こんにちは、インテク事務局です。
1月の特集記事では、全6回にわたって「クラウドファンディング」について解説します。
【特集記事】クラウドファンディング①クラウドファンディングって何?
【特集記事】クラウドファンディング②ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)とは
【特集記事】クラウドファンディング③株式投資型クラウドファンディングとは
【特集記事】クラウドファンディング④ファンド型クラウドファンディングとは
【特集記事】クラウドファンディング⑤詐欺はないの?クラウドファンディングのリスクとは
【特集記事】クラウドファンディング⑥株式投資との違いとは?長期的に資産を形成する方法
今月の特集記事では、これまで「融資型(ソーシャルレンディング)」「株式投資型」「ファンド型」という、クラウドファンディングによる投資について詳しく解説してきました。
いずれも比較的新しい投資方法であるため、始めるのに不安を感じる人も少なくないでしょう。
「何となく怪しい」「詐欺に遭うんじゃないか」という懸念を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
「クラウドファンディングって詐欺とかあるんじゃないの?」
「詐欺に遭わないためには、何に気を付ければいい?」
今回はクラウドファンディングで投資するリスクについて、詳しく解説します。
クラウドファンディングで投資するリスク
クラウドファンディングで投資する場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず「融資型(ソーシャルレンディング)」「株式投資型」「ファンド型」のいずれも、戻ってくるお金が投資した金額を下回ってしまう、元本割れのリスクがあります。
また基本的に途中で解約できないため、途中で現金が必要になってもお金を引き出すことはできません。
元本割れや流動性の低さといったリスクは、事前によく理解しておく必要があるでしょう。
そして多くの投資家にとって大きなリスクとなるのが、クラウドファンディングを悪用した詐欺です。
クラウドファンディングで投資すること自体は、合法で問題ありません。
しかし残念ながら、クラウドファンディングの仕組みを悪用して、お金をだましとる悪質な業者は後を絶ちません。
クラウドファンディングの詐欺事件
クラウドファンディングを悪用した詐欺の傾向としては、「リターンとして提示していた商品と別の商品を送りつける」「出資金を別の用途に流用する」「資金調達した途端に雲隠れする」などのケースが挙げられます。
投資家からお金を集めたまま、その大部分が返済されないまま終了してしまう詐欺事件は過去に何度も起きています。
特に急成長を見せている「ソーシャルレンディング」では詐欺事件が多発しており、複数の事業者が行政処分を受けているのです。
行政処分に至らなくても、ファンドが大量に遅延したり、新規募集停止を余儀なくされた事業者も少なくありません。
ソーシャルレンディングでは融資先の情報公開が規制されており、投資家は投資する企業がどんな会社なのか完全に把握することができません。
ソーシャルレンディングでの詐欺が多い理由には、この匿名性が悪用されやすいという背景もあります。
また海外でも詐欺事件は相次いでおり、中国最大級のクラウドファンディングプラットフォーム「e祖宝」では、2014年から15年にかけて巨額詐欺事件が発生しました。
その被害額はなんと約500億元(日本円で約8,058億円)、被害を受けた投資家は90万人以上にのぼり大きく報じられました。
また「e祖宝」で掲載されていた投資案件のほとんどはニセモノで、実際の運用をせずお金を横流しするだけの自転車操業状態だったことも判明しています。
クラウドファンディングで詐欺に遭わないために
クラウドファンディングで詐欺被害に遭わないようにするためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
まず利用するクラウドファンディング事業者が信頼できるかどうか、事前によくチェックしましょう。
事業者や金融庁のホームページで、事業者が過去に行政処分を受けていないかどうか確認しましょう。
さらに事業者や募集している案件について、きちんと情報公開されているかも重要です。
実在する事業者の社名を騙る詐欺も多いので、事業者のホームページが本物かよく確認しましょう。
また詐欺まがいの案件は「利回りが異常に高い」という傾向があるため、たとえば利回り15%以上など、あまりにも高い利回りの案件には注意する方が良いでしょう。
まとめ
今回はクラウドファンディングで投資するリスクについて解説しました。
「融資型(ソーシャルレンディング)」「株式投資型」「ファンド型」のいずれも元本割れや低い流動性といったリスクがあり、余裕資金で行うなどの注意が必要です。
また残念ながらこれまで、国内外でクラウドファンディングを利用した詐欺事件が多数発生しています。
特に融資先の匿名性があるソーシャルレンディングでは、詐欺が多発し複数の事業者が行政処分を受けています。
投資家がどれだけ気を付けていても、完全に詐欺を防ぐことは難しいため、ひとつの案件に投資を集中させない、あくまで余裕資金で投資するなどのリスク対策は欠かせないでしょう。
次回はいよいよ特集記事の最終回です。
クラウドファンディングでの投資は株式投資とどう違うのか、長期的に資産を形成するならどちらの投資がいいのか解説します。