こんにちは、インテク事務局です。
1月の特集記事では、全6回にわたって「クラウドファンディング」について解説します。
【特集記事】クラウドファンディング②ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)とは
【特集記事】クラウドファンディング③株式投資型クラウドファンディングとは
【特集記事】クラウドファンディング④ファンド型クラウドファンディングとは
【特集記事】クラウドファンディング⑤詐欺はないの?クラウドファンディングのリスクとは
【特集記事】クラウドファンディング⑥株式投資との違いとは?長期的に資産を形成する方法
みなさんはクラウドファンディングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
インターネットの普及に伴い始まった、比較的新しいサービスのため、あまりなじみがないという方も多いかもしれません。
クラウドファンディングにはいくつかの種類があり、実はその中には新たな投資のカタチとして注目が高まっているものもあるのです。
「クラウドファンディングって何なの?」
「クラウドファンディングにはどんな種類があるの?」
「クラウドファンディングで資産運用ができるってほんと?」
第1回となる今回の記事では、このような疑問にたいしてクラウドファンディングとは何なのかを解説します。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、インターネットを介して不特定多数の人から少額ずつ資金を調達することを指します。
クラウドファンディングはアメリカ発祥で、インターネットの普及に伴い2000年代から広がりました。
日本では2011年3月に初めてクラウドファンディングサービス「ReadyFor」がリリースされ、その後「CAMPFIRE」や「Makuake」など複数のサービスが展開されていきました。
2011年は東日本大震災が発生した年であり、資金調達のみならず寄付の手段としてもクラウドファンディングは急速に広がっていったのです。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングとひと言で言っても、詳細がよく分からない、何となく全貌が見えない、と感じる人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、クラウドファンディングにはさまざまなカタチがあり、その種類は大きく5つにものぼります。
どのような種類があるのか、ひとつひとつをざっくりと見ていってみましょう。
1.購入型
購入型のクラウドファンディングはもっとも一般的なもので、クラウドファンディングといえばこちらをイメージする方も多いかもしれません。
購入型のクラウドファンディングは、プロジェクトに対して支援者がお金を支援し、そのリターンとして支援者はモノやサービスを受け取ることができます。
たとえば「廃校になった小学校をリノベーションして、地域の人達が集えるカフェを作りたい」というプロジェクトで100万円を募集するとします。
これに対し、たとえば1,000円の支援でドリンクやスイーツを選べる来店チケットをもらえたり、1万円の支援でティーポットや紅茶の詰め合わせが自宅に届いたりするのです。
購入型のクラウドファンディングには、目標金額と募集期間を決めておき、期間中に目標金額に達成したら全額もらえる「成功時報酬型(All or Nothing)」と、募集期間中に目標金額を達成しなくても、集まった金額を受け取ることができる「実施確約報酬型(All in)」という2つの方法があり、「成功時報酬型(All or Nothing)」が主流となっています。
2.寄附型
続いて寄附型のクラウドファンディングは、プロジェクトに対して支援者がお金を寄付するものです。
お礼の手紙や写真などが受け取れるケースもありますが、商品やサービスなどのリターンは基本的にありません。
被災地支援など、社会貢献性の高いプロジェクトが多いのが特徴です。
3.融資型(ソーシャルレンディング)
融資型のクラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、事業者が仲介して個人投資家から小口資金を集め、大口化して借り手企業に融資するものです。
出資者は利息という形で金銭的なリターンを得ることができ、新たな資産運用の方法として近年注目を集めています。
金融商品のひとつとして「貸金業法」や「金融商品取引法」などの法的規制を受け、代表的なサービスには「SBIソーシャルレンディング」、「CAMPFIRE Owners」などがあります。
4.株式投資型
株式投資型のクラウドファンディングは、創業間もない企業が個人投資家に自社の未公開株を提供する代わりに資金を募るものです。
従来は富裕層が行うイメージが強く、個人投資家が行うイメージはあまりないかもしれません。
現在は、将来性のある企業に資金を提供する「エンジェル投資」を1口10万円程度から行うことができます。
投資先が新規株式公開(IPO)し新規上場したり、バイアウト(M&A)などに至り大企業に取り込まれたりすると、大きなリターンが期待できるため、ハイリスク・ハイリターンな投資といえるでしょう。
株式投資型クラウドファンディング事業者は、第1種少額電子募集取扱業の資格が必要になり、代表的なサービスには「CAMPFIRE Angels」や「FUNDINNO」などがあります。
5.ファンド型
ファンド型のクラウドファンディングは株式投資型と同様、企業による資金調達で、特定の事業に関して個人投資家から出資を募るものです。
投資した人は事業の売上や出資額に応じて、分配金や特典などのリターンを受け取ることができます。
金銭的なリターンだけでなく、事業で作られた商品やサービスなどを受け取れる場合もあり、社会貢献性の要素も強くなっています。
単なる投資ではなく、自分が賛同できるものを応援したい、事業に期待値も込めたいと考える人にはおススメの投資方法です。
事業者は第2種金融商品取引業の登録が必要で、投資する人は事業者と匿名組合契約(※)などを締結して投資することになります。
まだ日本ではファンド型のサービスは少ない状況ですが、代表的なサービスには「セキュリテ」があり国内外のビジネスへの投資ができるようになっています。
※匿名組合契約・・・組合とつくので複数名の投資家が集まるイメージを持つ方もいるかもしれませんが、匿名組合契約では、出資者と営業者とが1対1で契約を結びます。匿名組合において、三者間以上の契約は認められていませんし、他に誰がその事業に投資しているのか知ることもできません。
まとめ
今回はクラウドファンディングとは何かをご紹介しました。
クラウドファンディングには大きく5つもの種類があり、その多様さに驚いた方も多かったのではないでしょうか。
「購入型」と「寄附型」は原則として金融商品取引法の規制対象ではないため参入障壁が低く、特に支援者がリターンを受け取れる「購入型」は認知度が高まってきています。
一方で「融資型(ソーシャルレンディング)」、「株式投資型」、「ファンド型」も新たな投資のカタチとして注目を集め始めています。
今月の特集記事では、まだ認知度が低いと思われる「融資型(ソーシャルレンディング)」、「株式投資型」、「ファンド型」のそれぞれについて詳しく解説していきます。
さらにクラウドファンディングを狙う詐欺への注意点や、株式投資との違いについても解説します。
次回、第2回記事では「融資型(ソーシャルレンディング)」について解説します。