こんにちは、インテク事務局です。
12月の特集記事では、全5回にわたって「不動産投資」について解説します。
【特集記事】不動産投資②不動産投資のメリットとデメリット
【特集記事】不動産投資③REITって何?
【特集記事】不動産投資④不動産投資のリスクとは
【特集記事】不動産投資⑤株式投資との違いとは?長期的に資産を形成する方法
これまで不動産投資の基本的な知識や、そのメリットやデメリットなどについてご紹介してきました。
投資を始めるための自己資金がある、すでに相続した不動産があるなどして、不動産投資を本格的に考えている方もいらっしゃるかもしれません。
うまくいけば長期的に不労収入を得られる不動産投資は魅力的なものですが、さまざまなリスクも潜んでいます。
起こりうるリスクをしっかりと把握して準備しておかなければ、不測の事態で多額の損失や借金に苦しむ可能性もあります。
見切り発車で投資を始めて取り返しのつかない事態に陥る前に、不動産投資のリスクをきちんと理解しておきましょう。
「不動産投資にはどんなリスクがあるの?」
「不動産投資を始めて本当に大丈夫なのかしら?」
第4回となる今回の記事では、不動産投資のリスクについて解説します。
不動産投資のリスク
不動産投資に潜む主な3つのリスクについて説明します。
(1)空室リスク
まず初めに挙げられるのが「空室リスク」です。
不動産投資を始めても必ず入居者が現れるとは限らず、入居者が出て行った後に次の入居者がなかなか見つからない場合もあります。
入居者がいなければ月々の家賃収入は得られなくなりますが、固定資産税などの税金や管理費用といった固定費用は発生し続け、ローンを利用している場合は、月々の返済も重くのしかかります。
空室期間が長引けば、収益を得るどころかキャッシュフローがマイナスになってしまう場合もあるのです。
通常の賃貸借契約は2年間ですが、契約期間中でも借主は1か月前の予告で中途解約ができるため、空室リスクは常に発生する可能性があるので注意が必要です。
(2)災害リスク
続いて地震や台風、火災などの「災害リスク」が上げられます。
特に地震や台風といった自然災害が多く発生する日本では、災害リスクは軽視できないリスクといえるでしょう。
例えば2019年10月に発生した大型台風「台風19号」は、東日本を中心に大雨・強風など甚大な被害をもたらしました。
この台風では関東の高級タワーマンションが水害で停電し、水道やトイレなどの生活インフラが長期間にわたり使えないという事態に陥りました。
ニュースで大きく報道されたため、タワーマンションを敬遠する人が増えた可能性もあり、オーナーは売却時に買い手を探すことが従来より困難になることも考えられるでしょう。
災害リスクは事前に予測することが難しく、火災保険や地震保険に加入することが重要になりますが、近年多発する自然災害を受けて保険料は値上がり傾向にあるので注意が必要です。
(3)資産価値下落リスク
最後に「資産価値の下落リスク」も見逃せません。
不動産の価値は、外的要因の影響で上昇することもあれば下落することもあります。
都市開発や電車の路線が開通するなどして不動産価値が上昇することもあれば、周辺に同じような物件が多数建設され供給過多となって価値が下落してしまうこともあるのです。
将来どのような外的要因が発生するか予測することはプロでも難しく、個人投資家には大変困難だといえるでしょう。
たとえば今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅勤務の動きが加速しており、不動産の価値にも影響を与えています。
在宅勤務用のスペースを確保するため、広めの郊外の物件を選ぶ人も増えており、人気を集めてきた「駅近」物件は資産価値が下がることも考えられます。
このような現象を事前に予期できた人は、ほとんどいなかったのではないでしょうか。
さらに所有物件で自殺や殺人事件といった事故や事件が発生すると、以降の借り手が見つかりにくくなるというリスクもあります。
そうなると家賃を下げざるを得なくなったり、相場より低い価格で売却せざるを得ないような経済的損失が発生することも考えられます。
まとめ
今回は不動産投資のリスクについてお伝えしました。
空室リスクや災害リスク、資産価値下落リスクなど、不動産投資にはさまざまなリスクが潜んでいます。
さらに注意すべき点として、これら3つのリスクはそれぞれ単発で発生するとは限らず、複数のリスクが重複して発生することもあるのです。
複数のリスクが一気に発生した場合、収支バランスが大きくマイナスとなり、取り返しのつかない負債を負ってしまう場合もあるでしょう。
リスクを覚悟したうえで不動産投資に臨む場合は、リスクを最大限回避するために入念な準備や日頃の管理が欠かせません。
たとえば空室リスクを避けるために魅力ある物件づくりに努めたり、自然災害リスクを回避するために保険について勉強したりすることも重要でしょう。
こういった手間は煩雑だと感じる人や、必要以上にリスクを取りたくないと考える人は、不動産投資以外の投資手段を検討してみてもいいかもしれませんね。
次回は今月の特集記事の最終回として、不動産投資と株式投資の違い、そして長期的に資産を形成する方法をご説明します。