こんにちは、インテク事務局です。
今回の特集記事では、全9回にわたって「資産運用」について解説します。
【資産運用のキホン①】「お金の3大機能」とは?資産運用のキホン
【資産運用のキホン②】「預金」と「貯金」の違いって?知らないと損する預貯金の歴史
【資産運用のキホン③】トマ・ピケティ著「21世紀の資本」の本はなぜ売れた?資産運用の重要性
【資産運用のキホン⑤】「時間と投資」の関係とは?「ドルコスト平均法」も解説
【資産運用のキホン⑥】資産運用にライフプランとPDCAサイクルが重要な理由とは
【資産運用のキホン⑦】今日の100万円は将来いくらになる?お金の時間的価値とは
【資産運用のキホン⑧】日本の証券取引所はなぜ誕生した?日本の発展にも影響
【資産運用のキホン⑨】投資信託はなぜ世界に広まったのか?その歴史と仕組み
「お金の時間的価値ってどういうこと?」
「『100万円あげる!今すぐと1年後どちらがいい?』って聞かれたらどうすればいい?」
誰かに「100万円あげるよ」と言われたら嬉しいですよね。
ではその100万円を今日もらうのと、1年後にもらうのでは、どちらが良いと思いますか?
実はいつ受け取るかによって、お金の価値は変わってきます。
資産運用を行う上で、理解しておきたいのが「お金の時間的価値」です。今回はお金の時間的価値について詳しく解説します。
「お金の時間的価値」とは
お金の時間的価値を理解するにあたって、「お金の現在価値」と「お金の将来価値」という概念をみていきましょう。
お金の現在価値
「お金の現在価値」とは、将来受け取ることができるお金について、現時点での価値に計算し直した金額のことを指します。
例えば1年後の100万円を、現在の価値に換算するといくらになるのか?
それは以下の計算式で計算することができます。
現在価値=将来の金額÷(1+金利)^年数
※「^」は乗数を表します
金利を10%とすると、1年後に受け取れる100万円を現在価値に換算すると以下のようになります。
100万円÷(1+0.1)^1≒90.9万円
現在価値に換算すると、10万円近くも減ってしまいましたね。
1年後に受け取れる100万円は、現時点での価値に計算し直すと、必ずしも100万円であるとは限らないのです。
お金の将来価値
続いて「お金の将来価値」について考えてみましょう。
「お金の将来価値」とは、現在持っているお金について、将来のある時点での価値に計算し直した金額のことを指します。
例えば現在持っている100万円を、将来の価値に換算するといくらになるのか?
それは以下の計算式で計算することができます。
将来価値=現在価値×(1+金利)^年数
金利を10%とすると、現在持っている100万円を1年後の将来価値に換算すると以下のようになります。
100万円×(1+0.1)^1=110万円
金利10%で運用したので、1年で10万円増えましたね。
この年率10%の増加を「時間価値」といいます。
投資と時間的価値
金利10%の場合、現在持っている100万円の将来価値は、1年後には110万円になることが分かりました。
さらに時間が経過すると、どうなるのでしょうか。
2年後の将来価値=100×(1+0.1)^2=121万円
3年後の将来価値=100×(1+0.1)^3=133.1万円
年数が経過するほど、将来価値は上昇していくことが分かりますね。
今持っているお金を投資すれば、将来そのお金が増える可能性があるのです。
金利が高いほどお金は増え、年数が経過するほど増えていきます。お金の価値を高めるために、投資は重要な役割を担っているのです。
お金の現在価値と将来価値を正しく理解できれば、感覚や感情に惑わされることなく、お金に関する判断を的確に行うことができるようになるでしょう。
まとめ
長期的に資産運用を行ううえで、「お金の時間的価値」は必ず理解しておきたい概念です。
お金の価値は、時間軸によって変化します。
100万円を今日もらうのと、1年後にもらうのなら、どちらが良いのか。
1年後の100万円を現在価値に計算しなおすと、約90.9万円なので、今日もらうほうが良いと判断できますね。
このようにお金の時間的価値を理解すれば、お金の使い方に関する判断がより的確にできるようになるのです。
次回は日本の証券取引所について詳しく解説します。