こんにちは、インテク事務局です。
今回の特集記事では、全9回にわたって「資産運用」について解説します。
【資産運用のキホン①】「お金の3大機能」とは?資産運用のキホン
【資産運用のキホン②】「預金」と「貯金」の違いって?知らないと損する預貯金の歴史
【資産運用のキホン③】トマ・ピケティ著「21世紀の資本」の本はなぜ売れた?資産運用の重要性
【資産運用のキホン⑤】「時間と投資」の関係とは?「ドルコスト平均法」も解説
【資産運用のキホン⑥】資産運用にライフプランとPDCAサイクルが重要な理由とは
【資産運用のキホン⑦】今日の100万円は将来いくらになる?お金の時間的価値とは
【資産運用のキホン⑧】日本の証券取引所はなぜ誕生した?日本の発展にも影響
【資産運用のキホン⑨】投資信託はなぜ世界に広まったのか?その歴史と仕組み
「ライフプランって大切なの?」
「毎月貯金したいんだけど、ついお金を使ってしまう…どうしたらいいの?」
今回は資産運用の質を高めるために役立つ、ライフプランとPDCAサイクルについて詳しく解説します。
資産運用にライフプランが重要な理由
まず、資産運用にライフプランが重要な理由について見てみましょう。
ライフプランとは
ライフプランとは「人生の計画」のことです。
就職や結婚、子育てなど、人生でどのようなイベントが起こりえるか考え、いつどのくらいのお金が必要になるのか計画を立てるものです。
ライフプランで考えられる人生の選択肢を、ざっと挙げてみましょう。
・どんな仕事をするか(どのくらい働いて稼ぐ?)
・いつ結婚するか(結婚費用はどのくらい?)
・子供は何人欲しいか(出産・子育てにどのくらいお金がかかりそう?)
・子供にどんな教育を受けさせたいか(教育費用はどのくらい?)
・どんな家に住むか、賃貸か持ち家か(住宅資金はどうする?)
・老後はどう過ごしたいか(老後の必要資金は?)
・自分の遺産はどうするか(相続時に資産をどうする?)
「意外と考えることがたくさんあるんだな!」と思われたかもしれませんね。
ライフプラン作りで浮き彫りになる資産運用の必要性
ライフプランを実際に考えてみると、いずれの人生のステージにおいても、希望を実現するためには「お金」が欠かせないことを実感するのではないでしょうか。
「友達をたくさん呼んで、海外のプライベートビーチで素敵な結婚式をしたい」と願うなら、計画的に結婚資金を貯める必要があるでしょう。
「算数や理科が好きな息子を、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)に留学させて、グローバルで最先端な教育を受けさせたい!」と考えているなら、すぐにかかる費用を調べて資金準備を始めるべきでしょう。
「将来は物価が安くて自然が豊かな南の国で、悠々自適な生活なんていいかも!」と思うなら、実際にどの国でどんな生活がしたいかまで考えてみましょう。
ビザの費用や渡航費、日本への帰国費用などの費用がかさむこともありますし、セキュリティが高くサービスの良いマンションに住むなら、日本よりも生活費がかかる場合も少なくありません。
なんとなく将来を漠然と思い描くだけでなく、実際にライフプランを書き出して、かかる費用を計算することで、やるべきことが見えてくるのです。
資産運用にPDCAサイクルが重要な理由
続いて、PDCAサイクルが資産運用に重要な理由についても見ていきましょう。
PDCAとは
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返して継続的に業務改善を行うことです。
基本的なビジネス用語なので、会社などで働いている人は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
資産運用にも活かせるPDCA
ビジネスで役立つPDCAは、資産運用でも活かすことができます。
まず、目的を明確にして計画を立てる「Plan」では、まさに先述のライフプランが役立ちます。
ライフプランで「3年後までにマイホーム購入の頭金として360万円貯めたい」と計画を立てた場合、「毎年120万ずつ貯金しよう」と決めて、「毎月10万円ずつ貯金する」ことがDo(実行)にあたります。
続いてCheck(評価)のステージで、「毎月ちゃんと貯金できているか」をチェックします。
一人ではチェックを忘れてしまうこともあるので、夫婦でお互いチェックするなど、自分だけでなく他の人の目も入れることでより効果が高まるでしょう。
もしちゃんと貯金できていないことが分かったら、それはなぜなのか原因を突き止め、来月からはきちんと貯金できるようにします。これがAction(改善)です。
このようにPDCAサイクルを回すことで、より確実に目標へ向けた資産形成を継続的に進めていくことができるのです。
まとめ
公益財団法人の生命保険文化センターが2019年に実施した「生活保障に関する調査」によれば、「自分や家族の将来のための具体的な生活設計を立てている」と答えた人は37.0%にとどまっています。
実際にライフプランを立てたことがある人は半数にも満たず、多くの人が「とりあえず貯金もあるし、まあ大丈夫だろう」「でも本当にお金が足りるかちょっと不安かも」など、根拠のない自信や不安を持っていることでしょう。
漠然としたイメージにとどまっていては、実際にお金が必要なタイミングで資金が足りず、やりたいことが実現できないかもしれません。
早いうちからライフプランを立てて、しっかりと資産運用を進めてきた人は、ライフプランを作ってこなかった人よりも、より充実した人生を送れる可能性が高まります。
作成したライフプランを「Plan」としてPDCAサイクルを回していくことで、効率的な資産運用をしてみてはいかがでしょうか。
次回はお金の時間的価値について解説します。