こんにちは、インテク事務局です。
10月の特集記事では、全5回にわたって「キャッシュレス」について解説します。
【特集記事】キャッシュレス①スマホ決済だけではない!キャッシュレスとは何なのか?
【特集記事】キャッシュレス②現金とキャッシュレスはどちらがいいの?メリットとデメリット
【特集記事】キャッシュレス③日本は遅れている?日本と海外のキャッシュレス事情
【特集記事】キャッシュレス④キャッシュレスは怖い?キャッシュレスと上手に付き合う方法
【特集記事】キャッシュレス⑤ポイント投資って何?長期的に資産を形成する方法とは
第1回記事から第3回記事まで、メリットやデメリット、海外事例などキャッシュレスについて詳しく説明してきました。
キャッシュレスについて理解が深まる一方で、依然としてキャッシュレスに対する漠然とした不安が消えないという人は少なくないのではないでしょうか。
「クレジットカードを持つとお金を使いすぎてしまいそうで怖い」
「キャッシュレスって、詐欺に遭ったり事件に巻き込まれそうで怖い」
クレジットカードを利用した詐欺や、銀行口座から勝手に預金が引き出されるといった事件がニュースで報道されると、「キャッシュレスは怖い」というイメージが先行してしまうこともあるでしょう。
一部で悪用されるケースはあるにせよ、キャッシュレス自体は便利なサービスであり、賢く利用すれば生活を豊かにしてくれるものです。
今回はキャッシュレスに付きまとう不安について考え、キャッシュレスと上手に付き合う方法について考察します。
キャッシュレスの不安(1)「詐欺などの事件が怖い」
まずキャッシュレスに対して多くの人が感じている不安が、「詐欺などの事件が怖い」ということではないでしょうか。
2020年9月にドコモ口座など複数の電子決済サービスを通じて銀行口座の残高が不正に引き出されるという事件が発生し、大きな話題となりました。
キャッシュレスは現金のようには目に見えないため、「いつのまにか盗まれているのではないか」という不安を感じてしまう人もいるでしょう。
しかし現金なら安全でキャッシュレスが危険かというと、必ずしもそういうわけではありません。
振り込め詐欺やそれに類似した手口の詐欺である「特殊詐欺」の発生状況は、警視庁が毎年発表しています。
令和元年の発表では、「オレオレ詐欺」の件数が特殊詐欺全体の約4割とトップを占めていました。
オレオレ詐欺には、キャッシュカードをだまし取るケースや、犯人が自宅に現金を受け取りに来る「現金受取型」などのケースがあります。
オレオレ詐欺のうち、件数では近年キャッシュカードをだまし取る事件が増えていますが、被害額では、現金受取型の事件の方が多くなっています。
ATMを利用してお金をだまし取るケースではATM利用金額に制限がある一方、現金受取型の場合は金額の制限がないため被害額が大きくなる傾向があるのです。
詐欺に遭わないためには、支払い手段に関係なく、個人の防犯対策が欠かせません。
一方でキャッシュレス特有の詐欺は、「少額を大勢からだまし取る」という傾向があります。
現金の詐欺事件では被害額が数百万円にのぼることも珍しくありませんが、キャッシュレス詐欺の場合は数千円~数十万円という少額のケースが多くなっています。
そもそも金額が少ないために被害に気付かなかったり、少額のため泣き寝入りしてしまうことも珍しくありません。
ただし中には、仮想通貨を利用し数千万円規模の金額をだまし取られるケースもあります。
詐欺被害に遭わないためには、誰もが詐欺に遭う可能性があると認識し、危機感を忘れないようにしましょう。
過度に怖がりすぎる必要はありませんが、ある程度の「キャッシュレスは怖い」という感覚は、危機感を持つためには大切なものです。
キャッシュレス詐欺にはどのようなものがあるのか知識を身に付け、少しでも疑問や違和感を感じたら、しっかりと真偽を調べるなどして、きちんと対応できるようにすることが重要です。
キャッシュレスの不安(2)「使い過ぎが怖い」
他に多くの人が感じている不安は、「お金を使いすぎてしまいそうで怖い」ということではないでしょうか。
近年のキャッシュレスでは「ポストペイ(後払い)」のサービスが多くなっています。
手元にお金がなくても簡単に欲しいものが買えるため、目先の誘惑に負けて必要以上に出費してしまう可能性があります。
現金の場合は、手元に現金がなければ借金をしない限りそれ以上の買い物はできないので、仕方なくあきらめる場合が大半でしょう。
しかしキャッシュレスの場合は、現金のようにわざわざATMまで行ってお金を下ろす必要がありません。
そのため、キャッシュレスによって消費が増えてしまう可能性があることは否めないでしょう。
日本クレジットカード協会が2017年に行った調査によれば、クレジットカードで支払う人は、現金で支払う人よりも1.7倍多くお金を使うというデータが出ています。
場面別での「スーパー」や「コンビニ」では約1.5倍の一方、「衣料品専門店」「雑貨・文具」は2倍超となっています。
日常的に散財するというよりも、少し特別間のあるシーンでついお金を使いすぎてしまう傾向があるようです。
例えばデパートに行って、高価だけれど素敵なカバンやコートを見つけた時、現金が足りなくても「カードで買ってしまおう」といったようなケースが考えられますね。
キャッシュレスの利用によってお金を使いすぎないようにするためには、毎月の予算を決め、使ったお金を記録し、お金の出入りを常に把握することが重要です。
キャッシュレスの支払いが自動的に家計簿に記録される、便利な家計管理アプリもあるので、必要に応じて活用してみましょう。
電子マネーのサービスには、一定金額以下になると自動的にお金がチャージされる「オートチャージ機能」が付いている場合もありますが、お金の管理に自信がない人は、機能を利用しないこともひとつの手です。
まとめ
今回はキャッシュレスとの付き合い方について考察しました。
キャッシュレス詐欺が増えている中「キャッシュレスは怖い」という不安を持っている人は少なくないでしょう。
しかし実際に発生している詐欺では、現金を対象にした事件も多くなっているため、支払い手段に関係なく危機感を持ち、防犯対策を徹底することが重要です。
キャッシュレス詐欺の事例を知り、詐欺に遭わないための知識を身に付けるようにしましょう。
また、後払いができるクレジットカードなどのキャッシュレスでは、現金よりもお金を使いすぎてしまう可能性があります。
キャッシュレスに連動した家計管理アプリを活用するなど、支払い状況をきちんと把握し、使い過ぎを防ぐようにしましょう。
生活を豊かにしてくれるキャッシュレスとは上手に付き合い、賢く利用していきたいですね。
最終回となる次回は、ポイント投資とは何か、そして長期的に資産を形成する方法について考察します。