こんにちは、インテク事務局です。
今回の特集記事では、全5回にわたって「金融のキホン」について解説します。
【金融のキホン②】金利って何?変動・固定金利、グレーゾーン金利とは
【金融のキホン④】利率と利回りって何?株式投資や不動産投資の利回りも解説
前回は金利の意味と役割について解説しました。
「利率とか利回りって何?」
「証券会社の営業さんが、最終利回りという言葉を使っていたのだけど、よく分からない…」
「不動産投資の広告を見ていたら、表面利回りという言葉が出てきたのだけれどどういうこと?」
投資など資産運用に興味のある方は「利率」や「利回り」という言葉を耳にすることも多いでしょう。
利率と利回りは、同じ意味だと混同されることもあるようですが、別のものです。
今回は、利率と利回りとは何かを解説します。
利率と利回り
利率とは
利率とは、額面金額に対して毎年受け取る利息の割合のことです。
表面利率やクーポンレートとも呼ばれます。
たとえば利率1%の定期預金に100万円を預金すると、100万円の1%である1万円の利息が受け取れます。
このとき利息の額面が、元本に対して何%受け取れるかを表すのが利率なのです。
利回りとは
利回りとは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことです。
「利回り」という場合、基本的には1年間の利回りを指すことが多く、
利回りの計算式は以下の通りです。
利回り(%)= 収益の合計÷投資金額×100
この収益には、利息だけでなく売却益や売却損も合算されます。
例えば100万円を投資して1年後に2万円の分配金を受け取り、売却益が3万円出たとすると、利回りは以下のようになります。
(2万円+3万円)÷100万円×100=5%
利回りは投資実績を評価するときにもよく使われ、一般的に資産運用においては利回りが高いほどリスクも高くなる傾向があります。
利回りの種類
利回りに関しては、株式投資や債券投資、不動産投資など、投資の種類によって異なる計算式や用語が使われることがあります。
そこで、それぞれの利回りの種類について解説します。
株式投資に関する利回り
株式投資では、保有している株式によって、配当金を受け取れる場合があります。
この配当金が投資額に占める割合は、「配当利回り」として以下の計算式で計算できます。
1株当たりの年間配当金額÷株価×100
投資先の配当金が多いか少ないか、評価する指標として役立ちます。
なお株式投資の利回りを決定する際は、売却益と受け取った配当金を合算して評価します。
債券投資に関する利回り
債券は、国や企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。
株式と同じように自由に売買できるため、価格も変動します。
一般的に債券の利回りは「最終利回り」という、債券を購入してから償還期限(満期日)まで保有した場合の利回りで計算されます。
例えば額面金額1万円、利率が年率5%、1年後の満期に元本と利子をあわせて1万500円を受け取れる債券の場合、利回りは以下のようになります。
500円(投資により増えた金額)÷10,000円(投資額)×100=5%
債券は、購入した時の価格によって利回りが変わります。
満期を迎えた時に受け取れる「額面金額」よりも安い時に購入すれば利回りは高くなり、額面金額より高い時に購入すれば利回りは低くなります。
不動産投資に関する利回り
不動産投資では、投資額に対してどのくらいの賃料収入があったかで利回りを評価します。
よく使われる用語として「表面利回り」と「実質利回り」があります。
表面利回りは、賃貸物件の家賃収入や駐車場収入などの賃料収入を、投資額で割った金額です。
(賃料収入÷物件価格)×100
ただし実際に不動産経営を行っていると、修繕費や固定資産税、火災保険料などさまざまな費用がかかります。
表面利回りだけでは実際の利益が分からなくなってしまうため、実際の利益を評価するために用いられるのが実質利回りです。
実質利回りは賃料収入から、必要経費などを差し引いた粗利を物件価格で割って計算します。
(賃料収入-必要経費)÷物件価格×100
より正確に不動産投資の利回りを評価するためには、実質利回りを確認する必要があります。
投資物件の広告などでは、表面利回りが表示されていることも多いため注意しましょう。
まとめ
利率と利回りの違いについて解説しました。
利率とは額面金額に対して毎年受け取る利息の割合で、利回りは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことです。
混同されがちな2つの用語ですが、意味は異なるので間違えないよう注意しましょう。
また株式投資や債券投資、不動産投資など投資の種類によって、さまざまな利回りが使用されます。
投資に興味がある方は、検討している投資に関する利回りの計算方法はぜひ覚えておきたいですね。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。