こんにちは、インテク事務局です。
4月の特集記事では、全5回にわたって「気になる仮想通貨」について解説します。
気になる仮想通貨②:仮想通貨の値動きとは?恐怖の大暴落に注意
気になる仮想通貨③:「仮想通貨は怖い」は本当か?詐欺から身を守るために
気になる仮想通貨④:仮想通貨は長期の資産形成に不向き?他の投資との違い
気になる仮想通貨⑤:仮想通貨は買うべきではない?安定して利益を上げ続ける方法とは
前回の記事では、詐欺やハッキングなど仮想通貨の危険性について解説しました。
「仮想通貨で資産形成ってできるの?」
「老後に備えて資産形成したいけど、どの投資方法がいいの?」
仮想通貨などの投資に興味がある方は、老後に備えるなど長期の資産形成をしたいと考えている方が多いのではないでしょうか。
最近メディアなどで取り上げられることも多い仮想通貨は、長期の資産形成に向いているのか、株式投資など他の投資方法とはどう違うのか解説します。
(1)仮想通貨は長期の資産形成に不向き
まず結論から述べますと、仮想通貨投資は長期の資産形成には不向きだと言えるでしょう。
その理由は仮想通貨の値動きが大きく、またその値動きを予測することが困難だからです。
仮想通貨で資産を形成するには、主に2つの方法があるでしょう。
1つ目は「長期投資」として仮想通貨を安い時に買っておき、高くなるまで長期保有する方法です。
2つ目は「短期トレード」として、短期的な売買を繰り返し、利益を積み重ねていく方法です。
長期投資の場合、取引所で売買されている多数の仮想通貨のうち「将来値上がりしそう」な通貨を選んで保有する必要があるでしょう。
仮想通貨が値上がりする要因としては、仮想通貨に対する需要が上がる、知名度が上がるなどの様々な要因があります。
ブロックチェーンなど仮想通貨に関する、技術的な背景が値動きに影響する場合もあります。
それらの一次情報は海外で英語で発信されることがほとんどで、高い英語力と技術情報に対する深い知見が欠かせません。
特定の仮想通貨が値上がりするかどうか予測することは、ベテランのトレーダーでも非常に困難であり、初心者にはほぼ不可能といえるでしょう。
短期トレードの場合、短期的な売買で確実に稼ぐ必要があります。
株式投資であれば、株価の過去の値動きを分析する「テクニカル分析」という手法を用いて、将来の値動きを予測することができます。
値幅も安定しているので、初心者でも比較的調整しやすいと言えるでしょう。
しかし値動きが大きく、値動きの予測が困難な仮想通貨取引では、資金をあっという間に失ってしまうことも珍しくありません。
利益を積み重ねて長期で資産を形成しようと思っても、肝心の元手資金さえ消えてしまう可能性があるのです。
さらに前回ご説明したように、デジタル通貨であるために、ハッキングなどによって資産が盗まれてしまうリスクもあります。
長期で資産を積み重ねるには、少し不安な点があると言えるでしょう。
(2)仮想通貨と他の投資方法の違い
仮想通貨投資は長期の資産形成に不向きであることをお伝えしました。
さらに仮想通貨投資の特徴について、長期の資産形成という観点から、他の投資手段とも比較してみましょう。
・仮想通貨の管理方法
仮想通貨は発行媒体がなく、管理している組織も存在しません。
不特定多数のユーザがマイニングを行うことで、仮想通貨の発行や取引等の活動が行われています。
仮想通貨の売買を行う場所として「取引所」がありますが、マーケットには介入しません。
世界中で365日24時間取引が行われており、値幅制限もないので値動きは非常に大きいものとなります。
新しい仕組みであるため法整備はまだ十分に整っているとはいえず、仮想通貨の盗難や消失については自己責任となるケースがほとんどです。
一方で株式投資の場合、株は企業によって発行され、投資家は配当金や株主優待などを享受できる場合もあります。
また株の取引は東京証券取引所などの株式取引所で行われ、株式取引所は値幅制限を設けることによりマーケットに介入します。
値幅制限のおかげで、株式投資は仮想通貨投資よりも値動きが安定的になっているのです。
さらに株式取引所は規模が大きく、倒産リスクはほとんどないと言われています。
一方で仮想通貨取引所は規模がさまざまであり、仮想通貨投資は取引所の倒産リスクが株式投資よりも高いといえます。
株式投資は仮想通貨よりも長い歴史を有している分、取引所の規模が大きく、法整備が整っているので、より安定して長期的な投資に臨むことができるでしょう。
・仮想通貨投資の税金
長期で資産を形成するのであれば、税金面も把握しておくことが重要になります。
せっかく利益が出ても税金を多く払う必要があると、資産を大きく増やすことは難しくなってしまうからです。
株式投資で利益が出た場合、税率は利益の20.315%に固定されます。
その為、利益が大きくなってもこれ以上の税金を支払う必要はありません。
しかし仮想通貨投資の場合、利益が出るほど税率はアップし、最大で所得税・住民税合わせて55%もの税金が発生します。
株式投資は、仮想通貨投資よりも税制面で有利であるといえるでしょう。
まとめ
今回は、仮想通貨は長期の資産形成に不向きである理由について解説しました。
値動きが大きく、その値動きを予測することが難しい仮想通貨投資では、長期投資はおろか短期トレードで長期的に利益を積み重ねることも、初心者には至難の業といえるでしょう。
株式投資であれば、初心者でもテクニカル分析を習得することによって、利益を積み重ねていける可能性が高くなります。
さらに発行や管理を行う組織が存在せず、歴史が浅いため法整備もまだ十分に整っていない仮想通貨取引では、資産の消失や盗難によるリスクも高くなります。
長い歴史があり、法整備が整っている大規模な取引所で取引できる株式投資であれば、より長期的に安定的な投資を行っていけるでしょう。
次回はいよいよ、仮想通貨特集の最終回となります。
仮想通貨は結局買うべきかどうか、安定して利益を上げ続けるにはどうすればよいのかを解説します。