こんにちは、インテク事務局です。
今回の特集記事では、全5回にわたって「社会保障と保険」について解説します。
【社会保障と保険①】その保険は本当に必要?社会保障制度を知って見直そう
【社会保障と保険②】医療保険は入ったほうがいいの?労災も解説 ケガ・病気まとめ
【社会保障と保険③】雇用保険や介護保険って何? 失業・介護まとめ
【社会保障と保険④】iDeCoってやったほうがいいの? 年金まとめ
【社会保障と保険⑤】保険の見直しで家計を引き締め!長期的な資産形成のために
「毎月の保険の支払い負担がツライ!どうにかならないかしら?」
「社会保障制度ってなんだか難しくてよく分からない…」
「医療保険とか生命保険って、よく勧誘されるけれど、本当に必要なの?」
日本には、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットとして「社会保障制度」があります。
種類が多く、中には仕組みが複雑なものもあるため、それぞれの制度を正しく理解できている人は少ないかもしれません。
また様々なリスクに備えるための手段である「保険」には、公的保険に加えて民間保険もあります。
民間保険は公的保険を補完する面もあり、民間保険の加入を検討する際は公的保険の保障内容をよく理解しておく必要があります。
「民間保険に入っていたけれど、実は公的保険で十分だった…」と気付くケースも少なくありません。
今回はまず、社会保障制度について理解を深めましょう。
社会保障制度とは
まず、社会保障制度とはどのようなものなのでしょうか。
社会保障制度は「社会保険」のほか「社会福祉」、「公的扶助」、「保健医療・公衆衛生」という4つの大きな柱からなっています。
それぞれ見ていきましょう。
社会保険(医療保険、年金制度、介護保険)
社会保険は、条件を満たす人すべてが加入する公的な保険制度です。
定められた保険料を支払うことで、ケガや病気、障害などに備えることができます。
社会福祉(社会福祉、児童福祉)
社会福祉は、子供や高齢者、障害者など社会的立場の弱い人に対する公的な支援を行う制度です。
保育所や放課後児童クラブ、児童手当などは、子供を育てている人には身近な制度ですよね。
高齢化が進む中、高齢者福祉の重要性も増してきています。
公的扶助(生活保護制度)
公的扶助は、生活に困っている人に対し、生活保護法に基づき最低限の生活が送れるようサポートする仕組みです。
生活保護制度には、生活扶助や教育扶助、住宅扶助など8種類の給付が用意されています。
保健医療・公衆衛生(医療サービス、保健事業、母子保健、公衆衛生)
保健医療・公衆衛生は、健康で安全な生活を送るための予防や衛生に関する制度です。
母子手帳や子供の予防接種、がん検診などもこの制度に含まれています。
社会保険と民間保険の違い
国民健康保険などの社会保険と、生命保険やがん保険などの民間保険はどう違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
「社会保険」は、社会政策や社会福祉として行われるもので、国民健康保険や国民年金、雇用保険などが挙げられます。
これに対し「民間保険」は民間の保険会社が販売している保険で、以下の3つに大きく分類することができます。
①第1分野:生命保険(定期保険、終身保険、養老保険、個人年金保険など)
②第2分野:損害保険(自動車保険、賠償責任保険、火災保険、海上保険など)
③第3分野:医療保険、がん保険、介護保険、損害保険など
社会保険は国民が必ず関わる保険であるのに対し、民間保険は必要な人だけが加入する保険ともいえます。
社会保険ではリスクに備えて国民があらかじめ保険料を出し合い、そのリスクに見舞われた人に必要なお金やサービスが提供されます。
いっぽう民間保険は「社会保険だけではリスクに対応できない」と考える人がお金を支払って加入するもので、途中で解約することもできます。
まとめ
今回は社会保障制度の種類と、社会保険と民間保険との違いについて解説しました。
社会保障制度は子供からお年寄りまで、全ての人々の生活を生涯にわたり支えてくれる心強い味方です。
国だけでなく、都道府県や市町村などが連携しながら、それぞれの制度を実施しています。
充実した社会保険に加えて、さらに民間の保険にも加入している人も少なくありません。
民間保険は必要な人にとっては心強い味方ですが、社会保険とは異なり、必ずしも加入しなくてはならないものではありません。
勧められるがままに安易に保険を契約すると、不要な出費を長年にわたり支払い続けることにもなってしまうのです。
自分の生活スタイルや人生について、よく考えたうえで加入するかどうか決める必要があるでしょう。
本当に必要な民間保険を見極めるためには、まず社会保障制度を正しく理解することが重要です。
次回はケガや病気に関する保険について、詳しく解説します。