こんにちは、インテク事務局です。
12月の特集記事では、全5回にわたって「不動産投資」について解説します。
【特集記事】不動産投資①不動産投資って何?
【特集記事】不動産投資②不動産投資のメリットとデメリット
【特集記事】不動産投資③REITって何?
【特集記事】不動産投資④不動産投資のリスクとは
【特集記事】不動産投資⑤株式投資との違いとは?長期的に資産を形成する方法
前回は不動産投資のメリットとデメリットについて解説しました。
不動産投資はローンを活用して限られた自己資金で始めることができ、入居者がいれば安定収入を得られる一方、まとまった投資資金が必要で、流動性が低いといった問題があることをお伝えしましたね。
不動産投資を検討するのであれば、投資資金や流動性といった実物不動産投資の問題点にアプローチする手段として、不動産投資信託(REIT)についても理解しておくとよいでしょう。
雑誌やニュースなどで「REIT(リート)」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「REITって最近よく聞くけど、どういうもの?」
「実物不動産の投資とどう違うの?」
「REITってどうやって始めるの?」
REITは株式投資やFXといったメジャーな投資に比べると、それほど知名度のある投資とはいえないため、その内容について詳しく把握している人は少ないかもしれません。
第3回となる今回の記事では、REITについて解説します。
REITとは
不動産投資の方法として、実物不動産に投資する以外にも、REITを購入する方法があります。
REITとは「Real Investment Trust」の略で「リート」と読み、「不動産投資信託」のことを指します。
REITは投資家から資金を集めて不動産に投資し、そこから発生した利益を投資家に分配する金融商品です。
もともとアメリカの不動産投資信託がREITと呼ばれていましたが、2001年9月に日本初のREITが東京証券取引所に上場し、日本版REITは「J-REIT」と呼ばれるようになりました。
REITは証券会社の窓口やインターネット取引を通じて、上場株式と同じように売買することができ、2020年10月時点で62銘柄のJ-REITが上場しています。
またJ-REITでは、利益の90%超を配当することで、法人税が実質的に免除されるため、利益の大部分が分配金として投資家に支払われます。
そのため、利益のうち投資家に還元される割合を示す「配当性向」が高い傾向にあるのです。
REITと実物不動産投資の違い
REITには実物不動産と比較して、さまざまなメリットやデメリットがあるので、それぞれ見ていきましょう。
(1) REITのメリット
まずメリットとしてREITは少額からの投資が可能で、2020年12月現在、REITには1口1万円台で購入できる銘柄もあります。
また不動産の運営をプロが行ってくれるため、REITの投資家はいったんREITを購入すれば、ほとんど手間がかかりません。
さらにREITの種類は「オフィス運営特化型」、「物流不動産特化型」、「居住物件特化型」、「ホテル特化型」、「商業施設特化型」、そして2つの分野にまたがる「複合型」や3つ以上の分野を手がける「総合型」など多岐にわたります。
REITではさまざまな不動産に投資するため、実物不動産に比べ必然的にリスク分散を図ることができます。
(2)REITのデメリット
次にデメリットとして、REITには投資法人や資産運用会社化が関与するため、投資家が自ら不動産の運営を行う実物不動産投資に比べると利回りが低くなる傾向があります。
REITは投資信託であるため販売手数料や信託報酬といった手数料が発生し、その分利益は少なくなってしまうのです。
また、REITを運営している不動産投資法人が倒産してしまうと、そのREITは上場廃止となってしまいます。
REITの運営元が上場を維持するための基準を満たせなくなって上場廃止になるケースもあります。
REITが倒産すると不動産が売却され、その売却金から投資家に返金されるものの、投資資金を回収できるとは限りません。
これらは実物不動産投資にはないリスクといえるでしょう。
まとめ
REITは不動産と投資信託の両面を併せ持った金融商品で、現物不動産に比べて「少額から投資できる」「流動性が高い」といったメリットがあります。
配当性向が高いREITは、配当利回りが高いという特徴があるため、分配金を受け取って利益を得る中長期投資のスタイルが一般的です。
株式投資やFXに比べると値動きはゆるやかですが、その分短期間で大きく利益を得ることは難しくなります。
REITでは不動産運用をプロに任せてしまうため、実物不動産投資と異なり投資家自身に不動産運用のノウハウが身に付くわけではありません。
REITでの投資経験が将来的に実物不動産投資に役立つということもあまり期待できないでしょう。
投資対象として「不動産」自体にこだわらないのであれば、より大きな利益を期待できる株式投資を検討してみても良いかもしれません。
株式投資であれば、株価の値動きを予測して売買のタイミングを図る「テクニカル分析」という手法を習得することで、トレードの機会を広げることができます。
不動産投資と株式投資の違いについては特集記事の最後で詳しくご紹介します。
次回は不動産投資のリスクについて説明します。