こんにちは、インテク事務局です。
今回の特集記事では、全5回にわたって「金融のキホン」について解説します。
【金融のキホン②】金利って何?変動・固定金利、グレーゾーン金利とは
【金融のキホン④】利率と利回りって何?株式投資や不動産投資の利回りも解説
【金融のキホン⑤】マイナス金利って何?生活への影響は
前回は利率と利回りについて、詳しく解説しました。
「マイナス金利って何?」
「私たちの生活に何か影響はあるの?」
今回はニュースなどでよく耳にする「マイナス金利」とは何か、生活への影響はあるのか解説します。
マイナス金利とは
マイナス金利とは、民間の金融機関が中央銀行に預けている預金金利をマイナスにすることです。
中央銀行とは、日本の場合は「日本銀行(日銀)」のことです。
日銀は「銀行の銀行」で、民間の銀行も日銀にお金を預金しているのです。
マイナス金利政策の目的
2016年1月、日銀は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」としてマイナス金利政策を導入しました。
日銀に金融機関が預ける当座預金の一部の金利をマイナス0.1%に引き下げ、必要に応じてさらに引き下げるとしたのです。
通常、お金を貸すとその報酬として貸し手は借り手から利息を受け取ることができますが、マイナス金利はその逆の状態になるということです。
つまりマイナス金利では、金融機関が日銀にお金を預けたままにしておくと、金利を支払わないといけなくなります。
そこで金融機関は、お金を預けたままにしておくよりも、投資や企業への貸し出しにお金を回すようになります。
マイナス金利政策は、日本政府と日本銀行が物価の上昇と消費の拡大を狙って導入したものなのです。
マイナス金利で生活に影響は?
マイナス金利は、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
マイナス金利は、日銀と民間銀行の間のみで導入されているものなので、私たちが普段利用している個人の預金金利がマイナスとなるわけではありません。
マイナス金利政策について議論が行われた2016年2月の衆院予算委員会で、「金融機関の個人資産がマイナスにならないと言い切れるか」との質問に対し、日銀の黒田総裁は「マイナスがつく可能性はないだろう」と否定しています。
少なくとも当面は、自分のお金を銀行に預けても、マイナス金利によって減ってしまうようなことはないでしょう。
ただしマイナス金利によって間接的に私たちの生活に影響がおよぶことも考えられます。
それはどのようなことか、2点解説します。
金融機関の収益悪化
マイナス金利政策によって金融機関の収益が悪化すると、私たちが金融機関から受けられるサービスにも影響がおよぶ可能性があります。
実際に2019年頃から、金融機関では各種手数料の値上げが行われるようになっています。
一定期間使われていない預金口座に管理手数料が課されたり、時間外の現金引き出しや振込手数料が値上げされたり、通帳の発行が有料化されたりといったことが挙げられます。
住宅ローン金利への影響
次に、住宅ローン金利への影響が考えられます。
マイホームの購入を考えている人は、特に気になるのではないでしょうか。
住宅購入に際しては、住宅ローンを組むことが一般的となっていますが、住宅ローンの固定金利は日銀の金融政策と深く関係しています。
固定金利型の住宅ローン金利は、長期金利(10年国債金利)基準となっており、日銀が金利を誘導しています。マイナス金利は金利の上昇を抑制する政策であり、この政策が続くならば住宅ローンの固定金利は上昇しにくいと考えられます。一方、今後日銀がマイナス金利政策を撤廃して、金利を上昇させようとすれば、住宅ローンの固定金利も上昇する可能性が高くなるでしょう。
住宅ローンを検討している人は特に、日銀の金利政策には注目しておく必要がありそうです。
まとめ
マイナス金利とは、民間の金融機関が中央銀行に預けている預金金利をマイナスにすることです。
物価上昇と消費拡大を狙いとした政策で、民間銀行の収益悪化によるサービスの低下や、住宅金利ローンへの影響など、私たちの生活にも影響がおよぶ可能性があるものです。
マイナス金利政策は日本では2016年から導入されましたが、日本よりも先に導入してきた欧州では、一部の銀行が個人の預金にも実質的にマイナス金利の適用を開始しています。
スイスやドイツ、デンマークの大手銀行で、一定額以上の個人の預金残高に対し、一定の手数料を課すようになったのです。
日銀の黒田総裁はこれまでに、個人預金へのマイナス金利導入については否定しています。
しかしマイナス金利政策が続くことで民間銀行の収益が悪化すれば、いずれ個人にも負担が求められる可能性がないとは言い切れません。
またマイナスまでとはいかなくても、民間銀行にお金を預けることで受け取れる利息は、非常に低い水準で推移しています。
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