損をしてしまうこともあるのです。
そこで今回の特集では、第一弾として会社員でも確定申告が必要となるケースについてご紹介します。
2020年の確定申告期間は3月16日(月)までです。※コロナウイルスの影響により、4月16日まで期間延長になりました
今からでも遅くありませんので、自分は確定申告を行うべきかどうかチェックしてみましょう。
会社員で確定申告が必要な場合については、国税庁のサイト上で「給与所得者で確定申告が必要な人」というページで記載されています。
専門用語も多く、分かりにくいという人も多いと思いますので、これから噛み砕いてご説明していきます。
まず大きく分けると
(1)確定申告が義務付けられているケース
(2)義務付けられていないが、確定申告をすることで納めすぎた税金を返してもらえるケース(還付申告)
の2通りがあります。
(1)のケースでは、2020年2月17日(月)~3月16日(月)までに確定申告を行う必要がありますが、(2)のケースでは、確定申告期間は2020年1月1日から5年間となります。
(1) 確定申告が義務付けられているケース
会社員でも確定申告が義務付けられている主なケースについてご紹介します。
①年間の給与収入が2,000万円以上の人
会社員は原該当する方は注意しましょう。
②副業などで、給与所得と退職所得以外で所得が20万円以上あった人
給与所得と退職所得以外で、所得が20万円以上あった人は確定申告の義務が生じます。つまり本業以外で副業をしている人は、確定申告をしなくてはならない場合があるのです。
所得は売上ではなく、経費を差し引いた利益のことです。アルバイトやパートの場合は、受け取る給与が所得になりますが、ブログ収入やクラウドソーシングといった副業の場合は、売上から経費を差し引いた金額が所得になります。
副業に関する確定申告については、こちらの記事で詳しくご説明します。
③2か所以上から給与を受け取っている人
最近は働き方が多様化し、給与を2か所以上から受け取る人も増えてきました。2か所以上から給与を受け取っている場合、確定申告が必要になります。
例えば、
・複数の会社の役員を兼務している
・複数の会社の仕事を掛け持ちしている
といった働き方の場合などに該当する可能性があります。
ただし、給与の収入金額の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
④「災害減免法」による源泉所得税の猶予や免除を受けている人
空き巣やひったくり、台風や大雨などで資産に損害を受け、災害減免法による源泉所得税の猶予や免税を受けている人は、確定申告の義務が生じます。
ここまで、会社員で確定申告が義務付けられているケースについてご紹介しました。
特に②の副業のケースについては、当てはまる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(2) 確定申告するとお金が戻ってくる可能性があるケース
続いて確定申告は義務ではないものの、申告するとお金が戻ってくる可能性がある主なケースについてご紹介します。
知らないままでは損してしまうこともありますので、しっかりチェックしてみてくださいね。
①年末調整で調整できなかったものがある人
会社員の場合、会社が年末調整を行ってくれることがほとんどです。
しかし、生命保険料控除などを適用し忘れてしまうこともあるかと思います。
そのような年末調整に漏れがあった際に、確定申告を行うことで控除の適用ができます。
また、年末調整後に結婚して扶養家族が増えた場合も、確定申告を行うことで配偶者控除や扶養控除などを適用できる場合があります。
②医療費がたくさんかかった人
家族全員分の医療費が合計10万円以上の場合、医療費控除が適用できます。(所得が200万円未満の場合は、10万円ではなく所得の5%の額となります。)
また2017年から「セルフメディケーション税制」が始まりました。これは健康診断やインフルエンザ予防接種など、日ごろから健康のための「一定の取り組み」を行っている場合に、「特定一般用医薬品等購入費から1万2000円を差し引いた金額(最高で8万8000円まで)」を所得から控除できるというものです。
医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。
医療費控除と、セルフメディケーション税制については、別途特集記事で詳しく解説していきます。
③寄付やふるさと納税を行った人
2019年は例年にない大きな台風や集中豪雨による災害が相次ぎ、寄付を行ったという人もいるのではないでしょうか。
また人気のふるさと納税を行っている人も多いと思います。
日本赤十字社などの国が治めた団体に寄付をした場合、寄付金控除を受けることができます。
ふるさと納税をした場合は、寄付金控除に加えて、住民税の税額控除の特例を受けることができます。
ただし、ふるさと納税をした自治体が5つ以内で、納税先の自治体に特例適用の申請書を提出する「ふるさとワンストップ特例」を使う場合は、確定申告は不要です。
④株式等の売買を行った人
株式投資をしている場合、「特定口座」で「源泉徴収あり」を選択していれば、証券会社側で税金を差し引いてくれるので、確定申告をする必要はありません。株取引で損失が生じた場合、損益通算によって税金負担を軽くすることができますが、これも「特定口座」で「源泉徴収あり」ならば自動的に損益通算することができます。
ただし、損失を繰り越して繰越控除を使用する場合には、毎年確定申告を行う必要があります。
⑤災害や盗難の被害に遭った人
空き巣など盗難の被害に遭ってしまった人は、雑損所得として、家や家財の損失の一部を所得から控除することができます。
台風など自然災害による被害に遭ってしまった人は、雑損控除か、災害減免法による所得税の軽減・免除措置の、いずれかを選択することができます。
⑥マイホームを買ったり売ったりリフォームしたりした人
マイホームを新築したり購入した場合、条件を満たせば住宅ローン控除を受けることができます。2年目以降は年末調整で処理されますが、適用1年目は確定申告が必要になります。
また、リフォームとして一定の耐震工事を行った場合も、工事費用に応じて一定額を税額から差し引くことができます。
マイホームを住宅ローンの残高よりも安い値段で売ったために損失が出た場合や、マイホームの買い替えによる売却損が生じた場合は、その損失を給与所得などと相殺することができます。
まとめ
会社員でも確定申告が必要となるケースについてご紹介しました。ご自身に当てはまるケースはあったでしょうか?
控除を受けるにはさまざまな条件があるので、詳細については国税庁のサイトなどで確認するようにしましょう。
確定申告が義務付けられている場合は、必ず確定申告期間内に申告を行うようにしましょう。義務付けられていなくても、申告することで還付金が戻ってくる場合もありますので、よくチェックしてみてくださいね。