【経済指標⑤】日本の貿易は赤字?黒字?海外取引の経済指標とは

こんにちは、インテク事務局です。

今回の特集記事では、全5回にわたって「経済指標」について解説します。

【経済指標①】GDPとGNPはどう違う?経済指標のキホン

【経済指標②】CIとDIって何?景気動向指数とは

【経済指標③】労働力調査って何?雇用の経済指標とは

【経済指標④】消費者物価指数(CPI)って何?物価の経済指標とは

【経済指標⑤】日本の貿易は赤字?黒字?海外取引の経済指標とは

 

 

「日本と海外のやり取りが分かる経済指標ってあるの?」

「貿易黒字とか貿易赤字ってどういうこと?」

「今の日本って、輸入と輸出はどっちが多いの?」

日本は輸出入など海外とのやり取りが多く、海外取引は日本経済に大きな影響を及ぼしています。

日本が貿易がさかんであることは分かっていても、その具体的な内容については必ずしも理解している人は多くないかもしれません。

例えば日本は輸出と輸入のどちらの方が多いかと聞かれたら、すぐに答えられるでしょうか?

今回は、海外取引の主な経済指標である「貿易統計」と「国際収支統計」について詳しく解説します。

 

目次

貿易統計とは

貿易統計とは、財(モノ)の輸出入の動向を示す統計で、財務省が毎月公表しています。

国や地域別、品目別に詳細な調査が行われていますが、サービスの輸出入が含まれていない点に注意が必要です。

貿易統計のデータのうち、とりわけ注目度が高いのが、輸出から輸入を差し引いた額である「貿易収支」と、「輸出」「輸入」の動向です。

貿易収支はニュースで大きく報道されることが多いので、目にしたことがある方も多いでしょう。

輸出額が輸入額を上回っていれば「貿易黒字」、輸入額が輸出額を上回っていれば「貿易赤字」となります。

財務省が2021年12月16日に発表した11月の貿易統計では、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9,548億円の赤字となりました。

貿易赤字となるのは4か月連続で、原油高や円安の影響による輸入の大幅な伸びで、過去最高を記録しました。

赤字幅は2020年1月以降、1年10か月ぶりの大きさとなっています。

輸入は2014年1月を超えて過去最高となる、前年同月比43.8%増の8兆3,218億円で、10か月連続で増加しました。

一方、輸出額は前年同月比20.5%増の7兆3,670億円で、鉄鋼や半導体の伸びが増えています。

国際収支統計とは

国際収支統計は、一定期間における国のさまざまな対外経済取引を記録したもので、当該月の翌々月上旬に公表されます。

鎖国していない限り、輸出入や海外旅行などにより、どの国でも海外の国との取引が存在します。

収入と支出が分かることから、その国の家計簿といわれることもあります。

前述の貿易統計は、財(モノ)の輸出入を対象としており、サービスが含まれていません。

そのためサービスの輸出入を把握するために、国際収支統計の中の「経常収支」のデータが役立つのです。

2021年12月8日に財務省が発表した10月の国際収支速報によれば、経常収支の黒字額は前年同月比39.4%減の1兆1,801億円となりました。

経常収支の黒字は1年4か月連続となっています。

経常収支は「貿易収支」「サービス収支」「第一次所得収支」「第二次所得収支」の4つから構成されています。

このうち「貿易収支」は、貿易統計で公表されている貿易収支とほぼ同じです。

「サービス収支」は国際貨物運賃の支払いや受け取りなどの「輸送収支」、海外旅行に関する収支である「旅行収支」などで構成されます。

そして近年経常黒字の多くを稼ぎ出しているのが、配当や利子のやり取りを示す「第一次所得収支」です。

証券投資収益や直接投資収益等、海外資産による収益で構成され、特に大きいのが米国債などからの債券利子受け取りです。

なお「第二次所得収支」は、海外援助や資金協力など無償取引を示すもので、金額が小さいためほとんど注目されません。

まとめ

今回は代表的な経済指標の中でも、特に海外とのやり取りに関する指標についてご紹介しました。

「貿易統計」は海外とのモノの取引の動向を、「国際収支統計」は海外とのモノやサービス、お金のやりとりを把握するために役立ちます。

日本は長く貿易大国と呼ばれ貿易黒字の状況が続いてきましたが、製造企業の生産現場の海外移転などが進み、次第に輸入額が輸出額に近づいていきました。

そして2011年に、1969年以来実に約40年ぶりに貿易赤字となりました。

貿易赤字は必ずしもマイナスの意味ではありませんが、国の「輸出する力」や「外貨を稼ぐ力」を示す指標となっています。

日本は今後も貿易赤字が続くのか、ぜひチェックしておきたいですね。

5回にわたって覚えておきたい経済指標について紹介してきました。

経済指標は経済動向を把握するために役立つもので、主要な経済指標をチェックすると、いかに経済が変動的で不安定なものかが分かります。

経済は政治や天候、海外の動向などあらゆる要因によって影響され、今後どうなるのか予測することは非常に難しいものです。

経済指標を活用して、ある程度の予測を立てることはできるものの、いつ何が起きるか誰にもわかりません。

少子高齢化の進行など不確実性を増す現代社会においては、年金制度など政府による保障だけに頼ることは難しく、自ら資産を形成していくことが重要となります。

資産形成の手段には様々なものがありますが、特に株式投資は特に限られた時間で大きく資産を増やせる可能性があるとして注目を集めています。

適切な取引手法を身に付ければ、短時間で利益を出せる可能性があり、本業の合間の空いた時間で取り組む人も少なくありません。

体力を必要とせず年齢にかかわらず挑戦できることから、定年退職後に株式投資で稼ぎ始める人もいます。

当サイトでは株式投資で効率的に資産を増やすための手法「テクニカル分析」を中心に、実践的で役立つ情報を数多くご紹介しています。

サイトを監修する相場師朗先生は、アジア最大規模の投資塾「株塾」を主催しており、約3,500名の受講生が月2回の勉強会を通して株技術を学んでいます。

興味のある方はぜひ詳しくチェックしてみてくださいね。

もう損しない!
企業の業績やニュースに惑わされない
相場師朗(あいばしろう)
株塾無料レッスン
mv

株トレードにおけるエントリーやエグジット、銘柄の選定方法などに悩んでいませんか?
本レッスンは、プロトレーダー相場先生による

  • なぜ、企業の業績やニュースをチェックせず利益を上げられるのか
  • 継続的に利益を上げるために必要なこととは
  • 現在3,500 名以上が通う 『 株塾 』 とはどんなところなのか

など、株トレードをする上で押さえておくべきポイントを、毎日メールにてお届けしている無料のレッスンです。
ぜひ、あなたの今後の株トレードにもお役立てください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

目次